LAST TRIP 群馬~長野~福井~島根~大分~熊本~佐賀~福岡~山口~岡山~岐阜(11月上旬)

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いよいよ2年ぶりの、そして最後の車中泊の旅に出発します。今までの中で最も行程の長い旅になりますが、とにかく無事に帰ってくることができるように最大限気を配りたいと思います。

さて、現在コロナウイルス第8波の兆候が見え始め、また全国旅行支援がすぐに予約満杯となり、その使い勝手の悪さが話題となっています。ざっとこの旅の行程を予習してみると、なんとか旅行支援が適用できるスケジュールを組むことが可能で、しかも一泊6000円前後のビジネスホテルを使う場合、実質負担ほぼ0円で宿泊できることがわかりました。そこで、行程の長さからくる疲労度を考え、一日おきにホテルに宿泊するという、僕にとっては今までにない「お大尽旅行」を行うこととしました。自由気ままな車中泊の旅というコンセプトからはやや外れますが、年も年ですしね、健康と安全を第一に考えての選択です。ちょっと日和ってるかな・・・。

〇道の駅 はにゅう(埼玉県羽生市) ※第1日目

まずここで充電休憩。何の変哲もない幹線道路沿いの道の駅ですが、日曜日ということもあり、かなり混雑しています。

トイレは綺麗です。車中泊に適しているかというと、やはり幹線沿いですので、静かに就寝できるような環境ではなさそうですね。

僕が栃木県内の道の駅で充電休憩をしないのは、ほぼすべての充電器に現金500円がかかるからです。充電カードが使えないんですよ。全国を巡る旅をしていてこんな県は栃木県だけです。なんとかならないものですかね。また、栃木県の道の駅はレストランの価格が高い! そりゃあ営業努力をしなくても一定数のお客さんは入るでしょうけど、長い目で見ると観光拠点として先細りになると思うのですが…。

〇ホテルルートイングランディア羽生(埼玉県羽生市)

初日からホテル泊です。ここは以前から泊まってみたいと思っていたホテルです。広島県福山市のルートイングランディアがあまりに素晴らしかったので、ついつい期待してしまいます。玄関からロビーに入ると、いきなり「土足厳禁」の看板が。靴を下足箱に入れ、スリッパでチェックインです。まるで温泉ホテルですね。

大浴場はまさに温泉ホテル並みです。特に高温サウナが広くてのびのびできます。チェックインして3時間くらい大浴場でくつろいでいました。

全国旅行支援を使うことにより、平日は3000円分のクーポン券がもらえます。今日はこのクーポン券で近所のスーパーで夕食と旅行中に必要な下着類を購入しました。ホテルに支払った金額は約3600円、これでクーポンと温泉と朝食バイキングが付くわけですからまさにタダ同然、使わない手はないですね。

〇道の駅おかべ(埼玉県深谷市) ※第2日目

朝一で温泉に入って朝食バイキングをしっかり食べ、7時前に出発します。ここで充電休憩。駐車場の大きい道の駅です。

別棟にちゃんとしたレストランが併設されていました。オープン前でしたが、地産地消にこだわったメニューはかなり期待できるものでした。

本日はハロウィーン。巨大カボチャが陳列されていました。

栃木・埼玉・群馬の幹線道路を2日間走りましたが、まるで金太郎飴のように同じような風景が続き、退屈でしたね。チェーン店のレストラン・量販店・カー用品店の派手な看板が同じような配置で定期的に目に入ってくるのです。おまけに大型トラックが多く慢性的な渋滞状態。生活に根差した道路なので当たり前なのですが、ドライブを楽しむという環境ではありませんでした。

〇道の駅ほっとぱーく・浅科(長野県佐久市)

長野県に入りました。以前に車中泊したこの道の駅で充電休憩。前回は真夜中に到着して夜明け前に出発したので気づかなかったのですが…。

道の駅のテラスからは、真正面に浅間山の雄大なパノラマが広がっていました。素晴らしい立地ですね。

長野県内は今が紅葉真っ盛り。気温が低く悪天候気味ですが、その紅葉にもやがかかって幻想的な風景を作り出しています。しばしば車を停めて見入ってしまいました。

〇道の駅桜の郷荘川(岐阜県高山市)

岐阜県に入りここで充電休憩。しかし寒い! 他の観光客もダウンコートなど完全に冬支度です。

ホットコーヒーと名物のみたらし団子であたたまります。一本130円という安さがうれしいですね。

〇林檎の湯屋おぶー(長野県松本市)

本日は車中泊ですので、まず体を温めなくては。この温泉施設で入浴します。住宅地の中のややわかりにくい立地です。料金は700円ちょっととやや高めですが…。

設備が素晴らしい! 露天・内湯・サウナとも清潔で広々としています。温泉でなく沸かし湯なのが残念ですが、コスパはかなり高いですね。サウナ1セットで体が復活しました。

〇道の駅今井恵の里(長野県松本市)

本日の車中泊はここで。とにかく駐車場が広くて静か。熟睡できそうです。トイレはやや汚かったかな。

〇恐怖の野麦峠越え(長野~岐阜~福井) ※第3日目

夜明け前に出発し、福井県を目指して飛騨山脈の野麦峠を越えます。このルートは道の途中に「お助け小屋」と呼ばれる避難所があるほど、古くから交通の難所として知られています。現在は高速道路網が整備されているはずですが、僕はあえて旧道を選択しました。EVの峠越えはギャンブルなのですが…。

