11th TRIP 新潟~富山~福井~京都~岡山~広島~四国地方~兵庫(10月中旬)

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サーフィンシーズンも終わり、車中泊の旅を再開します。コロナ禍の中ですが、GOTOキャンペーンも始まり、一時期よりは県外ナンバーへの風当たりも少ないでしょう。今回の目的地は四国地方。かなりの遠方ですが、僕は人生で初めて訪れますのでワクワクです。

※悲報です。車中泊トラベラーの強い味方だった『月刊温泉博士』が、実質的な休刊状態となったようです。どうやら不定期に出版はされているようですが、Amazonその他で購入しようとしても見つかりません。無料入浴クーポンが使えないのは痛いですが、考えてみれば今までが恵まれすぎていましたよね。

峠の茶屋 蔵(新潟県十日町市) ※第1日目

新潟県まで一気に走り、山の中にぽつんとあったこのドライブイン風の店で昼食。ここを選んだ理由は、お昼時を過ぎているのにたくさんの車が駐車していたから。ちょっと期待できそう。

メニューは定番の釜めし他、さほど多くありません。メニュー筆頭に載っていた牛肉の煮込み定食(1,080円)をチョイス。これが大当たりでした。牛肉の角切りがすき焼き風の和風だしで2日間ほど煮込まれているのですが、肉は原型をとどめているのにふわふわトロトロで、うまみもしっかり残っています。かなり良質の牛肉を使っているようですね。僕は肉で半分ほどご飯を食べ、あとの半分は土鍋に投入しおじや風にしていただきました。いやあ、満腹です。

実はこのお店、「深夜の飯テロドラマ」として人気を博している『孤独のグルメ』season3に登場しているそうです。井之頭五郎(松重豊)さんが食べていたのは釜めしだったようですが、店主やおかみさんの仕事ぶりを見ていると、どのメニューも美味しそうですね。

辻わくわくランド(富山県魚津市)

この住宅地のど真ん中にある日帰り入浴施設で入浴休憩。スーパー銭湯にしては割とこじんまりとしています。料金は通常で490円、ネットの割引クーポンで390円と格安です。

温泉ではなく、露天風呂もありませんが、内湯・ドライサウナとも設備は充実しています。地元の人たちで賑わっていました。

道の駅 ウェーブパークなめりかわ(富山県滑川市)

先を急ぐ旅なので、一気に富山県に入りました。漁港のすぐそばのここで1日目の車中泊です。コンクリート打ちっぱなしのこの施設は、土曜日だというのに閑散としており、僕を含めて車中泊の車は数台だけ。大型トラックもほとんど通らず、ゆっくりと眠れそうです。

道の駅裏の突堤では、翌朝早くから多くの釣り人が糸を垂れていました。

道の駅 恐竜渓谷かつやま(福井県勝山市) ※第2日目

福井県に入り、ここで充電休憩。新しくてきれいな道の駅で、特に駐車場がすばらしく広い。近くには恐竜博物館もあります。福井県はやはり恐竜推しですね。

秋の交通安全運動期間中からか、駐車場では県警の交通機動隊がPR活動をしていました。

道の駅 河野(福井県南越前町)

先を急ぎます。ここでも充電休憩。海岸の高台にある絶景の道の駅です。

インフォメーションコーナーも充実しています。

駐車場からはこんな絶景が望めます。逆光で見えませんが、正面には廃炉が決定した高速増殖炉・もんじゅがあります。現在までに投入された予算は、1兆810億円にも上るとか…。廃炉作業には同等の予算が必要とも言われているので、絶景もかすみがちになりますね。

あみーしゃん大飯(福井県おおい町)

ここで入浴休憩。地元のコミュニテイー施設の中にあるここは、入浴料300円という格安設定。建物上部の円筒部分が入浴施設となります。

大きな内湯。窓は曇っており写真のような絶景は望めません。露天風呂はありませんが、料金を考えれば納得です。

道の駅 舞鶴港とれとれセンター(京都府舞鶴市) 

