ブログ(TRVEL DIALY)

LAST TRIP 群馬~長野~福井~島根~大分~熊本~佐賀~福岡~山口~岡山~岐阜(11月上旬)

いよいよ2年ぶりの、そして最後の車中泊の旅に出発します。今までの中で最も行程の長い旅になりますが、とにかく無事に帰ってくることができるように最大限気を配りたいと思います。

さて、現在コロナウイルス第8波の兆候が見え始め、また全国旅行支援がすぐに予約満杯となり、その使い勝手の悪さが話題となっています。ざっとこの旅の行程を予習してみると、なんとか旅行支援が適用できるスケジュールを組むことが可能で、しかも一泊6000円前後のビジネスホテルを使う場合、実質負担ほぼ0円で宿泊できることがわかりました。そこで、行程の長さからくる疲労度を考え、一日おきにホテルに宿泊するという、僕にとっては今までにない「お大尽旅行」を行うこととしました。自由気ままな車中泊の旅というコンセプトからはやや外れますが、年も年ですしね、健康と安全を第一に考えての選択です。ちょっと日和ってるかな・・・。

〇道の駅 はにゅう(埼玉県羽生市) ※第1日目

まずここで充電休憩。何の変哲もない幹線道路沿いの道の駅ですが、日曜日ということもあり、かなり混雑しています。

トイレは綺麗です。車中泊に適しているかというと、やはり幹線沿いですので、静かに就寝できるような環境ではなさそうですね。

僕が栃木県内の道の駅で充電休憩をしないのは、ほぼすべての充電器に現金500円がかかるからです。充電カードが使えないんですよ。全国を巡る旅をしていてこんな県は栃木県だけです。なんとかならないものですかね。また、栃木県の道の駅はレストランの価格が高い! そりゃあ営業努力をしなくても一定数のお客さんは入るでしょうけど、長い目で見ると観光拠点として先細りになると思うのですが…。

〇ホテルルートイングランディア羽生(埼玉県羽生市)

初日からホテル泊です。ここは以前から泊まってみたいと思っていたホテルです。広島県福山市のルートイングランディアがあまりに素晴らしかったので、ついつい期待してしまいます。玄関からロビーに入ると、いきなり「土足厳禁」の看板が。靴を下足箱に入れ、スリッパでチェックインです。まるで温泉ホテルですね。

大浴場はまさに温泉ホテル並みです。特に高温サウナが広くてのびのびできます。チェックインして3時間くらい大浴場でくつろいでいました。

全国旅行支援を使うことにより、平日は3000円分のクーポン券がもらえます。今日はこのクーポン券で近所のスーパーで夕食と旅行中に必要な下着類を購入しました。ホテルに支払った金額は約3600円、これでクーポンと温泉と朝食バイキングが付くわけですからまさにタダ同然、使わない手はないですね。

〇道の駅おかべ(埼玉県深谷市) ※第2日目

朝一で温泉に入って朝食バイキングをしっかり食べ、7時前に出発します。ここで充電休憩。駐車場の大きい道の駅です。

別棟にちゃんとしたレストランが併設されていました。オープン前でしたが、地産地消にこだわったメニューはかなり期待できるものでした。

本日はハロウィーン。巨大カボチャが陳列されていました。

栃木・埼玉・群馬の幹線道路を2日間走りましたが、まるで金太郎飴のように同じような風景が続き、退屈でしたね。チェーン店のレストラン・量販店・カー用品店の派手な看板が同じような配置で定期的に目に入ってくるのです。おまけに大型トラックが多く慢性的な渋滞状態。生活に根差した道路なので当たり前なのですが、ドライブを楽しむという環境ではありませんでした。

〇道の駅ほっとぱーく・浅科(長野県佐久市)

長野県に入りました。以前に車中泊したこの道の駅で充電休憩。前回は真夜中に到着して夜明け前に出発したので気づかなかったのですが…。

道の駅のテラスからは、真正面に浅間山の雄大なパノラマが広がっていました。素晴らしい立地ですね。

長野県内は今が紅葉真っ盛り。気温が低く悪天候気味ですが、その紅葉にもやがかかって幻想的な風景を作り出しています。しばしば車を停めて見入ってしまいました。

〇道の駅桜の郷荘川(岐阜県高山市)

岐阜県に入りここで充電休憩。しかし寒い! 他の観光客もダウンコートなど完全に冬支度です。

ホットコーヒーと名物のみたらし団子であたたまります。一本130円という安さがうれしいですね。

〇林檎の湯屋おぶー(長野県松本市)

本日は車中泊ですので、まず体を温めなくては。この温泉施設で入浴します。住宅地の中のややわかりにくい立地です。料金は700円ちょっととやや高めですが…。

設備が素晴らしい! 露天・内湯・サウナとも清潔で広々としています。温泉でなく沸かし湯なのが残念ですが、コスパはかなり高いですね。サウナ1セットで体が復活しました。

〇道の駅今井恵の里(長野県松本市)

本日の車中泊はここで。とにかく駐車場が広くて静か。熟睡できそうです。トイレはやや汚かったかな。

〇恐怖の野麦峠越え(長野~岐阜~福井) ※第3日目

夜明け前に出発し、福井県を目指して飛騨山脈の野麦峠を越えます。このルートは道の途中に「お助け小屋」と呼ばれる避難所があるほど、古くから交通の難所として知られています。現在は高速道路網が整備されているはずですが、僕はあえて旧道を選択しました。EVの峠越えはギャンブルなのですが…。

車中泊の旅一番の恐怖体験をすることになってしまいました。まず天候が最悪。小ぬか雨が降りしきる気温0度の暗くて細い山道ドライブです。車一台がやっと通れる荒れた路面で、登り坂では電池がどんどん減っていきます。後で知ったのですが、土砂崩れによりほんの3日前に通行可能になったばかりだとか。フロントウインドウの曇り止めにエアコンを使うと、さらに電池が減ります。他の車や民家は全くなし。もし脱輪したり電欠になったりしたら、おそらく携帯電話の電波も微弱でしょうから、遭難は必至です。そもそも雨のための土砂崩れも再発の可能性があります。引き返そうにも方向転換するスペースもありません。行くも地獄戻るも地獄、本当に命の危険を感じる1時間弱のドライブで、写真を撮る余裕など全くありませんでした。「お助け小屋」を過ぎて下りに入り、道幅が広がってきたときは「生きててよかった」と心から思いました。

〇『あゝ野麦峠』

明治時代、日本の絹織業を支えた飛騨の女工の過酷な労働を描いた山本茂美の小説を、名匠山本薩夫監督が映画化しました。まさに「女工哀歌」という日本映画独特のウェットな内容で僕はやや苦手なジャンルなのですが、山本監督の重厚で骨太の演出と大竹しのぶの大袈裟になり過ぎない演技により、2時間半を一気に観せます。オープニングとエンディングでは、舞踏会での華族の令嬢たちのシルクのドレスが優雅にゆらめくシーンと、雪の野麦峠越えをする女工たちの過酷な様子を対比させ、日露戦争前後の日本経済を支えた名もない人々に思いをはせるような演出になっています。