車中泊の旅一番の恐怖体験をすることになってしまいました。まず天候が最悪。小ぬか雨が降りしきる気温0度の暗くて細い山道ドライブです。車一台がやっと通れる荒れた路面で、登り坂では電池がどんどん減っていきます。後で知ったのですが、土砂崩れによりほんの3日前に通行可能になったばかりだとか。フロントウインドウの曇り止めにエアコンを使うと、さらに電池が減ります。他の車や民家は全くなし。もし脱輪したり電欠になったりしたら、おそらく携帯電話の電波も微弱でしょうから、遭難は必至です。そもそも雨のための土砂崩れも再発の可能性があります。引き返そうにも方向転換するスペースもありません。行くも地獄戻るも地獄、本当に命の危険を感じる1時間弱のドライブで、写真を撮る余裕など全くありませんでした。「お助け小屋」を過ぎて下りに入り、道幅が広がってきたときは「生きててよかった」と心から思いました。

〇『あゝ野麦峠』

明治時代、日本の絹織業を支えた飛騨の女工の過酷な労働を描いた山本茂美の小説を、名匠山本薩夫監督が映画化しました。まさに「女工哀歌」という日本映画独特のウェットな内容で僕はやや苦手なジャンルなのですが、山本監督の重厚で骨太の演出と大竹しのぶの大袈裟になり過ぎない演技により、2時間半を一気に観せます。オープニングとエンディングでは、舞踏会での華族の令嬢たちのシルクのドレスが優雅にゆらめくシーンと、雪の野麦峠越えをする女工たちの過酷な様子を対比させ、日露戦争前後の日本経済を支えた名もない人々に思いをはせるような演出になっています。

〇サバエシティーホテル(福井県鯖江市)

ハードなドライブにより疲労がピーク、体も冷え切っています。早々にホテルにチェックインすることにしました。鯖江市内にそびえるこのホテルは、結婚披露宴用のバンケットルームを備えるなど、鯖江市では筆頭のシティホテルだったようですが、現在はニーズの低下により普通のビジネスホテルの料金設定になったようです。設備品や調度品はそこそこのものを使っているようで、ちょっと得した気分です。

大浴場はありませんので、自室のバスタブに熱いお湯を張り、ゆっくり浸かっていると体力が回復してきました。今日一日ろくなものを食べていなかったので、全国旅行支援の3000円分のクーポンを使って豪勢な夕食をと考えていたのですが…。

ホテル近くの飲食店でクーポンを使えるお店がありません。車で夕食に出かけるのもおっくうなので、近くのご当地スーパーで食材や旅で使う消耗品などを買い込み、部屋での夕食となりました。日本海の魚を食べたかったなあ…。

〇サバエシティーホテルの朝食バイキング ※第4日目  

このホテルは、「シェフ自慢の無料朝食バイキング」を一番の売りにしているようですが、その内容は期待以上のものでした。和食メニューが特に充実しており、小鉢に分けられたほうれん草の白和え・青菜のおひたし・茄子の焼き浸し・切り干し大根などの味付けが絶妙です。定番のサバの塩焼きの脂の乗りはバイキングのレベルをはるかに超えていて、一流ホテルの朝食バイキングにもある意味引けは取らないと僕は思いました。口コミの中には「普通の朝食じゃないか」といった内容も散見されますが、ウインナーやスクランブルエッグやシュウマイ等ばかり食べていては、この朝食の良さはわからないだろうなあ。レストランは最上階で、鯖江市内が一望できます。

〇道の駅西山公園(福井県鯖江市)

お腹いっぱい朝食をとったので、ベッドで食休みをした後、出発しました。まずホテルのすぐそばにあるこの道の駅で充電。鯖江市のシンボル的な西山公園とエレベーター・ブリッジでつながっている道の駅です。

〇道の駅三方五胡(福井県若狭町)

若狭湾沿いに入りここで充電休憩。小規模な道の駅ですが、幹線道路から外れた閑静な場所にあり、車中泊には最適でしょうね。

道の駅の横はすぐに入江。無料開放の自然水鳥観察棟があります。

トイレも小規模ながら清掃が行き届き清潔です。

急速充電器が2台も設置されています。本当に福井県内の道の駅は設備が充実しています。

先日の悪天候はどこへやら、穏やかな晴天になりました。日本海もゆったり静かです。

〇道の駅ようか但馬蔵(兵庫県養父市)

兵庫県に入りここで充電休憩。江戸時代の蔵を模した大規模な道の駅です。平日ですがたくさんの観光客で賑わっていました。

急速充電器は2台。シャッター付きの小屋に入って向かい合わせに設置されていました。初めて見る設置方法です。

〇道の駅きなんせ岩美(鳥取県岩美郡)

鳥取県に入りました。ここが本日の車中泊場所です。まだ3時台なのでお客さんが多い。でも、お客さんの大半が地元の人のようです。道の駅の中に入ってその理由がわかりました。

鮮魚の値段が異常に安い! 高級魚のカサゴが3尾で500円前後、小ぶりのカレイが6尾で230円とありえない値段です。キッチンがあれば僕も爆買いをしているところです。

さて、時間もまだ早いのでひとっ風呂浴びようと思います。近くの温泉を検索すると「ゆかむり温泉」がヒットしました。車で10分程度ですので、ふらりと立ち寄るとここが凄かった…。

〇ゆかむり温泉共同浴場(鳥取県岩美郡)

