冬ソロキャンプに行こう!

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今年のスキーシーズン(2020年)は、記録的な暖冬により各地のスキー場で雪不足が続いています。僕のホームゲレンデである「ハンターマウンテン塩原」「マウントジーンズ那須」は人工降雪機が完備されているため、なんとかオープンできていますが、お世辞にもゲレンデコンディションが良いとは言えません。天気予報とにらめっこしながら、なんとか良さそうなコンディションの日を見定めてスキーに出かけています(それでも3月現在で計17日のシーズン滑走日数ですけどね)。

さて、冬にスキーができる日が少ないとなると、他に何をしようか…。よし、現在流行中の冬キャンプに挑戦してみよう!と唐突に思い立ちました。

1 なぜ冬にキャンプ?

キャンプと言えばやっぱり夏のイメージですよね。真冬にアウトドアで寝泊まりするなど、場合によっては命にかかわります。しかしながら、僕の愛車ENV200は電気自動車。満充電状態であれば一般家庭の2日分の電力をバッテリーから取り出すことができます。アイドリングや外付けバッテリーがなくても、居住スペースに暖房は入れ放題!充電量に気を付けていれば、少なくとも凍死の心配はありません。この利点を生かさない手はありませんよね。それに、冬キャンプには夏にはない以下のようなアドバンテージがあるのですよ。
(1) さすがに夏よりもお客さんが少ないので、空いていて静か。
(2) 虫・毒ヘビ・熊などの迷惑な生き物がいない。
(3) 夏に比べて空気が澄んでいるので、夜空の星や夜景がとてもきれい。
(4) ガチなキャンパーがほとんどなので、キャンプ場でのマナーが良い。
これらのアドバンテージのせいで、また、バラエティ番組やTVアニメーションで取り上げられているせいで、近年冬キャンパー人口は急増しているそうです。

2 キャンプギアをそろえよう!

アウトドアブランドの本格キャンプギアはとても高価ですね。僕は初心者キャンパーなので、最初はできる限りコストを抑え、これが本格的に趣味の1つになったならば、必要なものから買い替えていこうと考えました。最近のリサイクルショップにはキャンプ用品が充実していますものね(ということは、始めてすぐにやめちゃう人も多いってことかな?)。

(1) 居住スペース

①ロゴス neos Link Panel・PLR  7,480円(ネット通販)

寝る場所は車中泊用のカーゴスペースのベッドになりますが、せっかくのキャンプ場ですので、できるだけ屋外で過ごすようにしたいですよね。本格キャンピングカーのようなサイドオーニングは僕には大仰すぎますので、車のルーフに連結可能なキャノピー型タープを購入しました。100円ショップの吸盤型フック2個と2本のスチールポールを使い、15~20分で設営できます。

②アームチェア  500円(リサイクルショップ)

身体が沈み込み、包まれる感じのアームチェア。ノーブランドのようですが、ほぼ未使用状態でした。

③アルミフォールディングテーブル  1,500円(リサイクルショップ)

これもほぼ未使用状態。折りたたむととってもコンパクトで軽い。

組み立てはとても簡単です。下のネコは付属しませんよ。

④LEDランタン   800円(リサイクルショップ)

道の駅とは違い、キャンプ場は街灯が少なく、夜の調理やトイレに行くときなどは照明が必需品です。ガスや灯油ランタンは雰囲気抜群ですが、やはり実用的なのはこれですね。

設営例です。実際に組み立ててみると、タープがもうちょっと大きい方が良かったかなと思いましたが、ソロオートキャンプには必要十分ですね。

タープの張り綱は2本ですが、風が強い場合は4本に増やします。テンションをしっかり保つために自在金具は必須です。

(2) 服装

冬キャンプですので防寒仕様であることが最重要ですが、焚き火をすることを考えると、表地が火の粉に強い「綿100%素材」であることも重要です。普通のダウンジャケットなどでは、すぐに穴だらけになりそうですからね。コストを抑えるために、最近話題の某作業服ブランドのアウトドアレーベルのものを選びました。

①N-3B型防寒ジャケット  3,900円(作業服ショップ)

かなり厚手の中綿入りフィールドジャケットです。ボア付きフードやポケット類も機能的にできています。それにしても安い!

②ストレッチカーゴパンツ   2,900円(作業服ショップ)

こちらも厚手でポケット類が多数。ストレッチ素材がうれしいですね。これも安い!