今日は完全移動日となりました。ここで車中泊です。市内中心部にあるため、割と雑然としていましたが、夜は早めに静かになりました。

道の駅からは、海上保安庁の巡視船の停泊中の姿が望めます。

実はここよりちょっと東に行くと、海上自衛隊舞鶴地方隊の基地があります。ヘリ空母「ひゅうが」をはじめとする戦闘艦群は大迫力ですが、見学は土日のみとのこと。

道の駅 但馬のまほろば(兵庫県朝来市) ※第3日目

ここで充電休憩。ここからは「天空の城」と呼ばれる竹田城跡がほど近く、しかも今日はこの場所にも雲海が下りてきていて条件はかなり良好。迷ったのですが行程を優先し断腸の思いでパス!

国宝 姫路城(兵庫県姫路市)

姫路市内の日産ディーラーで充電していると、このすぐ近くに「白鷺城」こと姫路城があるとのこと。日本の城郭ランキングでは不動の1位のここは、訪れていて損はないでしょう。巨大かつ華麗な天守部分は当時の様式美の象徴のようですね。

それに対して下半分の城壁・堀の部分は、敵軍の攻撃を想定し軍事戦略的に様々な工夫が施されており、こちらは機能美と言ったところでしょうか。この城郭は、上半分の様式美と下半分の機能美が見事に融合していると感じました。

さて、兵庫県から岡山県を経由し、広島県に入りました。 コンビニに立ち寄ると、地元の年配の方の「〇〇しとるけえ、△△じゃのう」という広島弁が聞こえてきました。思わず「怖い人かな?」と思ってしまうのは、やはりこの映画の影響でしょうね。

映画『仁義なき戦い 広島死闘篇』

本シリーズ全5作、新シリーズ全3作が製作され、これは本シリーズの第2作目です。当時まだ若手のイケイケだった深作欣二監督は、マキノ雅弘監督や山下耕作監督が確立した東映仁侠映画の様式美を大胆に破壊し、戦後の広島やくざ社会の血で血を洗う理不尽な派閥抗争を、ハードバイオレンスアクションに仕立て上げました。その画面から伝わってくる迫力は、クエンティン・タランティーノや北野武がリスペクトしてやまないのもうなずけます。主演の菅原文太はこの作品では狂言回し的な役割になり、実質的な主演は孤独なヒットマン役の北大路欣也です。そのギラギラした獣のような鬼気迫る演技は観る者を圧倒します。その他、これもケダモノのような極悪非道の新興組長の千葉真一、凛とした美しさの大組長の姪の梶芽衣子、クールで筋の通った若衆頭の成田三樹夫など、魅力的な登場人物にあふれています。僕はシリーズの最高傑作だと思っているのですが、同時に表現の残虐さも相当なものですので、鑑賞にはくれぐれもご注意を。

ホテル ルートイングランディア福山(広島県福山市)

今回の旅は長丁場ですので、今日はここに宿泊します。「グランディア」の名を冠するこのホテルは、ルートインホテルズのビジネスラインよりもリゾートホテル寄りのホスピタリティに振った、観光客向けのホテルのようです。GOTOトラベルキャンペーンにより、ネット予約でかなりお得に泊れそうです。

シングルルームですが、ベッドは幅140cmのダブルサイズ。僕には広すぎるくらいです。

夕・朝食付きのプランを選択すると、地域共通クーポンがおまけでついてきました。夕食のグレードアップに使わせてもらいます。

このホテルを選んだ大きな理由は、天然温泉の豪華な入浴施設「華のゆ」が併設されていること。もちろん宿泊者は無料です。その規模の大きさと施設の充実度は、健康ランドの域をはるかに超えています。僕はチェックイン後、2時間以上も滞在していました。

お風呂でさっぱりしたら、お待ちかねの夕食です。まずはオードブルの牛肉のたたきを追加オーダー。夕食にはグラスビールがサービスでつくとのこと。風呂上がりにはうれしい!