この立派な建物がこの温泉の共同浴場。地元の人御用達で観光客はほとんど見当たりません。共同浴場なのでボディソープやシャンプー等のアメニティはありませんが、そんなもの必要ないくらい源泉かけ流しの泉質が素晴らしい。熱めの湯にゆっくりと浸かり、外に出ると11月の夕方というのに半そでTシャツでちょうどいいくらいです。

共同浴場の周辺には旅館が数件、どれも昭和というより大正レトロな雰囲気です。温泉宿の旦那さんが気さくに話しかけてくれて、この温泉地の歴史についていろいろ教えてくれました。近くの酒屋さんの看板はもう博物館寄贈レベルですね。こんなひなびた温泉宿に気心の知れた仲間と泊ってどんちゃん騒ぎ(このご時世ダメだよね)するのもいいなあと思いました。

さて、ゆかむり温泉の散策を終えて道の駅に戻ると、幹線沿いのせいか意外に騒々しい。安眠のために車中泊場所を変えることにしました。

〇道の駅いなば気楽里(鳥取県鳥取市)

「きなんせ岩美」から30分ほどのここで車中泊。できたばかりの大規模な道の駅です。とにかく付帯施設がきれいで使い勝手がいい。11時までですがコンビニもあります。他の車も少なくて安眠できそうです。

コロナ禍で使用できませんが、無料の足湯までありました。

〇青山剛昌ふるさと館(鳥取県北栄町) ※第5日目

今日も朝暗いうちに出発し、中国地方の日本海側をひた走ります。充電休憩で立ち寄ったのがここ。『名探偵コナン』の作者、青山剛昌先生の生誕地ということで建設されたようですね。早朝なので全く人気はありません。

原作と同じ、阿笠博士の黄色いビートルが玄関前に展示されていました。超長寿の推理マンガで、大まかな設定はわかっていますが、僕は正直あまり興味のない作品です。しかし、次の作品は結構面白かったなあ。

〇『ルパン三世VS名探偵コナン(TVスペシャル)』

日本テレビ系の人気長寿アニメ番組のまさかのコラボ作品です。両作品ともトムス・エンタテインメント制作のため全く違和感のない仕上がりで、内容もアクションミステリーとして予想以上によくできていました。僕がツボだったのは、次元大介とコナンくんの疑似親子のくだりで、両人とも妙にほほえましく描かれていました。映画版も制作されましたが、僕はこちらは未見です。

実はこの施設には充電器が設置されておらず、近くの道の駅で充電しました。鳥取県は充電スポットの閉鎖・移動・故障がやたら多いように感じました。

〇国宝・松江城(島根県松江市)

島根県に入りました。ここは必見でしょう。堀尾忠氏が築城した国宝5城の1つです。天守の周りには桜の木が多く植えられ、春はさぞかし綺麗でしょうね。

〇天守は外観4重、内部5階、地下1階。下部ほどボリュームがあり、どっしりとした安定感がありますね。

〇興雲閣

松江城内に明治天皇の御宿所として建設された擬洋風建築の迎賓館です。このレベルの文化財が無料開放されているのは珍しいですね。

中央階段。派手というより重厚さを感じます。内部にはカフェなども併設されています。

舞踏会用のボールルームでしょう。土足で入れますが、清掃が行き届いています。

〇松江神社

松江城内にある、初代松江藩主の松平直政を祭った神社です。拝殿はわりと閑散としていました。

毎日300km近く走行しているせいで、疲労が蓄積してきています。1日おきにホテル泊にしたため、どうしても行程スケジュールに縛られる傾向があり、「気ままな旅」というコンセプトがブレつつありますね。ちょっと反省です。

〇益田グリーンホテルモーリス(島根県益田市)

本日の宿泊はここ。今まで数十件のビジネスホテルを使ってきましたが、間違いなくここがベスト1です。部屋は広々したダブルルームで、ホテル側が無料でアップグレードしてくれたようです。

最上階にある大浴場には、サウナまでついています。残念なのは水風呂がついていないこと。ととのわなくても疲れをとるには十分ですけどね。

カフェのような宿泊者専用の漫画コーナー。まるで高級ホテルのメンバーズフロアのようです。

上のコーナーの横に附帯する夜鳴きラーメンコーナー。もちろん無料で食べられます。

電子レンジやコーヒーサーバーだけでなく、ミニキッチンまでついています。実際に料理をしている宿泊客もいました。

とにかくあらゆる便利な施設が附帯していて、しかも使い勝手がとてもよく、これで普通のビジネスホテルと同料金。予約が取りにくいと言われているのも納得です。僕の場合は全国旅行支援でほぼ実質無料ですからね。申し訳なくなってしまいます。

〇いちだい(島根県益田市)

3000円のクーポン券を使って夕食です。検索すると、ホテルの近くに良さげな焼き鳥屋さんがあるようです。そこに向かったのですが、本当に間違って入ってしまったのがここ。これが幸運でした。ジビエ料理メインのお店で、数名の先客グループが宴会を始めていました。僕が入店したとたんに満席御礼という小さなお店です。若いマスターとおかみさんの2人で切り盛りしているようです。

生ビールとお通し。関東風のおでんがよく煮込まれていて旨い。この辺りとしては珍しく味が濃いですが、まあ酒のアテですからね。

本格焼酎が充実していました。栗焼酎の「ダバダ火振」が気になりますね。

まずは焼き鳥の盛り合わせ。丁寧に調理されたつくねが旨い。これで400円代とは安い! これは期待できそうです。

この店は猪肉が売りのようで、宴会グループはもうぼたん鍋をつつき始めています。僕は猪肉の串揚げを注文。揚げ方が上手で旨いのですが、猪肉の特徴はあまり感じられなかったなあ。