〇サバエシティーホテル(福井県鯖江市)

ハードなドライブにより疲労がピーク、体も冷え切っています。早々にホテルにチェックインすることにしました。鯖江市内にそびえるこのホテルは、結婚披露宴用のバンケットルームを備えるなど、鯖江市では筆頭のシティホテルだったようですが、現在はニーズの低下により普通のビジネスホテルの料金設定になったようです。設備品や調度品はそこそこのものを使っているようで、ちょっと得した気分です。

大浴場はありませんので、自室のバスタブに熱いお湯を張り、ゆっくり浸かっていると体力が回復してきました。今日一日ろくなものを食べていなかったので、全国旅行支援の3000円分のクーポンを使って豪勢な夕食をと考えていたのですが…。

ホテル近くの飲食店でクーポンを使えるお店がありません。車で夕食に出かけるのもおっくうなので、近くのご当地スーパーで食材や旅で使う消耗品などを買い込み、部屋での夕食となりました。日本海の魚を食べたかったなあ…。

〇サバエシティーホテルの朝食バイキング ※第4日目  

このホテルは、「シェフ自慢の無料朝食バイキング」を一番の売りにしているようですが、その内容は期待以上のものでした。和食メニューが特に充実しており、小鉢に分けられたほうれん草の白和え・青菜のおひたし・茄子の焼き浸し・切り干し大根などの味付けが絶妙です。定番のサバの塩焼きの脂の乗りはバイキングのレベルをはるかに超えていて、一流ホテルの朝食バイキングにもある意味引けは取らないと僕は思いました。口コミの中には「普通の朝食じゃないか」といった内容も散見されますが、ウインナーやスクランブルエッグやシュウマイ等ばかり食べていては、この朝食の良さはわからないだろうなあ。レストランは最上階で、鯖江市内が一望できます。

〇道の駅西山公園(福井県鯖江市)

お腹いっぱい朝食をとったので、ベッドで食休みをした後、出発しました。まずホテルのすぐそばにあるこの道の駅で充電。鯖江市のシンボル的な西山公園とエレベーター・ブリッジでつながっている道の駅です。

〇道の駅三方五胡(福井県若狭町)

若狭湾沿いに入りここで充電休憩。小規模な道の駅ですが、幹線道路から外れた閑静な場所にあり、車中泊には最適でしょうね。

道の駅の横はすぐに入江。無料開放の自然水鳥観察棟があります。

トイレも小規模ながら清掃が行き届き清潔です。

急速充電器が2台も設置されています。本当に福井県内の道の駅は設備が充実しています。

先日の悪天候はどこへやら、穏やかな晴天になりました。日本海もゆったり静かです。

〇道の駅ようか但馬蔵(兵庫県養父市)

兵庫県に入りここで充電休憩。江戸時代の蔵を模した大規模な道の駅です。平日ですがたくさんの観光客で賑わっていました。

急速充電器は2台。シャッター付きの小屋に入って向かい合わせに設置されていました。初めて見る設置方法です。

〇道の駅きなんせ岩美(鳥取県岩美郡)

鳥取県に入りました。ここが本日の車中泊場所です。まだ3時台なのでお客さんが多い。でも、お客さんの大半が地元の人のようです。道の駅の中に入ってその理由がわかりました。

鮮魚の値段が異常に安い! 高級魚のカサゴが3尾で500円前後、小ぶりのカレイが6尾で230円とありえない値段です。キッチンがあれば僕も爆買いをしているところです。

さて、時間もまだ早いのでひとっ風呂浴びようと思います。近くの温泉を検索すると「ゆかむり温泉」がヒットしました。車で10分程度ですので、ふらりと立ち寄るとここが凄かった…。

〇ゆかむり温泉共同浴場(鳥取県岩美郡)

この立派な建物がこの温泉の共同浴場。地元の人御用達で観光客はほとんど見当たりません。共同浴場なのでボディソープやシャンプー等のアメニティはありませんが、そんなもの必要ないくらい源泉かけ流しの泉質が素晴らしい。熱めの湯にゆっくりと浸かり、外に出ると11月の夕方というのに半そでTシャツでちょうどいいくらいです。

共同浴場の周辺には旅館が数件、どれも昭和というより大正レトロな雰囲気です。温泉宿の旦那さんが気さくに話しかけてくれて、この温泉地の歴史についていろいろ教えてくれました。近くの酒屋さんの看板はもう博物館寄贈レベルですね。こんなひなびた温泉宿に気心の知れた仲間と泊ってどんちゃん騒ぎ(このご時世ダメだよね)するのもいいなあと思いました。

さて、ゆかむり温泉の散策を終えて道の駅に戻ると、幹線沿いのせいか意外に騒々しい。安眠のために車中泊場所を変えることにしました。

〇道の駅いなば気楽里(鳥取県鳥取市)

「きなんせ岩美」から30分ほどのここで車中泊。できたばかりの大規模な道の駅です。とにかく付帯施設がきれいで使い勝手がいい。11時までですがコンビニもあります。他の車も少なくて安眠できそうです。

コロナ禍で使用できませんが、無料の足湯までありました。

〇青山剛昌ふるさと館(鳥取県北栄町) ※第5日目

今日も朝暗いうちに出発し、中国地方の日本海側をひた走ります。充電休憩で立ち寄ったのがここ。『名探偵コナン』の作者、青山剛昌先生の生誕地ということで建設されたようですね。早朝なので全く人気はありません。

原作と同じ、阿笠博士の黄色いビートルが玄関前に展示されていました。超長寿の推理マンガで、大まかな設定はわかっていますが、僕は正直あまり興味のない作品です。しかし、次の作品は結構面白かったなあ。

〇『ルパン三世VS名探偵コナン(TVスペシャル)』

日本テレビ系の人気長寿アニメ番組のまさかのコラボ作品です。両作品ともトムス・エンタテインメント制作のため全く違和感のない仕上がりで、内容もアクションミステリーとして予想以上によくできていました。僕がツボだったのは、次元大介とコナンくんの疑似親子のくだりで、両人とも妙にほほえましく描かれていました。映画版も制作されましたが、僕はこちらは未見です。

実はこの施設には充電器が設置されておらず、近くの道の駅で充電しました。鳥取県は充電スポットの閉鎖・移動・故障がやたら多いように感じました。

〇国宝・松江城(島根県松江市)

島根県に入りました。ここは必見でしょう。堀尾忠氏が築城した国宝5城の1つです。天守の周りには桜の木が多く植えられ、春はさぞかし綺麗でしょうね。

〇天守は外観4重、内部5階、地下1階。下部ほどボリュームがあり、どっしりとした安定感がありますね。

〇興雲閣

松江城内に明治天皇の御宿所として建設された擬洋風建築の迎賓館です。このレベルの文化財が無料開放されているのは珍しいですね。

中央階段。派手というより重厚さを感じます。内部にはカフェなども併設されています。

舞踏会用のボールルームでしょう。土足で入れますが、清掃が行き届いています。

〇松江神社

松江城内にある、初代松江藩主の松平直政を祭った神社です。拝殿はわりと閑散としていました。

毎日300km近く走行しているせいで、疲労が蓄積してきています。1日おきにホテル泊にしたため、どうしても行程スケジュールに縛られる傾向があり、「気ままな旅」というコンセプトがブレつつありますね。ちょっと反省です。