この2点に、タートルネックシャツと厚手のフランネルチェックシャツを合わせ、レッドウイングのワークブーツを履くと、見た目だけはベテランキャンパーっぽくなりました。実際にキャンプをしてみた感想は、うーん…、とても動きやすいし機能的なのですが、思った以上に寒い…。まあ本格アウトドアブランドの約10分の1の値段ですからね。コスパを考慮すれば納得です。

(3) 焚き火用品

「キャンプに行くのは焚き火をしたいから」というソロキャンパーさんも多いようですね。僕もその一人です。夜、焚き火を見つめているとそれだけでヒーリング効果があるように感じられます。今のキャンプ場は直火禁止のところがほとんどですので、焚き火のための道具は必須です。

①テーブル七輪型焚き火台   1,980円(ネット通販)

下部に放熱穴があるため、テーブルに乗せてもOKというアウトドア用七輪です。焼き網などのパーツも付属していて使い勝手がよく、本格的な焚き火台よりもかなり安価ですが、焚き火台としてはちょっと底が浅い。そこで…。

100円ショップで買った植木鉢用の鉄製フレームを装着してみました。本体にも焼き網にも測ったようにぴったり! ソロキャンプの焚き火にはこれで十分ですね。

②金属製トング 100円(100円ショップ)

焚き火をしながら薪をいじるためのものですので、これで十分。

③薪 0円(自宅近くの雑木林)

薪はキャンプ場で500円前後で購入できますが、僕は自宅近くの雑木林でぱぱっと拾って段ボールに詰めて持っていきます。着火しやすい細い枝から火もちの良い太い枝までバランス良く、これもキャンプの楽しみの一つです。

(4) 調理器具・食器

アウトドアでの料理や食事もキャンプの重要な要素です。僕のコンセプトは、「赤ワインとパンに合う料理」。ホールトマト缶とハーブソルトとオリーブオイルととろけるチーズがあれば、コンセプトに合う料理が数種類できそうです。熱々の料理とパンを食べながら、アームチェアにふんぞり返って昼間からワインをかっ食らうつもりです。イメージは映画『紅の豚』で、主人公のポルコ・ロッソがアジトの無人島の砂浜でウダウダしている感じかな。

①角型スキレット 300円(100円ショップ)

シーズニング(空焚き・オリーブオイル塗布を繰り返す)をしたスキレットは万能調理器具です。2つを合わせれば簡易型ダッチオーブンにもなります。100円ショップのものとは思えない質感ですね。

②木製皿・スプーン・フォーク・ナイフ・ワイン用グラス  0円(自宅)

ほとんど自宅にあった私物です。ナイフは義理の父が釣り用として使っていた多用途タイプです。グラスは強化ガラスのもの。プラスチックでは雰囲気が出ませんから。

③多用途鍋 0円(自宅)

嫁さんの実家の物置に転がっていた、かなりしっかりとした造りの多用途鍋。もう使わないとのことなので、キャンプ用にもらい受けました。炊飯用に飯ごうを買おうかと思っていた矢先だったので渡りに船、これで飯を炊こうと思います。

さて、現時点での僕のキャンプギアの総額は、なんと2万円を切っています。このローコスト状態でどれだけ楽しめるかなあ。

3 どこでキャンプする?

完全な手つかずの山中で焚き火をしたり調理をしたり寝泊まりしたりというのは、初心者の僕にはハードルが高すぎます。かといって、AC電源完備のオートキャンプサイトは1台2000~5000円と、道の駅車中泊で全国を巡っている僕としてはかなり抵抗のある金額です。ネットで検索していると、僕の自宅から車で1時間程度のエリアに良さげな2つのキャンプ場がヒットしましたので、実際に行ってみました。

(1) 道の駅かつら・ふれあい広場  茨城県東茨城郡城里町御前山37

「茨城SURF TRIP」でもご紹介したこの道の駅、キャンプ場を謳ってはいませんが、河川敷にある広大な「ふれあい広場」でキャンプをすることができます。テント設営はもちろん、車の乗り入れもOK。直火禁止ですが焚き火・バーベキューもOKで、道の駅では薪も販売されています。驚くべきことに使用料は無料で、完全にフリーサイト状態です。

ここが「ふれあい広場」。川の流れは緩やかで、夏場は水遊びも楽しめそうですね。ただ、夏場はフリーサイト状態からか、かなりマナーの悪いキャンパーやバーベキュー客が少なからずおり、道の駅側は対応に苦慮しているそうです。こんな素晴らしい施設が一部の心無い人々によって閉鎖されることのないよう祈るばかりです。

広場の入口付近には、無料の薪まで準備してくださっています。ただ、ちょっと燃えにくかったかな。

実はこの道の駅、2019年の台風19号に伴う洪水により水没してしまいました。当時の外部トイレも同様で修復不可能だったため、ごく最近新設されました。ふれあい広場から少し離れていますが、設備が素晴らしい。洗浄便座は当たり前、サニタリーは液体せっけん・温水・乾燥ブローが全自動です。