ここは猪肉一本でいくことにしました。猪肉の串焼きと猪肉コロッケを注文。コロッケは上げ具合が絶妙でいくらでも食べられそう。シンプルな串焼きは猪の野趣あふれる風味が生かされていて絶品です。どちらもビールに良く合い、僕は瓶ビール1本を追加。

おかみさんに「串焼きが素晴らしい」と告げると勧められたのがこれ。猪肉の鉄板焼きです。歯ごたえのある肉を噛めば噛むほど旨味があふれてきます。飲みすぎかなと思いましたが、瓶ビールをもう一本追加。付け合わせのカボチャやレンコンの素揚げもとても丁寧に仕上げられており、マスターの料理に対する誠実さが表れているようです。

大満足でした。これだけの料理を飲み食いして、お会計は4000円弱。べらぼうに安いです。お会計の際に僕が栃木県でレア食肉関係の仕事をしていることを告げると、無口な感じのマスターもわざわざ挨拶に来てくださり、しばしジビエ談義に花を咲かせました。一見の客だというのに、帰りは店の外まで2人でお見送りまでしてくださいました。本当にご馳走様でした。

〇益田グリーンホテルモーリスの朝食バイキング ※第6日目

夕食も含めて、昨日はとても充実した一日でした。大浴場でひとっ風呂浴びた後の朝食バイキングも十分満足できる内容で、五穀米ご飯がとても美味しかった。お腹いっぱい食べました。

〇道の駅萩シーマート(山口県萩市)

山口県に入りここで充電休憩。名前の通り、ここは中の売店とレストランが凄かった。

ド派手な海鮮レストラン。価格設定もお手頃です。

魚市場のような海産物売り場です。生け簀までありました。

刺身用の小ぶりのソーダカツオ。1本50円!

〇萩・武家屋敷(山口県萩市)

萩城の城下町に広がる武家屋敷エリアは、現在でも地元の方々の邸宅です。細い路地を歩くと、江戸の風情を色濃く残したお屋敷が続きます。

白壁と同色の蔵が続く大邸宅。さぞかし名のある豪商のお屋敷でしょうね。

どのお屋敷も、庭に大きな木がそびえています。

このお屋敷の木は桜でしょうか。春は見事でしょうね。個人のお宅にもかかわらず、観光案内板が立てられていました。

さて、いよいよ関門トンネルを通って九州初上陸です。北九州市から福岡市への幹線道路を走っていて感じたのですが、九州のドライバーは合流や車線変更に独特のリズムがあるみたいですね。具体的に言うと、車間を開けることを嫌うというか、一台分の車間があればほぼ必ず割り込んでくるみたいです。複数車線の場合は、とにかく周りの車よりも一台でも先に行こうと車線変更を繰り返す傾向を感じました。大型セダンなどはゆったり走っているのですが、軽自動車にその傾向が強いようです。何かマウントをとりたいのかなあ、結局到着する時間はほとんど変わらないのですけどね。

〇ホテルルートイン若宮インター(福岡県宮若市)

慣れないリズムのドライブで疲れました。ちょうど満杯だった福岡県の旅行支援が再開されたとのことで、2日連続のホテル泊にすることにしました。急だったのでホテルは無難なチェーンのここで。どうせ実質無料ですからね。

大浴場で体をゆっくりさせると、何かもう出かけるのがおっくうになりました。3000円のクーポン券はホテルのレストランでも使えるので、今日はそこでの夕食にしたのですが…。僕と同様の考えのお客さんで、レストランは結構な混み具合、それに対してスタッフの人数が少なすぎるようです。

ホールスタッフがオーダーを取りに来ない。何回か声をかけてようやく注文。ビールと串揚げが出てくるまで30分はかかりました。

焼餃子は皮が破れて餡がはみ出しています。「腹に入れば一緒だろ」ってことかな…。

カニクリームコロッケ。ソースは店内のどこにもありません。尋ねようにもホールスタッフがつかまらない…。

焼きホッケ定食。醤油もどこにもありません。何だここは…。どの料理も味は悪くないのですが、サービス業としての根本を疑ってしまいますね。

〇道の駅豊前おこしかけ(福岡県豊前市) ※第7日目

朝風呂の後朝食バイキングをしっかりと食べて出発。ここで充電休憩。屋根のついた広いモールがあり、雑貨屋さんやフードスタンドが並んでいます。

レストランのメニュー。500円でご飯・みそ汁がお代わり自由とは破格ですね。バラエティ番組でも紹介されたみたいです。

〇道の駅さがのせき(大分県大分市)

大分県に入りました。別府温泉を経由して佐賀関沿いのここで昼食です。楽しみにしていたメニューがあるのですよ。

関ブリのりゅうきゅう丼と関サバコロッケ。りゅうきゅう丼とは、ごま油と醤油で作ったたれで刺身をづけにして食べる海鮮丼のこと。ちょっとハワイのポキ丼に似ています。ブリの身の弾力が凄い。関サバコロッケはちゃんとサバの風味が生きています。今日は土曜日なのでレストランはほぼ満席。ほとんどのお客さんがりゅうきゅう丼を注文していました。いやあ美味しかった。