〇益田グリーンホテルモーリス(島根県益田市)

本日の宿泊はここ。今まで数十件のビジネスホテルを使ってきましたが、間違いなくここがベスト1です。部屋は広々したダブルルームで、ホテル側が無料でアップグレードしてくれたようです。

最上階にある大浴場には、サウナまでついています。残念なのは水風呂がついていないこと。ととのわなくても疲れをとるには十分ですけどね。

カフェのような宿泊者専用の漫画コーナー。まるで高級ホテルのメンバーズフロアのようです。

上のコーナーの横に附帯する夜鳴きラーメンコーナー。もちろん無料で食べられます。

電子レンジやコーヒーサーバーだけでなく、ミニキッチンまでついています。実際に料理をしている宿泊客もいました。

とにかくあらゆる便利な施設が附帯していて、しかも使い勝手がとてもよく、これで普通のビジネスホテルと同料金。予約が取りにくいと言われているのも納得です。僕の場合は全国旅行支援でほぼ実質無料ですからね。申し訳なくなってしまいます。

〇いちだい(島根県益田市)

3000円のクーポン券を使って夕食です。検索すると、ホテルの近くに良さげな焼き鳥屋さんがあるようです。そこに向かったのですが、本当に間違って入ってしまったのがここ。これが幸運でした。ジビエ料理メインのお店で、数名の先客グループが宴会を始めていました。僕が入店したとたんに満席御礼という小さなお店です。若いマスターとおかみさんの2人で切り盛りしているようです。

生ビールとお通し。関東風のおでんがよく煮込まれていて旨い。この辺りとしては珍しく味が濃いですが、まあ酒のアテですからね。

本格焼酎が充実していました。栗焼酎の「ダバダ火振」が気になりますね。

まずは焼き鳥の盛り合わせ。丁寧に調理されたつくねが旨い。これで400円代とは安い! これは期待できそうです。

この店は猪肉が売りのようで、宴会グループはもうぼたん鍋をつつき始めています。僕は猪肉の串揚げを注文。揚げ方が上手で旨いのですが、猪肉の特徴はあまり感じられなかったなあ。

ここは猪肉一本でいくことにしました。猪肉の串焼きと猪肉コロッケを注文。コロッケは上げ具合が絶妙でいくらでも食べられそう。シンプルな串焼きは猪の野趣あふれる風味が生かされていて絶品です。どちらもビールに良く合い、僕は瓶ビール1本を追加。

おかみさんに「串焼きが素晴らしい」と告げると勧められたのがこれ。猪肉の鉄板焼きです。歯ごたえのある肉を噛めば噛むほど旨味があふれてきます。飲みすぎかなと思いましたが、瓶ビールをもう一本追加。付け合わせのカボチャやレンコンの素揚げもとても丁寧に仕上げられており、マスターの料理に対する誠実さが表れているようです。

大満足でした。これだけの料理を飲み食いして、お会計は4000円弱。べらぼうに安いです。お会計の際に僕が栃木県でレア食肉関係の仕事をしていることを告げると、無口な感じのマスターもわざわざ挨拶に来てくださり、しばしジビエ談義に花を咲かせました。一見の客だというのに、帰りは店の外まで2人でお見送りまでしてくださいました。本当にご馳走様でした。

〇益田グリーンホテルモーリスの朝食バイキング ※第6日目

夕食も含めて、昨日はとても充実した一日でした。大浴場でひとっ風呂浴びた後の朝食バイキングも十分満足できる内容で、五穀米ご飯がとても美味しかった。お腹いっぱい食べました。

〇道の駅萩シーマート(山口県萩市)

山口県に入りここで充電休憩。名前の通り、ここは中の売店とレストランが凄かった。

ド派手な海鮮レストラン。価格設定もお手頃です。

魚市場のような海産物売り場です。生け簀までありました。

刺身用の小ぶりのソーダカツオ。1本50円!

〇萩・武家屋敷(山口県萩市)

萩城の城下町に広がる武家屋敷エリアは、現在でも地元の方々の邸宅です。細い路地を歩くと、江戸の風情を色濃く残したお屋敷が続きます。

白壁と同色の蔵が続く大邸宅。さぞかし名のある豪商のお屋敷でしょうね。

どのお屋敷も、庭に大きな木がそびえています。

このお屋敷の木は桜でしょうか。春は見事でしょうね。個人のお宅にもかかわらず、観光案内板が立てられていました。

さて、いよいよ関門トンネルを通って九州初上陸です。北九州市から福岡市への幹線道路を走っていて感じたのですが、九州のドライバーは合流や車線変更に独特のリズムがあるみたいですね。具体的に言うと、車間を開けることを嫌うというか、一台分の車間があればほぼ必ず割り込んでくるみたいです。複数車線の場合は、とにかく周りの車よりも一台でも先に行こうと車線変更を繰り返す傾向を感じました。大型セダンなどはゆったり走っているのですが、軽自動車にその傾向が強いようです。何かマウントをとりたいのかなあ、結局到着する時間はほとんど変わらないのですけどね。

〇ホテルルートイン若宮インター(福岡県宮若市)

慣れないリズムのドライブで疲れました。ちょうど満杯だった福岡県の旅行支援が再開されたとのことで、2日連続のホテル泊にすることにしました。急だったのでホテルは無難なチェーンのここで。どうせ実質無料ですからね。

大浴場で体をゆっくりさせると、何かもう出かけるのがおっくうになりました。3000円のクーポン券はホテルのレストランでも使えるので、今日はそこでの夕食にしたのですが…。僕と同様の考えのお客さんで、レストランは結構な混み具合、それに対してスタッフの人数が少なすぎるようです。

ホールスタッフがオーダーを取りに来ない。何回か声をかけてようやく注文。ビールと串揚げが出てくるまで30分はかかりました。

焼餃子は皮が破れて餡がはみ出しています。「腹に入れば一緒だろ」ってことかな…。

カニクリームコロッケ。ソースは店内のどこにもありません。尋ねようにもホールスタッフがつかまらない…。

焼きホッケ定食。醤油もどこにもありません。何だここは…。どの料理も味は悪くないのですが、サービス業としての根本を疑ってしまいますね。

〇道の駅豊前おこしかけ(福岡県豊前市) ※第7日目

朝風呂の後朝食バイキングをしっかりと食べて出発。ここで充電休憩。屋根のついた広いモールがあり、雑貨屋さんやフードスタンドが並んでいます。

レストランのメニュー。500円でご飯・みそ汁がお代わり自由とは破格ですね。バラエティ番組でも紹介されたみたいです。

〇道の駅さがのせき(大分県大分市)