次にメインのカキフライ御膳。広島と言ったらやっぱりカキでしょう。大ぶりのカキはとてもジューシー。タルタルソースとウスターソースでいただきます。他に鯛のお造りなどの小鉢がついています。生ビール中ジョッキを追加オーダー。

まだ食べられます。さんまの塩焼きを追加オーダー。ご飯もお代わりをもらいます。さんまはちょっと痩せ気味の冷凍もののようですが、今年さんまを食べるのは初めてなので。それにしてもさすがに食べすぎだよな…。

などと思いつつも、ネコマタギ状態にして完食。還暦過ぎというのにこの食欲、俺は馬鹿なのか…! これだけ追加オーダーをしても、地域クーポンを使うとたった177円の加算で済みました。

翌朝、ひとっ風呂浴びた後に朝食バイキング。豊富な品ぞろえは高級リゾートホテル並みです。

まずは一の膳。アジの南蛮漬け・サケの塩焼き・卵焼き・グリーンサラダ・オニオンリング・ニンジンとブロッコリーの温野菜・そしてタコめし! このタコめしが絶品でした。

二の膳は洋食。ロースハム・ソーセージ・スクランブルエッグ・グリーンサラダ・パン2種。クロワッサンの上にある自家製パンがとても美味。持ち帰ろうかと思ったくらいです。さすがにもう満腹。タコめしに後ろ髪を引かれましたが、腹も身の内ですね。

部屋で食後の休憩をした後、チェックアウトです。皆さん、料金を聞いて驚いてください。1泊2食ビールと温泉付きで、何と5,823円! 夕食の追加料金を入れると、ジャスト6,000円です。GOTOトラベル恐るべし&ありがたや。

実はここのコスパがあまりに素晴らしかったので、後日に他の地方のルートイングランディアにもう一泊したのですが、ここほどの満足感は得られませんでした。もちろんそれでも素晴らしいコスパには違いないのですが、ここ福山店があまりにも突出しているのです。次回の九州旅行の際には、また必ず訪れたいと思います。

広島県尾道市街 ※第4日目

これから尾道市を経由してしまなみ海道に入ります。坂の路地が多くレトロで穏やかな街並みが有名な尾道市街ですが、観光目的で訪れるよりも住んでみて初めて良さがわかる街のような気がします。さて、尾道と言えばやはりこの映画でしょうね。

映画『時をかける少女』

「究極の美魔女」原田知世の劇場映画デビュー作で、大林宜彦監督の「尾道三部作」の最高傑作と呼ばれている作品です。ラベンダーの香りのする化学薬品のせいでタイムリープ能力が備わってしまった少女の初恋模様が、尾道の古い街並みの中で展開されます。この少女が、現代においては、いや公開当時としてもありえないような純真無垢なキャラクターで、僕などはやや赤面しながら観始めるのですが、すぐにそのキャラクターに引き込まれてしまうくらい、原田の演技は自然で新鮮です。そういえば、作家の林真理子氏が、公開当時斜に構えて鑑賞したところ、エンディングのタイトルロールで号泣していたというエピソードをエッセイに書いておられました。確かにラストシーンはハッピーエンドではなく、かといってバッドエンドでもない、絶妙なさじ加減で深い余韻を残すものになっています。

瀬戸内しまなみ海道(広島県尾道市~愛媛県今治市)

この道を走ることが、今回の旅の目的と言ってもいいくらいです。瀬戸内海の島々を経由し、本州と四国を結ぶ全長50km強の絶景ドライブコースです。

好天に恵まれ、瀬戸内海がより穏やかに感じられます。波は当然ほとんどないのですが、海流があるのがわかります。

巨大なハープ橋を5つ経由します。人口建造物と雄大な自然との対比が素晴らしい。

高速道路ですので、急速充電器のあるサービスエリアもあります。ここで充電休憩。

サービスエリアからは、ハープ橋を間近から見られます。車道の下には遊歩道とサイクリングコースが通っているのがわかります。クロスバイクを積んできたら、きっと楽しいだろうな。