道の駅のテラスからの景色。佐賀関から別府湾までが一望できます。ロケーションは素晴らしいですね。急速充電器がないのは残念。

〇別府~湯布院ドライブ(大分~熊本)

別府温泉・湯布院温泉は、温泉マニアなら絶対に避けて通らない場所でしょうが、土曜日で大混雑が予想されるので素通りします。もったいない気もしましたが、僕にはこのドライブルートの方が楽しみでした。豊後富士と呼ばれる由布岳周辺は、この季節は広大なススキの野原の絶景が広がっています。

夕方でしたが、登山客でにぎわっていました。道の駅ゆふいんに充電休憩で立ち寄ったのですが、駐車場に停めるのに苦労するほど大混雑でした。この辺の山の景色は猛々しさがなくて曲線が多く、どこか女性的な感じがします。

〇道の駅阿蘇(熊本県阿蘇市)

暗くなった山道をおそるおそる走り、ようやく阿蘇までたどり着きました。今日はここで車中泊です。外気は冷え込んできており、本当は温泉に入りたかったのですが、残念ながら近くに入浴施設がありませんでした。

本来、道の駅は車中泊を認めていないところが多いのですが、ここは駐車場からトイレまでの動線に足元の照明をガイドビーコンのように設置しているなど、車中泊者に特化した設備が整備されており、車中泊マニアからは「聖地」とまで呼ばれているところです。2020年までは自由に使える電源コンセントまであったとか。土曜日ということで駐車場はほぼ満杯。ちょうど良さげな1区画が空いていたので、そこに駐車しました。両サイドには他の車中泊車があるので、こりゃあ気を遣うし雑音も覚悟していたのですが…。

さすがは聖地、これだけの混雑にもかかわらず皆さんマナーが良く、ほとんど音が聞こえてきません。僕もドアの開け閉めにいつも以上に気を遣いながら就寝。いつも以上にぐっすり眠れました。

〇朝風呂と朝食(第8日目)

まだ暗く寒い朝6時に出発、熊本市内を目指します。さすがに身体が冷え切っているので、24時間営業のスーパー銭湯で体を温めます。サウナに1セット入って目も覚めました。

朝食はスーパーで買ったこれ。名物のかしわめしのおにぎりセットです。味は普通、同じ名物なら辛子レンコン弁当にすればよかったかな。

〇熊本城(熊本県熊本市)

名実ともに熊本のシンボルですね。豪将・加納清正が築城した銀杏城の別名を持つ美しくて威厳のある天守です。西南戦争の際に戦場となり焼失し、現在の姿は60年前に復元されたものです。

こちらは「第3の天守」と呼ばれる宇土櫓。焼失を免れ当時のままの姿を残しています。2016年の熊本地震の際に破損し、現在修復中です。

宇土櫓の歴史ある佇まいと比較すると、現在の天守はやはりレプリカ感が否めない気がしてしまいます。熊本城を愛する方々ごめんなさい。

天守の最上階からの景色。熊本市内が一望できます。

水の抜かれた堀。中央部が深くなっており、水が張られていたら歩兵はさぞかし苦労したでしょうね。

〇道の駅鹿北 小栗郷(熊本県山鹿市)

佐賀県を目指し出発。熊本県と福岡県の県境にあるここで充電休憩。TKG食べ放題500円は高いのか?安いのか?

開放感のあるテラス席では、多くのご高齢のお客さんがくつろいでいました。全体的にこの道の駅は木のぬくもりを生かした和風の造りなのですが、BGMはLOVE PSYCHEDELICOが大音量で流れていました。店員さんの好みなのでしょうが、施設の雰囲気や客層に合わせてほしいものです。

〇道の駅たちばな(福岡県八女市)

ここで充電休憩&昼食です。道の駅に附帯するこのレストランは、地元メニューが豊富です。

福岡名物だこ汁。だんご汁がなまったと思われる、いわゆるすいとん汁です。素朴な味でとても美味しい。添えられた柚子胡椒を溶かし込むと、味が締まってさらに美味しい。おかわりしようかと本気で思ったくらいです。

〇サンホテル鳥栖(佐賀県鳥栖市)

今日は日曜日でどこも混雑しています。こんな日はホテルでゆっくりしましょう。ここが本日の宿泊場所、JR鳥栖駅に隣接した普通のビジネスホテルです。近くにはカタールW杯日本代表の司令塔、鎌田大地選手を輩出したJ1サガン鳥栖のホームである鳥栖スタジアムがあり、試合日にはサポーターの常宿となるようです。

〇ひなっ子(佐賀県鳥栖市)

クーポン券3000円で居酒屋夕食です。この店は福岡県周辺で展開している小規模な焼き鳥屋チェーンの鳥栖店。福岡の鶏が旨いのは常識ですので、まあ間違いはないでしょう。

今夜は鶏三昧といきましょう。まずは生ビール。お通しは塩だれキャベツとお漬物です。

ささみの超レア串。とろりとしていてとても美味。新鮮な鶏は刺身でも食べられますからね。これがメニューにあるってことは、食材のクオリティに自信があるということでしょう。

いろんな部位をミックスした串焼き。名前は忘れましたが、美味しかった。

もも肉とレバーをタレで。このタレが旨かった。とくにレバーとの相性は抜群でした。

本日のメインディッシュ、鶏肉のネギまみれです。かなりのボリュームですが全然飽きがこない。ビールが進みます。

本日の〆、鶏汁のおにぎりセットです。鶏皮の和え物が小鉢に入ってついています。鶏汁が楽しみだったのですが、ちょっと甘めの醤油味で思ってたのと違う。残念ながら僕の好みではありませんでした。巨大おにぎりに付ける鶏味噌がとても旨かった。いやあ、今日もよく食べました。