大分県に入りました。別府温泉を経由して佐賀関沿いのここで昼食です。楽しみにしていたメニューがあるのですよ。

関ブリのりゅうきゅう丼と関サバコロッケ。りゅうきゅう丼とは、ごま油と醤油で作ったたれで刺身をづけにして食べる海鮮丼のこと。ちょっとハワイのポキ丼に似ています。ブリの身の弾力が凄い。関サバコロッケはちゃんとサバの風味が生きています。今日は土曜日なのでレストランはほぼ満席。ほとんどのお客さんがりゅうきゅう丼を注文していました。いやあ美味しかった。

道の駅のテラスからの景色。佐賀関から別府湾までが一望できます。ロケーションは素晴らしいですね。急速充電器がないのは残念。

〇別府~湯布院ドライブ(大分~熊本)

別府温泉・湯布院温泉は、温泉マニアなら絶対に避けて通らない場所でしょうが、土曜日で大混雑が予想されるので素通りします。もったいない気もしましたが、僕にはこのドライブルートの方が楽しみでした。豊後富士と呼ばれる由布岳周辺は、この季節は広大なススキの野原の絶景が広がっています。

夕方でしたが、登山客でにぎわっていました。道の駅ゆふいんに充電休憩で立ち寄ったのですが、駐車場に停めるのに苦労するほど大混雑でした。この辺の山の景色は猛々しさがなくて曲線が多く、どこか女性的な感じがします。

〇道の駅阿蘇(熊本県阿蘇市)

暗くなった山道をおそるおそる走り、ようやく阿蘇までたどり着きました。今日はここで車中泊です。外気は冷え込んできており、本当は温泉に入りたかったのですが、残念ながら近くに入浴施設がありませんでした。

本来、道の駅は車中泊を認めていないところが多いのですが、ここは駐車場からトイレまでの動線に足元の照明をガイドビーコンのように設置しているなど、車中泊者に特化した設備が整備されており、車中泊マニアからは「聖地」とまで呼ばれているところです。2020年までは自由に使える電源コンセントまであったとか。土曜日ということで駐車場はほぼ満杯。ちょうど良さげな1区画が空いていたので、そこに駐車しました。両サイドには他の車中泊車があるので、こりゃあ気を遣うし雑音も覚悟していたのですが…。

さすがは聖地、これだけの混雑にもかかわらず皆さんマナーが良く、ほとんど音が聞こえてきません。僕もドアの開け閉めにいつも以上に気を遣いながら就寝。いつも以上にぐっすり眠れました。

〇朝風呂と朝食(第8日目)

まだ暗く寒い朝6時に出発、熊本市内を目指します。さすがに身体が冷え切っているので、24時間営業のスーパー銭湯で体を温めます。サウナに1セット入って目も覚めました。

朝食はスーパーで買ったこれ。名物のかしわめしのおにぎりセットです。味は普通、同じ名物なら辛子レンコン弁当にすればよかったかな。

〇熊本城(熊本県熊本市)

名実ともに熊本のシンボルですね。豪将・加納清正が築城した銀杏城の別名を持つ美しくて威厳のある天守です。西南戦争の際に戦場となり焼失し、現在の姿は60年前に復元されたものです。

こちらは「第3の天守」と呼ばれる宇土櫓。焼失を免れ当時のままの姿を残しています。2016年の熊本地震の際に破損し、現在修復中です。

宇土櫓の歴史ある佇まいと比較すると、現在の天守はやはりレプリカ感が否めない気がしてしまいます。熊本城を愛する方々ごめんなさい。

天守の最上階からの景色。熊本市内が一望できます。

水の抜かれた堀。中央部が深くなっており、水が張られていたら歩兵はさぞかし苦労したでしょうね。

〇道の駅鹿北 小栗郷(熊本県山鹿市)

佐賀県を目指し出発。熊本県と福岡県の県境にあるここで充電休憩。TKG食べ放題500円は高いのか?安いのか?

開放感のあるテラス席では、多くのご高齢のお客さんがくつろいでいました。全体的にこの道の駅は木のぬくもりを生かした和風の造りなのですが、BGMはLOVE PSYCHEDELICOが大音量で流れていました。店員さんの好みなのでしょうが、施設の雰囲気や客層に合わせてほしいものです。

〇道の駅たちばな(福岡県八女市)

ここで充電休憩&昼食です。道の駅に附帯するこのレストランは、地元メニューが豊富です。

福岡名物だこ汁。だんご汁がなまったと思われる、いわゆるすいとん汁です。素朴な味でとても美味しい。添えられた柚子胡椒を溶かし込むと、味が締まってさらに美味しい。おかわりしようかと本気で思ったくらいです。

〇サンホテル鳥栖(佐賀県鳥栖市)

今日は日曜日でどこも混雑しています。こんな日はホテルでゆっくりしましょう。ここが本日の宿泊場所、JR鳥栖駅に隣接した普通のビジネスホテルです。近くにはカタールW杯日本代表の司令塔、鎌田大地選手を輩出したJ1サガン鳥栖のホームである鳥栖スタジアムがあり、試合日にはサポーターの常宿となるようです。

〇ひなっ子(佐賀県鳥栖市)

クーポン券3000円で居酒屋夕食です。この店は福岡県周辺で展開している小規模な焼き鳥屋チェーンの鳥栖店。福岡の鶏が旨いのは常識ですので、まあ間違いはないでしょう。

今夜は鶏三昧といきましょう。まずは生ビール。お通しは塩だれキャベツとお漬物です。

ささみの超レア串。とろりとしていてとても美味。新鮮な鶏は刺身でも食べられますからね。これがメニューにあるってことは、食材のクオリティに自信があるということでしょう。

いろんな部位をミックスした串焼き。名前は忘れましたが、美味しかった。

もも肉とレバーをタレで。このタレが旨かった。とくにレバーとの相性は抜群でした。

本日のメインディッシュ、鶏肉のネギまみれです。かなりのボリュームですが全然飽きがこない。ビールが進みます。

本日の〆、鶏汁のおにぎりセットです。鶏皮の和え物が小鉢に入ってついています。鶏汁が楽しみだったのですが、ちょっと甘めの醤油味で思ってたのと違う。残念ながら僕の好みではありませんでした。巨大おにぎりに付ける鶏味噌がとても旨かった。いやあ、今日もよく食べました。

〇サンホテル鳥栖の朝食バイキング ※第9日目

ホテル1階での朝食。バイキングメニューはやや少なめですが、ビジネスホテルの無料朝食は本来こういうものでしょう。小規模ホテルなので宿泊客も少なく、落ち着いてゆっくり食べられました。

〇太宰府天満宮(福岡県太宰府市)

学問の神様とされる菅原道真公を祀る有名な神社です。最初はあまり興味がなく近いからちょっと立ち寄ろうくらいの気持ちでしたが、行ってよかった。楼門の佇まいも素晴らしい。月曜日の早朝ということで、観光客もまばらで静かです。

本殿へのアプローチにある庭園も、整備・清掃が行き届いています。観光名所にしては珍しく清々しい気分になりました。

本殿にお詣りする人も、この時間は少ないようです。僕も二礼二拍手一礼でお詣りしておきました。

本殿の左手にある樹齢1500年といわれるクスノキ。国の天然記念物に指定されています。

〇ららぽーと福岡・νガンダムは伊達じゃない!(福岡県福岡市)