あっという間に今治市に入りゴールです。通行料金は5千円オーバー! 僕の車は1ナンバーなので、商用中型車というジャンルすなわち「お金を稼ぐ車」となり、一般車よりも割高になります。ETC割引なども適用外。

思ったほど絶景も楽しめなかったので、クロスバイクによる無料のサイクリングコースを使うというアイデアもあると思います。このコースは往復70km強ですから、丸一日がかりの行程で何とかなるはずです。荒天・メカトラブル・体調不良などのリスクが伴いますが…。

今治城(愛媛県今治市)

戦国時代の名建築家として有名な藤堂高虎が築城した、「ザ・城」といった趣の城郭です。姫路城と比べるとだいぶ小ぶりですが、スタイリッシュなデザインですね。

高虎は日本初の層塔型天守を考案し、これはその後の天守デザインのトレンドとなりました。従来の天守に比べて、建築コストが抑えられることも魅力だったようです。

堀の中にはたくさんの魚が泳いでいました。コイにしては小ぶりだなと思いよく見ると、形もだいぶ違います。まさか…。

堀にはすぐ前にある今治港の海水を引き入れているため、瀬戸内の海水魚たちが入り込んでいるのです。みんなうまそうですね。コイかと思った魚はクロダイでした。この看板を見た後、観光客らしいおばさまに「堀を泳いでいるのはなんという魚なのですか」と尋ねられ、「これはですね…」としたり顔で受け売りの説明をしてしまいました。

道の駅 今治湯の浦温泉(愛媛県今治市)

ここで充電休憩。愛媛県内は道路が空いていて気持ちがいいですね。

売店にはゆるキャラグランプリ上位常連のこの子が。

道の駅 とよはま(香川県観音寺市)

瀬戸内沿いの街道を走って香川県に入り、ここで充電休憩。駐車場からは瀬戸内の風景が望めます。

敷地内にこんな施設(?)もありました。ご利益はどうなんでしょう。

海の対岸に見えるのは、おそらく尾道市か福山市ですね。あんなに近いんだ。

実際に走ってみると、四国というのは本当に平地が少ないことがわかります。平坦なのは海岸沿いのみで、あとはかなり険しい山地になっています。僕の車は山越えが苦手ですので、海岸沿いドライブに専念したいと思います。

道の駅 たからだの里さいた(香川県三豊市)

本日はここで車中泊です。山間部にある静かな道の駅。比較的新しい施設で、トイレも快適です。

道の駅の裏手には、静かな湖がありました。キャンプ椅子を持ち出し、バーボンを飲みながら少しまったりします。

敷地内に日帰り温泉施設「環の湯」があります。当然本日の入浴はここで。

泉質は少しぬめり感があり、体が良くあたたまります。午後10時まで営業とのことで、湯上り後に大広間で横になっていると、ついウトウト…。湯冷めする前に車に戻り、おやすみなさい。

岡崎製麺所(香川県三豊市) ※第5日目

うどん県香川に来たからには、讃岐うどんを食べずに帰れません。車中泊した道の駅から車で3分ほどの場所に、有名なこの製麺所があります。ただし、販売しているのはうどんの麵のみ。客はどんぶり・箸・出汁・お湯を持参しないと食べられません。僕はカップうどんのものを用意し、営業開始の午前7時に入店します。

お湯は車の電気ポットで沸かし、購入した麵をどんぶりに入れて粉末出汁をかけて、いただきます。具材も薬味もありませんが、うーん、素晴らしく旨い! 小麦の風味が鼻腔を刺激します。コシのあるうどんと固いうどんの違いが明確にわかったような気がします。これが本日の朝食、90円也。

山内うどん店(香川県まんのう町)

昼食も当然うどんです。ここも有名店ですが、山間部のかなりわかりにくい場所にあり、ナビがないとたどり着くのは難しいと思います。お客は地元の方と観光客が半々くらいでした。味のある店構えに、期待が膨らみます。