〇サンホテル鳥栖の朝食バイキング ※第9日目

ホテル1階での朝食。バイキングメニューはやや少なめですが、ビジネスホテルの無料朝食は本来こういうものでしょう。小規模ホテルなので宿泊客も少なく、落ち着いてゆっくり食べられました。

〇太宰府天満宮(福岡県太宰府市)

学問の神様とされる菅原道真公を祀る有名な神社です。最初はあまり興味がなく近いからちょっと立ち寄ろうくらいの気持ちでしたが、行ってよかった。楼門の佇まいも素晴らしい。月曜日の早朝ということで、観光客もまばらで静かです。

本殿へのアプローチにある庭園も、整備・清掃が行き届いています。観光名所にしては珍しく清々しい気分になりました。

本殿にお詣りする人も、この時間は少ないようです。僕も二礼二拍手一礼でお詣りしておきました。

本殿の左手にある樹齢1500年といわれるクスノキ。国の天然記念物に指定されています。

〇ららぽーと福岡・νガンダムは伊達じゃない!(福岡県福岡市)

ファースト・ガンダムと呼ばれる最初のTVシリーズのエピソード『ククルス・ドアンの島』のリブート作品が今年劇場公開されるなど、今も人気コンテンツの1つである『機動戦士ガンダム』。このν(ニュー)ガンダムは、その主人公アムロ・レイの最後の搭乗機で、実物大の立像が昨年からここららぽーと福岡に展示されています。周りのビルと近いので、お台場などの立像よりも迫力が感じられます。

劇場映画『機動戦士ガンダム・逆襲のシャア』に登場するこの機体は、アムロ・レイ自身が基本設計し、開発をアナハイム・エレクトロニクス社に発注したという設定で、パイロットの意思をダイレクトに操縦系に伝達する「サイコフレーム」というデバイスが組み込まれているとのこと。アムロにとっては無償で兵器の供与が受けられ、アナハイム社にとってはアムロの戦闘データを兵器開発にフィードバックできるというウィンウィンの関係ですね。現代の戦争でも、同じようなことが行われているんだろうなあ。背負っている巨大なパーツは「ロングレンジ・フィンファンネル」、この立像のオリジナルで、用途はよくわかりません。

1時間おきに、ガンダムが天を見上げて指さすというギミックが装備されています。正直ちょっと盛り上がりに欠けるかな。

〇『機動戦士ガンダム・逆襲のシャア』

富野由悠季監督がファースト・ガンダムの正式な続編として、満を持して製作した劇場用作品です。小惑星アクシズを地球に落下させ地球に住む旧タイプの人類を粛清しようとするネオ・ジオン軍と、それを阻止しようとする地球連邦独立艦隊ロンド・ベルとの攻防を、シャア・アズナブルとアムロ・レイの憎悪とリスペクトがないまぜになったライバル関係を軸に描いています。全編を通して、富野節と呼ばれる登場人物の独特なセリフ回しが満載で、今でもネット上でネタにされるくらいです。

さて、関門トンネルを通って九州を後にし、この旅の復路に入ります。山口県ではまずここに立ち寄りました。

〇西日本旅客鉄道・宇部新川駅(山口県宇部市)

映画『シン・ヱヴァンゲリオン劇場版』のラストシーンの舞台となった、ローカル線の駅です。作品の聖地巡礼には興味のない僕ですが、コースの途中だったので立ち寄ってみました。宇部市は道路交通網が碁盤の目のように整備された近代的な地方都市ですが、この鉄道路線は単線で利用客はほとんど地元の学生さんのみという状況で、この駅周辺だけ時間の流れが止まっているような印象です。

一両編成の地味なカラーリングの電車にも、何か趣が感じられますね。

お客さんは本当に制服を着た学生さんばかりで、観光客はほとんどいません。真希波マリ風のお嬢さんが一人だけ、映画で使われたベンチに座っていらっしゃいました。

大人になったシンジ君がマリさんと手をつないで駆け上がった階段も、映画のままに存在しています。

〇映画『シン・ヱヴァンゲリオン劇場版』

TVシリーズや劇場版が社会現象になるとともに、その結末の内容がファンの間で物議をかもした、庵野秀明監督の1大サーガの完結編です。監督の私小説的要素が色濃く反映された観念的で難解な内容にもかかわらず、興行収入100億オーバーの大ヒットとなりました。作品の解釈についてはレビューが百出しているので省略しますが、僕が強く感じたのは、庵野監督のクリエイターとしての「誠実さ」です。エヴァシリーズによって誇張ではなく人生を変えられてしまった数多くのファンに対して、言うなれば彼らを「エヴァの呪縛」から解放するために監督自身が落とし前をつけたという印象です。ファンに知らん顔をすることも、ファンを利用してもっと金儲けをすることもできたはずですが、庵野監督はファンを自分の作品から解き放つために、それこそ「血を流しながら作品を作る(宮崎駿監督の庵野評)」ことを選んだと僕は解釈しています。キャッチコピーの「さようなら、全てのエヴァンゲリオン」は、その監督の意志を象徴していると感じました。

〇道の駅きららあじす(山口県山口市)