ファースト・ガンダムと呼ばれる最初のTVシリーズのエピソード『ククルス・ドアンの島』のリブート作品が今年劇場公開されるなど、今も人気コンテンツの1つである『機動戦士ガンダム』。このν(ニュー)ガンダムは、その主人公アムロ・レイの最後の搭乗機で、実物大の立像が昨年からここららぽーと福岡に展示されています。周りのビルと近いので、お台場などの立像よりも迫力が感じられます。

劇場映画『機動戦士ガンダム・逆襲のシャア』に登場するこの機体は、アムロ・レイ自身が基本設計し、開発をアナハイム・エレクトロニクス社に発注したという設定で、パイロットの意思をダイレクトに操縦系に伝達する「サイコフレーム」というデバイスが組み込まれているとのこと。アムロにとっては無償で兵器の供与が受けられ、アナハイム社にとってはアムロの戦闘データを兵器開発にフィードバックできるというウィンウィンの関係ですね。現代の戦争でも、同じようなことが行われているんだろうなあ。背負っている巨大なパーツは「ロングレンジ・フィンファンネル」、この立像のオリジナルで、用途はよくわかりません。

1時間おきに、ガンダムが天を見上げて指さすというギミックが装備されています。正直ちょっと盛り上がりに欠けるかな。

〇『機動戦士ガンダム・逆襲のシャア』

富野由悠季監督がファースト・ガンダムの正式な続編として、満を持して製作した劇場用作品です。小惑星アクシズを地球に落下させ地球に住む旧タイプの人類を粛清しようとするネオ・ジオン軍と、それを阻止しようとする地球連邦独立艦隊ロンド・ベルとの攻防を、シャア・アズナブルとアムロ・レイの憎悪とリスペクトがないまぜになったライバル関係を軸に描いています。全編を通して、富野節と呼ばれる登場人物の独特なセリフ回しが満載で、今でもネット上でネタにされるくらいです。

さて、関門トンネルを通って九州を後にし、この旅の復路に入ります。山口県ではまずここに立ち寄りました。

〇西日本旅客鉄道・宇部新川駅(山口県宇部市)

映画『シン・ヱヴァンゲリオン劇場版』のラストシーンの舞台となった、ローカル線の駅です。作品の聖地巡礼には興味のない僕ですが、コースの途中だったので立ち寄ってみました。宇部市は道路交通網が碁盤の目のように整備された近代的な地方都市ですが、この鉄道路線は単線で利用客はほとんど地元の学生さんのみという状況で、この駅周辺だけ時間の流れが止まっているような印象です。

一両編成の地味なカラーリングの電車にも、何か趣が感じられますね。

お客さんは本当に制服を着た学生さんばかりで、観光客はほとんどいません。真希波マリ風のお嬢さんが一人だけ、映画で使われたベンチに座っていらっしゃいました。

大人になったシンジ君がマリさんと手をつないで駆け上がった階段も、映画のままに存在しています。

〇映画『シン・ヱヴァンゲリオン劇場版』

TVシリーズや劇場版が社会現象になるとともに、その結末の内容がファンの間で物議をかもした、庵野秀明監督の1大サーガの完結編です。監督の私小説的要素が色濃く反映された観念的で難解な内容にもかかわらず、興行収入100億オーバーの大ヒットとなりました。作品の解釈についてはレビューが百出しているので省略しますが、僕が強く感じたのは、庵野監督のクリエイターとしての「誠実さ」です。エヴァシリーズによって誇張ではなく人生を変えられてしまった数多くのファンに対して、言うなれば彼らを「エヴァの呪縛」から解放するために監督自身が落とし前をつけたという印象です。ファンに知らん顔をすることも、ファンを利用してもっと金儲けをすることもできたはずですが、庵野監督はファンを自分の作品から解き放つために、それこそ「血を流しながら作品を作る(宮崎駿監督の庵野評)」ことを選んだと僕は解釈しています。キャッチコピーの「さようなら、全てのエヴァンゲリオン」は、その監督の意志を象徴していると感じました。

〇道の駅きららあじす(山口県山口市)

本日の車中泊場所。新しい大規模な道の駅なのに、幹線道路からも遠く車中泊の車はまばら。これはよく眠れそう。

中の売店もきれいで雑然とした感じがありません。商品はほとんど売り切れており、夕食は近くのスーパーで調達しましょう。

トイレは別棟です。午後6時だというのに周りは本当に静かで、ちょっと寂しいくらいです。

〇道の駅西条のん太の酒蔵(広島県東広島市) ※第10日目

今日はかなりの長距離ドライブになります。まずここで充電休憩。変わった名前ですが、自動車専用道路沿いのおそろしく大規模な道の駅です。平日なのにお客さんでいっぱいです。

なかなかの規模のショッピング&レストランモールが併設されています。ここが目当てのお客さんが多いようですね。

〇尾道市街(広島県尾道市)

国道を外れ、あえて海沿いの古くからの街並みの中を走ってみました。運転中なので写真を撮ることはできませんでしたが、やはり風情がありますね。昔からの漁港の街並みと、大林宜彦監督の映画でおなじみの神社周辺の坂の多い街並みがとても近く、時間が許せば徒歩での散策をしたところです。

〇道の駅?

充電休憩で立ち寄った道の駅ですが、名前を忘れてしまいました。広島県と岡山県の県境付近だと思うのですが…。道の駅のテラスからは、瀬戸内海の絶景が見渡せます。天気がいいので、このテラス席で昼食にします。

昼食は広島名物のたこめしにしました。レンチンすればよかったのですが、冷めていても海の風味が口の中に広がります。

〇国民宿舎 良寛荘(岡山県倉敷市)

良寛和尚ゆかりの円通寺公園内の高台に建つ国民宿舎、ここが本日の宿泊場所です。設備は高級旅館並みで国民宿舎のレベルをはるかに超えています。料理が好評のようですが、全国旅行支援が使えるプランは素泊まりのみとのこと、残念です。

大浴場もきれいです。温泉ではありませんが、熱めのお湯は長距離ドライブの疲れをほぐすのに最適でした。

部屋は最上階の8畳の広々とした和室。窓からは瀬戸内海が見渡せます。館内には良寛さんの書の展示スペースがあります。書道に興味のある人は必見ですね。

円通寺公園のそばには、昔ながらの運河を中心とした街並みが広がっています。夕食は近くの町中華さんでお腹いっぱい食べました。

〇道の駅北はりまエコミュージアム(兵庫県西脇市) ※第11日目

さすがに旅の疲れがたまってきています。ここからは無理をせず安全運転を心掛け、無事に帰着することを最優先にしようと思います。兵庫県に入り、ここで充電休憩。

〇道の駅若狭熊川宿(福井県若狭町)

福井県に入り、猛烈な睡魔に襲われたため、ここで充電がてら30分ほど仮眠をとりました。これがすこぶる調子がいい。やはりスケジュールにとらわれず「走りたいとき走り、停まりたいところで停まる」というスタイルが僕には合っているようです。旅の後半になってそのことを再認識しました。