セルフサービスでうどんと具材を選びます。僕は「あつあつ(熱いうどんに熱いスープ)」の特大と、ゲソ天(上)と鶏天(下)をチョイス。スープはイリコかトビウオの濃厚な出汁、うどんは岡崎製麺所の麵をさらに太くコシを強くした感じです。 ゲソ天と鶏天は、スパイシーで厚めの衣がついていて、天ぷらというより唐揚げに近い感じです。特にゲソ天のボリュームが凄い。さすがに量が多すぎましたね。

僕が太くコシの強いうどんと格闘するように食べていると、地元の方々はどんどん食べ終えていきます。おそらく噛まずに飲み込んでいるのでしょう。こんなに太いうどんなのに、よく胃もたれしないよなあ。

讃岐富士(香川県丸亀市)

讃岐うどんを堪能し、香川県ともお別れです。車で走っていると、香川県の象徴ともいえるこの山が見えてきました。全面を覆う緑が美しいですね。

鳴門海峡大橋(徳島県鳴門市)

徳島県から淡路島を経由して兵庫県に抜けます。まずは大鳴門橋とも呼ばれるこの巨大なハープ橋を渡ります。

パーキングエリアからの風景。残念ながら有名な渦潮は観られませんでした。

兵庫県立淡路島公園・ニジゲンノモリ(兵庫県淡路市)

淡路島の北端にある公共の自然公園にやってきました。面積約140haというとんでもない広大さで、開園から40年たった現在も未だ整備中のようです。ごく最近、この中にニジゲンノモリというアニメパークがオープンしました。おそらく、ジャパニメーション目当てのインバウンド客を狙ったものでしょうが、駐車場はじめ各種表示案内が不十分で、結構迷いました。内部には、『NARUTO』『クレヨンしんちゃん』『火の鳥』などの作品をテーマにしたフィールドアスレチック系のアトラクションが点在しています。公園自体の入場は無料ですが、各アトラクションの料金設定は結構高めです。

ゴジラ迎撃作戦(ニジゲンノモリ内)

ほんの数日前にオープンしたアトラクションです。売りはなんと言っても、実物大シン・ゴジラ! 上半身部分だけですけどね。

間近で見ると迫力が凄い。映画の中で「嚙み合わせが悪そう」と評された歯並びもきちんと再現されています。

アトラクションの模様です。設定は、薬剤ミサイルで動きを封じられているゴジラの活動再開を阻止するため、迎撃作戦隊員がジップラインによりゴジラの口中から体内に侵入する、という無茶苦茶なものですが、参加している人たちを観察していると、ほぼ全員が最後に叫び声をあげています。かなりの迫力のようですね。

アトラクションのチケットセンター。なかなかいいネーミングだと思います。

ここはゴジラミュージアムとスーベニアショップ。映画でゴジラに対応していたのは巨災対(内閣官房直属の巨大不明生物特設災害対策本部)でしたが、ここでは NIGOD ( 国立ゴジラ淡路島研究センター )。ロゴを見るとNERF的な組織かな?

映画『シン・ゴジラ』

『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督が怪獣王をリビルドし、興行的にも作品的にも大成功を収めました。この映画を一言で表現するならば、ずばり「災害としてのゴジラ」だと僕は思います。初代ゴジラも、核兵器という「人間が御することのできない強大な火」のメタファーとして描かれていましたが、この映画では解釈を一歩進め、どう猛な巨大生物という「天災」と核汚染という「人災」を併せ持つ災厄、言うなれば東日本大震災の象徴としてゴジラを描いていると僕は感じました。人間はそのあらゆる叡智を結集しゴジラを「アンダーコントロール」しようとしますが、結局は活動を停止させるのが限界で、問題の根本的な解決は先送りせざるを得ないという、こちらも福島原発事故を想起させるラストシーンとなっています。

明石海峡大橋(兵庫県明石市)

この橋を渡って 淡路島から明石市へ入ります。それにしても、広島~兵庫間の通行料金は1万円を越えました。僕にとっては3,4日間も旅ができる金額です。次回の九州地方への旅では、有料道路の使用について十分な事前検討が必要ですね。