(2) 東古屋キャンプ場  栃木県塩谷郡塩谷町上寺島744

塩谷郡の山奥にある「東古屋ダム」のダム湖のほとりにあるキャンプ場。フリーサイトで車の乗り入れも自由です。使用料は大人一人500円! ただし、2020年3月から1000円に値上がりしました。それでも格安ですね。 

ダム湖ではトラウトフィッシングが行われており、釣りシーズンにはキャンパーよりもアングラーの方が多いくらいです。釣り場の管理事務所でキャンプ受付が行われていますが、チェックイン・チェックアウト時刻はあってないようなもののようです。バイクのソロキャンパーが多いのも特徴です。

炊事場の設備は必要十分ですが、清掃が行き届いていてとてもきれい。食べ残しのごみなどを放置するような人もいないようです。

トイレは男女とも個室が1つずつ。キャンプ場自体が空いているので問題ないかな。水洗ですが洗浄便座は無し。毎朝係の方が清掃してくれています。

4 キャンプ飯を作ろう!

自然の中では、何を食べても2割増しくらいに美味しいのですが、アウトドア料理を覚えるとさらに食の楽しさが広がりますね。相当凝った料理を作るキャンパーさんも多いようですが、僕は「簡単・熱々・ワインに合う」にこだわりたいと思います。

(1) 合鴨スモークとグリーンアスパラガスのホイル包み焼き

僕のレシピの中で最も簡単な料理です。まずアルミホイルとクッキングペーパーを広げ、カットしたアスパラガスを並べて置きます。

アスパラガスの上に、スーパーで売っている合鴨の燻製をスライスして乗せます。

合鴨の上にもアスパラガスを乗せ、ペーパーとホイルでしっかり包みます。これだけで準備は終了。簡単でしょ。

あとは焚き火でひっくり返しながら蒸し焼きにするだけです。ちょっと乱暴だけど、焚き火の中に放り込んでしまってもOK。時間は火の強さによりますが、20~30分程度かな。

やけどに気を付けながらホイルを開き、お皿に盛りつけて完成です。合鴨は熱々でいい感じに余計な脂が抜け、アスパラは逆に香味油でソテーしたようになります。今日のパンはプールという丸いフランスパンで、普通のバケットよりも中がきめ細かくふわふわなのが特徴です。今日のワインはまろやかなメルロー種のチリワインで、激安ですがアウトドアでの早飲みワインとしては十分だと思います。

(2) ツナ&トマトのブルスケッタ

ブルスケッタとは、イタリア人が古くなったパンを美味しく食べるために考案した料理だとか。その節約精神、嫌いじゃないです。

まず、タマネギとピーマンをみじん切りにして瓶に入れます。

続いて、ホールトマト缶の中身を瓶にあけます。これで準備完了。

スキレットを火にかけ、オリーブオイルをたっぷりと敷きます。(ちなみにスキレットのハンドルカバーは、100円ショップの椅子の足カバー、4つで100円。これがハンドルにぴったり。)

準備した瓶の中身をスキレットにあけ、ハープソルトで味を調えます。

煮詰まってきたらツナ缶を投入してさらに煮込みます。オリーブオイルをたっぷり使っているので、ツナ缶はノンオイルのものがいいと思います。

最後にとろけるスライスチーズを2、3枚投入し、チーズが溶けたら軽く混ぜ合わせて完成です。

熱々のうちにパンにのせ、やけどに気を付けていただきます。今日のパンは固めのバケット。今日のワインは『紅の豚』よろしく、トスカーナの軽めの赤。サンジョベーゼ種のイタリアワインは、安価な割に品質が安定していると思います。

そうそう、バケットは両面をよく焙るのをお忘れなく。食べるタイミングにはちょうど熾火になっている頃です。

(3) コンビーフの炊き込みご飯

TVのバラエティ番組で取り上げられていたレシピです。たまにはパンだけでなくご飯も食べたいですよね。

まず、タマネギとピーマンをみじん切りにします。

米を研いで水加減を調整したら、みじん切りにしたタマネギ・ピーマン・ほぐしたコンビーフ・固形コンソメ1片を入れ、1時間ほど吸水したら焚き火に乗せて炊きます。

炊きあがったら、ブラックペッパーを適量振りかけてかき混ぜ、ふたをして少し蒸らしたら出来上がりです。

さて、実食した感想ですが、うーん、想像したよりもぼやけた味でした。ブラックペッパーの量を増やして、ようやく味が締まった感じ。決して不味いわけではないのですが、TV番組の中ではかなり絶賛されていた味なので、僕の作り方が悪かったのかな…。