ここ熊川宿は若狭と京都との交易の拠点として発展した宿場町で、若狭湾の海産物を京都に運ぶルートは「鯖街道」と呼ばれています。レストランの筆頭メニューも「焼き鯖寿司」です。

無料休憩所。旧家から移築したのであろうエイジングの効いた木材が使われていました。

〇道の駅うみんぴあ大飯(福井県おおい町)

本日の車中泊場所です。複合レジャー施設として周りには量販店やスーパーマーケットなどの大型店舗が並び、大変にぎやかですが、7時を過ぎるととても静か。ちょっと早いのですが、スーパーで刺身盛り合わせやビールを買い込み、車の中で夕食。その後はタブレットで映画を観ながら就寝しました。本来の「車中泊の旅」スタイルに戻った感じです。

翌朝はカップラーメンで朝食。次に熱い紅茶を淹れてキャンプ椅子で朝の海を見ながらゆっくりします。車内の整理をしたあと出発。とても余裕があります。やはりこのスタイルが僕には合っているようです。

〇道の駅浅井三姉妹の郷(滋賀県長浜市) ※第12日目

滋賀県に入りここで充電休憩。変わった名前の道の駅です。浅井とは戦国武将の浅井長政公で、三姉妹とは織田信長の妹のお市との間に生まれた茶々・初・江のこと。小谷城址が道の駅近くにあることからこの名前になったようです。

〇小谷城址(滋賀県長浜市)

せっかくなのでここにも立ち寄りました。浅井氏の居城である小谷城はもともと山城でしたが、羽柴秀吉に攻め落とされてからは城郭も残っていないようです。

こんな巨大なモニュメントがぽつんと建っているだけ。観光客の姿もありませんでした。

〇パーティハウス(滋賀県長浜市)

昼食を琵琶湖沿いの地元で人気の大衆食堂で取ろうと考えていたのですが、あいにく臨時休業。空腹がピークだったので、目に付いたこの店に飛び込みました。喫茶店と居酒屋と定食屋を合わせたような雰囲気です。無難に日替わりランチ「白身魚のあんかけ定食」を注文。から揚げにした魚は、なんと鯖でした。美味しかったのですが、この旅では何回鯖を食べただろう。

〇道の駅伊吹の里旬菜の森(滋賀県米原市)

ここで充電休憩。のどかな山間部の道の駅です。二階テラスからの景色が素晴らしい。

滋賀県最高峰の伊吹山の景色が眼前に広がっています。送電鉄塔が邪魔な気がしましたが、紅葉の最盛期はさぞかし絶景でしょう。

〇ビジネスホテル??(岐阜県各務原市)

岐阜県に入りました。この県の全国旅行支援が再開されたタイミングだったので、最後のホテル泊を選択しました。ホテル名が伏字なのは、ネガティブな記述になるからです。

玄関でスリッパに履き替えるタイプの、昭和レトロな場末のビジネスホテルです。ツインルームのシングルユースでしたが、部屋はまるで安アパートの6畳間。禁煙ルームのはずですが、ベッドの布団にはたばこの匂いが染みついています。水洗トイレの水が流れないのでフロントに電話すると、おばちゃんが「うちのトイレはレバーを一回押しただけではだめだよ、体重をかけて二回くらい押さないと」。確かにそれで流れたのですが…。まあ、ホテル泊は7泊目ですので、1回くらいはハズレを引くこともあるでしょう。いい思い出です。

〇中国料理 浜木綿(岐阜県各務原市)

クーポン券3000円で夕食です。ホテルから徒歩で小ぎれいな中華料理店へ。メニューを見ると結構本格派のようです。

まず瓶ビールと先付3種。ちゃんと手間暇がかかっています。

焼き餃子は普通ですが、手羽のから揚げは中華スパイスが効いています。

麻婆豆腐とご飯。ちゃんと四川風でちゃんと痺れます。

お腹に余裕があったので、最後に中華粥を注文。搾菜を入れて食べるとさっぱりとしていて、麻婆豆腐の後にちょうどいい。

〇道の駅賤母(岐阜県中津川市)  ※第13日目 

今日は丸一日、紅葉に染まる木曽路ドライブです。充電休憩で立ち寄ったここは、古くからの木曽路宿場の街並みを再現した道の駅。レプリカとはいえ風情があります。

東山魁夷画伯の版画を展示している美術館も併設されています。画伯が青年時代に木曽路を旅して地元の方と交流したのが縁だとか。

〇道の駅大桑(長野県大桑村)

長野県に入りここで充電休憩。岐阜・長野両県は本当に道の駅が多い。電欠の心配をせずに済みます。

道の駅からは紅葉に染まった山々が見渡せます。ちょっと肌寒いかな。

〇道の駅木曽ならかわ(長野県塩尻市)

ここでも充電休憩。この道の駅が素晴らしかった。表側は工事中で割と雑然とした感じだったのですが、裏側には木の素材を生かしたおしゃれなパティオがあります。天気の良い日はここで昼食もいいですね。

内部は飛騨の木工製品や漆器などが美術館のようにディスプレイされていました。特産品の売店とは思えないセンスの良さです。

木工家具のショールームのようです。そういえば、僕の家のリビングのソファーセットも飛騨の家具メーカーのものでした。

〇食堂S.S(長野県塩尻市)

まさに昭和のドライブインといった風情のここで昼食です。最初はトラックドライバーの間で評判になり、今では地元の人や観光客も多く訪れる人気店になったとのこと。

キャッチフレーズの「安くてうまい、食事のデパート」の通り、おそろしい数のメニューです。実際はこの2倍くらいの数です。一番人気は「煮サバ定食」とのことですが、流石に連日鯖を食べているので「肉野菜炒め定食」にしました。

運ばれてきたのがこれ。うーん、ご飯の量に比べて肉野菜炒めの量がちょっと足りない。そこで…。

この旅の〆ということで、評判の煮サバを単品で追加しました。これが絶品でした。味噌煮ではなく醤油煮だったのですが、この醤油だれが素晴らしい味で、ウナギのかば焼きのたれに近い感じです。鯖はよく煮込まれていて骨も皮も全部食べられます。最後はご飯にたれを全部かけて完食しました。

〇道の駅ヘルシーテラス佐久南(長野県佐久市)

佐久市の夜景が一望できる日帰り温泉施設で温まったあと、ここでこの旅最後の車中泊です。佐久南インターのすぐそばですが、大型車と普通車の駐車場がはっきりと分かれているため、夜はとても静かです。さあ、明日は自宅まで一気に走るつもりです。今回の旅は2週間という長丁場でしたが、ここまで何事もなく無事に来られたので、最後まで気を抜かずに行こうと思います。

☆LAST TRIPのまとめ☆

①全国旅行支援を利用し宿泊の半分をホテル泊にしたのですが、それはつまり「目的地が決められている」ことに他なりません。このことがこの旅最大の魅力である「自由気まま」を奪ってしまうということを、旅の終末になって再認識しました。かといって2週間全て車中泊を貫くというのも、僕の今の体力では難しいと言わざるを得ません。九州一周という長距離旅行をクリアするためには、やっぱりこの方法しかなかったのだろうな…。宿泊したホテルはほぼ「当たり」でしたし、何より実質無料でしたから、使わなかったら後悔していたことでしょう。