本日の車中泊場所。新しい大規模な道の駅なのに、幹線道路からも遠く車中泊の車はまばら。これはよく眠れそう。

中の売店もきれいで雑然とした感じがありません。商品はほとんど売り切れており、夕食は近くのスーパーで調達しましょう。

トイレは別棟です。午後6時だというのに周りは本当に静かで、ちょっと寂しいくらいです。

〇道の駅西条のん太の酒蔵(広島県東広島市) ※第10日目

今日はかなりの長距離ドライブになります。まずここで充電休憩。変わった名前ですが、自動車専用道路沿いのおそろしく大規模な道の駅です。平日なのにお客さんでいっぱいです。

なかなかの規模のショッピング&レストランモールが併設されています。ここが目当てのお客さんが多いようですね。

〇尾道市街(広島県尾道市)

国道を外れ、あえて海沿いの古くからの街並みの中を走ってみました。運転中なので写真を撮ることはできませんでしたが、やはり風情がありますね。昔からの漁港の街並みと、大林宜彦監督の映画でおなじみの神社周辺の坂の多い街並みがとても近く、時間が許せば徒歩での散策をしたところです。

〇道の駅?

充電休憩で立ち寄った道の駅ですが、名前を忘れてしまいました。広島県と岡山県の県境付近だと思うのですが…。道の駅のテラスからは、瀬戸内海の絶景が見渡せます。天気がいいので、このテラス席で昼食にします。

昼食は広島名物のたこめしにしました。レンチンすればよかったのですが、冷めていても海の風味が口の中に広がります。

〇国民宿舎 良寛荘(岡山県倉敷市)

良寛和尚ゆかりの円通寺公園内の高台に建つ国民宿舎、ここが本日の宿泊場所です。設備は高級旅館並みで国民宿舎のレベルをはるかに超えています。料理が好評のようですが、全国旅行支援が使えるプランは素泊まりのみとのこと、残念です。

大浴場もきれいです。温泉ではありませんが、熱めのお湯は長距離ドライブの疲れをほぐすのに最適でした。

部屋は最上階の8畳の広々とした和室。窓からは瀬戸内海が見渡せます。館内には良寛さんの書の展示スペースがあります。書道に興味のある人は必見ですね。

円通寺公園のそばには、昔ながらの運河を中心とした街並みが広がっています。夕食は近くの町中華さんでお腹いっぱい食べました。

〇道の駅北はりまエコミュージアム(兵庫県西脇市) ※第11日目

さすがに旅の疲れがたまってきています。ここからは無理をせず安全運転を心掛け、無事に帰着することを最優先にしようと思います。兵庫県に入り、ここで充電休憩。

〇道の駅若狭熊川宿(福井県若狭町)

福井県に入り、猛烈な睡魔に襲われたため、ここで充電がてら30分ほど仮眠をとりました。これがすこぶる調子がいい。やはりスケジュールにとらわれず「走りたいとき走り、停まりたいところで停まる」というスタイルが僕には合っているようです。旅の後半になってそのことを再認識しました。

ここ熊川宿は若狭と京都との交易の拠点として発展した宿場町で、若狭湾の海産物を京都に運ぶルートは「鯖街道」と呼ばれています。レストランの筆頭メニューも「焼き鯖寿司」です。

無料休憩所。旧家から移築したのであろうエイジングの効いた木材が使われていました。

〇道の駅うみんぴあ大飯(福井県おおい町)

本日の車中泊場所です。複合レジャー施設として周りには量販店やスーパーマーケットなどの大型店舗が並び、大変にぎやかですが、7時を過ぎるととても静か。ちょっと早いのですが、スーパーで刺身盛り合わせやビールを買い込み、車の中で夕食。その後はタブレットで映画を観ながら就寝しました。本来の「車中泊の旅」スタイルに戻った感じです。

翌朝はカップラーメンで朝食。次に熱い紅茶を淹れてキャンプ椅子で朝の海を見ながらゆっくりします。車内の整理をしたあと出発。とても余裕があります。やはりこのスタイルが僕には合っているようです。

〇道の駅浅井三姉妹の郷(滋賀県長浜市) ※第12日目

滋賀県に入りここで充電休憩。変わった名前の道の駅です。浅井とは戦国武将の浅井長政公で、三姉妹とは織田信長の妹のお市との間に生まれた茶々・初・江のこと。小谷城址が道の駅近くにあることからこの名前になったようです。

〇小谷城址(滋賀県長浜市)

せっかくなのでここにも立ち寄りました。浅井氏の居城である小谷城はもともと山城でしたが、羽柴秀吉に攻め落とされてからは城郭も残っていないようです。

こんな巨大なモニュメントがぽつんと建っているだけ。観光客の姿もありませんでした。

〇パーティハウス(滋賀県長浜市)

昼食を琵琶湖沿いの地元で人気の大衆食堂で取ろうと考えていたのですが、あいにく臨時休業。空腹がピークだったので、目に付いたこの店に飛び込みました。喫茶店と居酒屋と定食屋を合わせたような雰囲気です。無難に日替わりランチ「白身魚のあんかけ定食」を注文。から揚げにした魚は、なんと鯖でした。美味しかったのですが、この旅では何回鯖を食べただろう。

〇道の駅伊吹の里旬菜の森(滋賀県米原市)

ここで充電休憩。のどかな山間部の道の駅です。二階テラスからの景色が素晴らしい。

滋賀県最高峰の伊吹山の景色が眼前に広がっています。送電鉄塔が邪魔な気がしましたが、紅葉の最盛期はさぞかし絶景でしょう。

〇ビジネスホテル??(岐阜県各務原市)