とはいえ、生まれて初めてみる瀬戸内海は、とても印象深いものでした。そういえば、中国・四国地方で出会った地元の人たちは、この海のように穏やかな方々ばかりだったなあ。

吉川温泉 よかたん(兵庫県三木市)

本日の入浴は、濃厚な炭酸泉で有名なここで。内湯は広く各種露天やサウナも備えており、700円の料金は泉質・設備を考えると割安だと思います。

道の駅 但馬のまほろば(兵庫県朝来市)

本日の車中泊場所です。トラックエリアと一般車エリアがきちんと分かれており、幹線道路沿いとは思えないくらい静かです。道路を挟んだ向かいにはコンビニもあります。コンビニで購入したビールを飲み干すと、FMをかけっぱなしにして爆睡。

道の駅 禅の里(福井県永平寺町) ※第6日目

早朝、まだ暗いうちに出発し、一気に福井県に入りました。初めての道を真っ暗な中走行するのは、怖いし景色も楽しめないので正直嫌いなのですが、今回は理由があります。途中に30分程度の充電&仮眠を数回とりながら、この道の駅にたどり着きました。ここのほど近くに、お目当ての施設があります。

福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)

世界三大恐竜博物館の1つと称されるここは、コロナ禍の影響で入場は完全予約制です。前日にネットで本日午後の予約がとれたので、午後一の入場に間に合いたかったのですよ。さあ、半日じっくり見学しようと思ったのですが、ウイルス対策のため見学時間は1時間半程度にしてくれとのこと。このご時世だからしょうがないよな…。

入場料は730円。公共の施設なので格安だと思います。1階のエントランスから長いエスカレーターで地下3階まで下り、1階まで徒歩で上りながら展示を見学するのが順路のようです。シンメトリーデザインの内部は、建築家の黒沢紀章氏の設計とのこと。展示内容はマニアックなものまで含めるとかなり多岐にわたり、情報量がものすごいので、ここでは「映える」ものを中心に紹介していきます。

いきなり出ました! メジャー中のメジャー、ティラノサウルスの可動型ロボットです。これは宝くじ協会から寄贈されたもので、予算の関係でしょうかお子様サイズで迫力は今一つ。まあ、Tレックスの可動型ロボットは成獣型をこれまでに何度も見ていますので、足を止めてみるまでのことはないかな。

トリケラトプスの頭骨。草食恐竜ですが、怒らせると怖そうですね。

こちらは成獣Tレックスの全体骨格。さっきのロボットよりも動き出しそうな迫力があります。

ブラキオサウルスの全体骨格。こいつが凄い。圧倒的な大きさです。

ご当地出身のフクイラプトル。イグアノドン系の草食恐竜です。

鎧竜アンキロサウルスの仲間。東宝怪獣映画ではアンギラスという名前で、ハリネズミのような外観をしていましたね。

海竜エラスモサウルスと亀の祖先アーケロン。のんびりしていて何か癒されます。

これは珍しい! ヴェロキラプトルの可動型ロボットです。間近で見ると意外に大きい。敵を威嚇するような動きもとてもリアルで、見ていて飽きません。

ここで紹介したのはごく一部です。レストランや各種ショップも中に入っているので、恐竜好きでなくても丸一日楽しめそうです。

館内エレベーターの内壁に、当館スタッフが貼ったと思われる表示。おしい! ここは「初号機」でしょ。

映画『ジュラシック・パーク』

館内見学の最中、僕の脳内ではジョン・ウイリアムス作曲のメインテーマが繰り返し再生されていました。我ながらベタです。マイケル・クライトン原作のこの映画は、スティーブン・スピルバーグの手によって現在までに全5作が製作されていますが、やはり最高傑作はスピルバーグ自身が監督したこの第1作でしょう。製作されたのは25年前ですので、今観るとCGの仕上がりに粗さが感じられますが、公開当時の衝撃は今でも鮮明に覚えています。前半、森の中からブラキオサウルスがのっそりと登場するシーンでは、観客全員が主人公のグラント博士と同じようなリアクションをとったことでしょう。あらゆるジャンルの名作を世に送り出しているスピルバーグ監督ですが、やはり真骨頂はこの映画や『激突!』『ジョーズ』のような「忍び寄る恐怖」を描いたパニック・ムービーだと僕は思います。