②愛車e-NV200は本当によく頑張ってくれました。現時点での走行距離は約76,000kmです。これだけ過酷に扱ったにもかかわらず、バッテリーは11セグでほとんど劣化が見られません。1KW当たりの走行可能距離は8.3kmで、走行を重ねるごとに伸びています。電欠でレスキューを呼ぶこともありませんでした。ボディーはさすがに小傷が増えましたが、旅が終わってワックスをかけてやると、まだ新車の輝きをキープしています。10台くらいの車を乗り継いできた僕ですが、一番愛着がわいているのはこいつです。本当にあっぱれな車です。

11th TRIP 新潟~富山~福井~京都~岡山~広島~四国地方~兵庫(10月中旬)

サーフィンシーズンも終わり、車中泊の旅を再開します。コロナ禍の中ですが、GOTOキャンペーンも始まり、一時期よりは県外ナンバーへの風当たりも少ないでしょう。今回の目的地は四国地方。かなりの遠方ですが、僕は人生で初めて訪れますのでワクワクです。

※悲報です。車中泊トラベラーの強い味方だった『月刊温泉博士』が、実質的な休刊状態となったようです。どうやら不定期に出版はされているようですが、Amazonその他で購入しようとしても見つかりません。無料入浴クーポンが使えないのは痛いですが、考えてみれば今までが恵まれすぎていましたよね。

峠の茶屋 蔵(新潟県十日町市) ※第1日目

新潟県まで一気に走り、山の中にぽつんとあったこのドライブイン風の店で昼食。ここを選んだ理由は、お昼時を過ぎているのにたくさんの車が駐車していたから。ちょっと期待できそう。

メニューは定番の釜めし他、さほど多くありません。メニュー筆頭に載っていた牛肉の煮込み定食(1,080円)をチョイス。これが大当たりでした。牛肉の角切りがすき焼き風の和風だしで2日間ほど煮込まれているのですが、肉は原型をとどめているのにふわふわトロトロで、うまみもしっかり残っています。かなり良質の牛肉を使っているようですね。僕は肉で半分ほどご飯を食べ、あとの半分は土鍋に投入しおじや風にしていただきました。いやあ、満腹です。

実はこのお店、「深夜の飯テロドラマ」として人気を博している『孤独のグルメ』season3に登場しているそうです。井之頭五郎(松重豊)さんが食べていたのは釜めしだったようですが、店主やおかみさんの仕事ぶりを見ていると、どのメニューも美味しそうですね。

辻わくわくランド(富山県魚津市)

この住宅地のど真ん中にある日帰り入浴施設で入浴休憩。スーパー銭湯にしては割とこじんまりとしています。料金は通常で490円、ネットの割引クーポンで390円と格安です。

温泉ではなく、露天風呂もありませんが、内湯・ドライサウナとも設備は充実しています。地元の人たちで賑わっていました。

道の駅 ウェーブパークなめりかわ(富山県滑川市)

先を急ぐ旅なので、一気に富山県に入りました。漁港のすぐそばのここで1日目の車中泊です。コンクリート打ちっぱなしのこの施設は、土曜日だというのに閑散としており、僕を含めて車中泊の車は数台だけ。大型トラックもほとんど通らず、ゆっくりと眠れそうです。

道の駅裏の突堤では、翌朝早くから多くの釣り人が糸を垂れていました。

道の駅 恐竜渓谷かつやま(福井県勝山市) ※第2日目

福井県に入り、ここで充電休憩。新しくてきれいな道の駅で、特に駐車場がすばらしく広い。近くには恐竜博物館もあります。福井県はやはり恐竜推しですね。

秋の交通安全運動期間中からか、駐車場では県警の交通機動隊がPR活動をしていました。

道の駅 河野(福井県南越前町)

先を急ぎます。ここでも充電休憩。海岸の高台にある絶景の道の駅です。

インフォメーションコーナーも充実しています。

駐車場からはこんな絶景が望めます。逆光で見えませんが、正面には廃炉が決定した高速増殖炉・もんじゅがあります。現在までに投入された予算は、1兆810億円にも上るとか…。廃炉作業には同等の予算が必要とも言われているので、絶景もかすみがちになりますね。

あみーしゃん大飯(福井県おおい町)

ここで入浴休憩。地元のコミュニテイー施設の中にあるここは、入浴料300円という格安設定。建物上部の円筒部分が入浴施設となります。

大きな内湯。窓は曇っており写真のような絶景は望めません。露天風呂はありませんが、料金を考えれば納得です。

道の駅 舞鶴港とれとれセンター(京都府舞鶴市) 

今日は完全移動日となりました。ここで車中泊です。市内中心部にあるため、割と雑然としていましたが、夜は早めに静かになりました。

道の駅からは、海上保安庁の巡視船の停泊中の姿が望めます。

実はここよりちょっと東に行くと、海上自衛隊舞鶴地方隊の基地があります。ヘリ空母「ひゅうが」をはじめとする戦闘艦群は大迫力ですが、見学は土日のみとのこと。

道の駅 但馬のまほろば(兵庫県朝来市) ※第3日目

ここで充電休憩。ここからは「天空の城」と呼ばれる竹田城跡がほど近く、しかも今日はこの場所にも雲海が下りてきていて条件はかなり良好。迷ったのですが行程を優先し断腸の思いでパス!

国宝 姫路城(兵庫県姫路市)

姫路市内の日産ディーラーで充電していると、このすぐ近くに「白鷺城」こと姫路城があるとのこと。日本の城郭ランキングでは不動の1位のここは、訪れていて損はないでしょう。巨大かつ華麗な天守部分は当時の様式美の象徴のようですね。

それに対して下半分の城壁・堀の部分は、敵軍の攻撃を想定し軍事戦略的に様々な工夫が施されており、こちらは機能美と言ったところでしょうか。この城郭は、上半分の様式美と下半分の機能美が見事に融合していると感じました。

さて、兵庫県から岡山県を経由し、広島県に入りました。 コンビニに立ち寄ると、地元の年配の方の「〇〇しとるけえ、△△じゃのう」という広島弁が聞こえてきました。思わず「怖い人かな?」と思ってしまうのは、やはりこの映画の影響でしょうね。

映画『仁義なき戦い 広島死闘篇』

本シリーズ全5作、新シリーズ全3作が製作され、これは本シリーズの第2作目です。当時まだ若手のイケイケだった深作欣二監督は、マキノ雅弘監督や山下耕作監督が確立した東映仁侠映画の様式美を大胆に破壊し、戦後の広島やくざ社会の血で血を洗う理不尽な派閥抗争を、ハードバイオレンスアクションに仕立て上げました。その画面から伝わってくる迫力は、クエンティン・タランティーノや北野武がリスペクトしてやまないのもうなずけます。主演の菅原文太はこの作品では狂言回し的な役割になり、実質的な主演は孤独なヒットマン役の北大路欣也です。そのギラギラした獣のような鬼気迫る演技は観る者を圧倒します。その他、これもケダモノのような極悪非道の新興組長の千葉真一、凛とした美しさの大組長の姪の梶芽衣子、クールで筋の通った若衆頭の成田三樹夫など、魅力的な登場人物にあふれています。僕はシリーズの最高傑作だと思っているのですが、同時に表現の残虐さも相当なものですので、鑑賞にはくれぐれもご注意を。