岐阜県に入りました。この県の全国旅行支援が再開されたタイミングだったので、最後のホテル泊を選択しました。ホテル名が伏字なのは、ネガティブな記述になるからです。

玄関でスリッパに履き替えるタイプの、昭和レトロな場末のビジネスホテルです。ツインルームのシングルユースでしたが、部屋はまるで安アパートの6畳間。禁煙ルームのはずですが、ベッドの布団にはたばこの匂いが染みついています。水洗トイレの水が流れないのでフロントに電話すると、おばちゃんが「うちのトイレはレバーを一回押しただけではだめだよ、体重をかけて二回くらい押さないと」。確かにそれで流れたのですが…。まあ、ホテル泊は7泊目ですので、1回くらいはハズレを引くこともあるでしょう。いい思い出です。

〇中国料理 浜木綿(岐阜県各務原市)

クーポン券3000円で夕食です。ホテルから徒歩で小ぎれいな中華料理店へ。メニューを見ると結構本格派のようです。

まず瓶ビールと先付3種。ちゃんと手間暇がかかっています。

焼き餃子は普通ですが、手羽のから揚げは中華スパイスが効いています。

麻婆豆腐とご飯。ちゃんと四川風でちゃんと痺れます。

お腹に余裕があったので、最後に中華粥を注文。搾菜を入れて食べるとさっぱりとしていて、麻婆豆腐の後にちょうどいい。

〇道の駅賤母(岐阜県中津川市)  ※第13日目 

今日は丸一日、紅葉に染まる木曽路ドライブです。充電休憩で立ち寄ったここは、古くからの木曽路宿場の街並みを再現した道の駅。レプリカとはいえ風情があります。

東山魁夷画伯の版画を展示している美術館も併設されています。画伯が青年時代に木曽路を旅して地元の方と交流したのが縁だとか。

〇道の駅大桑(長野県大桑村)

長野県に入りここで充電休憩。岐阜・長野両県は本当に道の駅が多い。電欠の心配をせずに済みます。

道の駅からは紅葉に染まった山々が見渡せます。ちょっと肌寒いかな。

〇道の駅木曽ならかわ(長野県塩尻市)

ここでも充電休憩。この道の駅が素晴らしかった。表側は工事中で割と雑然とした感じだったのですが、裏側には木の素材を生かしたおしゃれなパティオがあります。天気の良い日はここで昼食もいいですね。

内部は飛騨の木工製品や漆器などが美術館のようにディスプレイされていました。特産品の売店とは思えないセンスの良さです。

木工家具のショールームのようです。そういえば、僕の家のリビングのソファーセットも飛騨の家具メーカーのものでした。

〇食堂S.S(長野県塩尻市)

まさに昭和のドライブインといった風情のここで昼食です。最初はトラックドライバーの間で評判になり、今では地元の人や観光客も多く訪れる人気店になったとのこと。

キャッチフレーズの「安くてうまい、食事のデパート」の通り、おそろしい数のメニューです。実際はこの2倍くらいの数です。一番人気は「煮サバ定食」とのことですが、流石に連日鯖を食べているので「肉野菜炒め定食」にしました。

運ばれてきたのがこれ。うーん、ご飯の量に比べて肉野菜炒めの量がちょっと足りない。そこで…。

この旅の〆ということで、評判の煮サバを単品で追加しました。これが絶品でした。味噌煮ではなく醤油煮だったのですが、この醤油だれが素晴らしい味で、ウナギのかば焼きのたれに近い感じです。鯖はよく煮込まれていて骨も皮も全部食べられます。最後はご飯にたれを全部かけて完食しました。

〇道の駅ヘルシーテラス佐久南(長野県佐久市)

佐久市の夜景が一望できる日帰り温泉施設で温まったあと、ここでこの旅最後の車中泊です。佐久南インターのすぐそばですが、大型車と普通車の駐車場がはっきりと分かれているため、夜はとても静かです。さあ、明日は自宅まで一気に走るつもりです。今回の旅は2週間という長丁場でしたが、ここまで何事もなく無事に来られたので、最後まで気を抜かずに行こうと思います。

☆LAST TRIPのまとめ☆

①全国旅行支援を利用し宿泊の半分をホテル泊にしたのですが、それはつまり「目的地が決められている」ことに他なりません。このことがこの旅最大の魅力である「自由気まま」を奪ってしまうということを、旅の終末になって再認識しました。かといって2週間全て車中泊を貫くというのも、僕の今の体力では難しいと言わざるを得ません。九州一周という長距離旅行をクリアするためには、やっぱりこの方法しかなかったのだろうな…。宿泊したホテルはほぼ「当たり」でしたし、何より実質無料でしたから、使わなかったら後悔していたことでしょう。

②愛車e-NV200は本当によく頑張ってくれました。現時点での走行距離は約76,000kmです。これだけ過酷に扱ったにもかかわらず、バッテリーは11セグでほとんど劣化が見られません。1KW当たりの走行可能距離は8.3kmで、走行を重ねるごとに伸びています。電欠でレスキューを呼ぶこともありませんでした。ボディーはさすがに小傷が増えましたが、旅が終わってワックスをかけてやると、まだ新車の輝きをキープしています。10台くらいの車を乗り継いできた僕ですが、一番愛着がわいているのはこいつです。本当にあっぱれな車です。

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