道の駅 小谷(長野県小谷村)

恐竜博物館に1時間ちょっとしか滞在しなかったので、その後一気に長野県まで来てしまいました。ここが本日の車中泊場所です。山間部の静かな道の駅ですが、観光客は結構多めでした。

中のショップでは、地元の精肉業者さんでしょうか、プロシュート(生ハム)の量り売りをしていました。地元産ワインや地酒も充実していて、地域商品のブランド化に力を入れているみたいですね。

日帰り温泉「深山の湯」が隣接しています。当然ここで入浴です。泉質は赤みがかった塩化物泉で温度は熱め。露天・サウナを備えて料金660円は良心的ですね。

白馬八方尾根スキー場(長野県白馬村) ※第7日目

さあ、あとは自宅まで。群馬県を目指して走っていると、右手に大規模スキー場の姿が。硬派なアルペンスキーヤーの聖地と言ってもいい、八方尾根スキー場です。唐松岳から裾野にかけて、文字通り八方を尾根に囲まれたこのスキー場は、様々なレイアウトの個性的なゲレンデの集合体です。特に、広大な一枚バーンの兎平ゲレンデや、斜度40度の黒菱ゲレンデは憧れです。僕は若いころ一回だけ訪れているのですが、急角度で登るゴンドラに驚いた記憶があります。また来たいけど何せ遠いからなあ。

道の駅 中条(長野県長野市) 

ここで充電休憩。農産物直売所が充実しています。

道の駅前の森の様子。白いもやは霧が下りてきているわけではなさそうです。前日までに降った雨の水分が地中に蓄えられていて、今日の地温の高さから水蒸気になって立ち上っているのだと思います。「森は自然のダム」という言葉を実感しました。

道の駅の駐車場で見かけ、オーナーさんの許可を得て撮影しました。永遠の名車ポルシェ930型911ターボ…!

道の駅 ヘルシーテラス佐久南(長野県佐久市)

この旅最後の車中泊場所です。中部横断自動車道佐久南IC前に位置しているにもかかわらず、大型車と普通車の駐車場が完全に別になっており、夜はとても静かです。高速道路に近いのですが、走行音も全く気になりません。明日は一気に自宅まで走るぞ。午後には到着できそうです。

☆11th TRIPのまとめ☆

①今回の車中泊した道の駅は、どこも非常に快適でした。この旅を始めた当初は、騒音やトイレの使い勝手の悪さなどに悩まされ、眠りの浅いことも多かったのですが、慣れてきたせいかどんな条件なら快適かの判断ができるようになったようです。とにかく「夜間の周りの交通量が少ないこと」「大型車と普通車の駐車場が分かれていること」「比較的新しい施設であること」の3つを基準に選定すると、ハズレは少ないと思います。

②今回は長丁場の旅だったので、車中泊だけでなく途中にホテル泊を入れました。前述の通り非常に満足度の高いホテルだったのですが、宿泊していてふと思いました。「ベッドのすぐ傍にきれいなトイレと水道があり、ドアを出てエレベーターに乗ればレストランと温泉がある、なんて贅沢なんだ!」どうやら車中泊やキャンプに僕の体と心が慣れてしまったようです。退職する前はそこそこ高級なホテルや旅館に宿泊しても、「ま、こんなもんでしょ」くらいにしか思わなかったのに…。精神の幸福度は、今の方が断然高いですよね。この旅を始めて本当に良かったと心から思います。

③今回の旅で中国・四国地方をおおむね制覇しました。残るは山口県と九州地方のみ。僕の「EVで行く!道の駅車中泊の旅」も、いよいよエンディングが見えてきました。次回、LAST TRIPは、うーん、スキーシーズンが終わった4月中旬かなあ。

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