ホテル ルートイングランディア福山(広島県福山市)

今回の旅は長丁場ですので、今日はここに宿泊します。「グランディア」の名を冠するこのホテルは、ルートインホテルズのビジネスラインよりもリゾートホテル寄りのホスピタリティに振った、観光客向けのホテルのようです。GOTOトラベルキャンペーンにより、ネット予約でかなりお得に泊れそうです。

シングルルームですが、ベッドは幅140cmのダブルサイズ。僕には広すぎるくらいです。

夕・朝食付きのプランを選択すると、地域共通クーポンがおまけでついてきました。夕食のグレードアップに使わせてもらいます。

このホテルを選んだ大きな理由は、天然温泉の豪華な入浴施設「華のゆ」が併設されていること。もちろん宿泊者は無料です。その規模の大きさと施設の充実度は、健康ランドの域をはるかに超えています。僕はチェックイン後、2時間以上も滞在していました。

お風呂でさっぱりしたら、お待ちかねの夕食です。まずはオードブルの牛肉のたたきを追加オーダー。夕食にはグラスビールがサービスでつくとのこと。風呂上がりにはうれしい!

次にメインのカキフライ御膳。広島と言ったらやっぱりカキでしょう。大ぶりのカキはとてもジューシー。タルタルソースとウスターソースでいただきます。他に鯛のお造りなどの小鉢がついています。生ビール中ジョッキを追加オーダー。

まだ食べられます。さんまの塩焼きを追加オーダー。ご飯もお代わりをもらいます。さんまはちょっと痩せ気味の冷凍もののようですが、今年さんまを食べるのは初めてなので。それにしてもさすがに食べすぎだよな…。

などと思いつつも、ネコマタギ状態にして完食。還暦過ぎというのにこの食欲、俺は馬鹿なのか…! これだけ追加オーダーをしても、地域クーポンを使うとたった177円の加算で済みました。

翌朝、ひとっ風呂浴びた後に朝食バイキング。豊富な品ぞろえは高級リゾートホテル並みです。

まずは一の膳。アジの南蛮漬け・サケの塩焼き・卵焼き・グリーンサラダ・オニオンリング・ニンジンとブロッコリーの温野菜・そしてタコめし! このタコめしが絶品でした。

二の膳は洋食。ロースハム・ソーセージ・スクランブルエッグ・グリーンサラダ・パン2種。クロワッサンの上にある自家製パンがとても美味。持ち帰ろうかと思ったくらいです。さすがにもう満腹。タコめしに後ろ髪を引かれましたが、腹も身の内ですね。

部屋で食後の休憩をした後、チェックアウトです。皆さん、料金を聞いて驚いてください。1泊2食ビールと温泉付きで、何と5,823円! 夕食の追加料金を入れると、ジャスト6,000円です。GOTOトラベル恐るべし&ありがたや。

実はここのコスパがあまりに素晴らしかったので、後日に他の地方のルートイングランディアにもう一泊したのですが、ここほどの満足感は得られませんでした。もちろんそれでも素晴らしいコスパには違いないのですが、ここ福山店があまりにも突出しているのです。次回の九州旅行の際には、また必ず訪れたいと思います。

広島県尾道市街 ※第4日目

これから尾道市を経由してしまなみ海道に入ります。坂の路地が多くレトロで穏やかな街並みが有名な尾道市街ですが、観光目的で訪れるよりも住んでみて初めて良さがわかる街のような気がします。さて、尾道と言えばやはりこの映画でしょうね。

映画『時をかける少女』

「究極の美魔女」原田知世の劇場映画デビュー作で、大林宜彦監督の「尾道三部作」の最高傑作と呼ばれている作品です。ラベンダーの香りのする化学薬品のせいでタイムリープ能力が備わってしまった少女の初恋模様が、尾道の古い街並みの中で展開されます。この少女が、現代においては、いや公開当時としてもありえないような純真無垢なキャラクターで、僕などはやや赤面しながら観始めるのですが、すぐにそのキャラクターに引き込まれてしまうくらい、原田の演技は自然で新鮮です。そういえば、作家の林真理子氏が、公開当時斜に構えて鑑賞したところ、エンディングのタイトルロールで号泣していたというエピソードをエッセイに書いておられました。確かにラストシーンはハッピーエンドではなく、かといってバッドエンドでもない、絶妙なさじ加減で深い余韻を残すものになっています。

瀬戸内しまなみ海道(広島県尾道市~愛媛県今治市)

この道を走ることが、今回の旅の目的と言ってもいいくらいです。瀬戸内海の島々を経由し、本州と四国を結ぶ全長50km強の絶景ドライブコースです。

好天に恵まれ、瀬戸内海がより穏やかに感じられます。波は当然ほとんどないのですが、海流があるのがわかります。

巨大なハープ橋を5つ経由します。人口建造物と雄大な自然との対比が素晴らしい。

高速道路ですので、急速充電器のあるサービスエリアもあります。ここで充電休憩。

サービスエリアからは、ハープ橋を間近から見られます。車道の下には遊歩道とサイクリングコースが通っているのがわかります。クロスバイクを積んできたら、きっと楽しいだろうな。

あっという間に今治市に入りゴールです。通行料金は5千円オーバー! 僕の車は1ナンバーなので、商用中型車というジャンルすなわち「お金を稼ぐ車」となり、一般車よりも割高になります。ETC割引なども適用外。

思ったほど絶景も楽しめなかったので、クロスバイクによる無料のサイクリングコースを使うというアイデアもあると思います。このコースは往復70km強ですから、丸一日がかりの行程で何とかなるはずです。荒天・メカトラブル・体調不良などのリスクが伴いますが…。

今治城(愛媛県今治市)

戦国時代の名建築家として有名な藤堂高虎が築城した、「ザ・城」といった趣の城郭です。姫路城と比べるとだいぶ小ぶりですが、スタイリッシュなデザインですね。

高虎は日本初の層塔型天守を考案し、これはその後の天守デザインのトレンドとなりました。従来の天守に比べて、建築コストが抑えられることも魅力だったようです。

堀の中にはたくさんの魚が泳いでいました。コイにしては小ぶりだなと思いよく見ると、形もだいぶ違います。まさか…。

堀にはすぐ前にある今治港の海水を引き入れているため、瀬戸内の海水魚たちが入り込んでいるのです。みんなうまそうですね。コイかと思った魚はクロダイでした。この看板を見た後、観光客らしいおばさまに「堀を泳いでいるのはなんという魚なのですか」と尋ねられ、「これはですね…」としたり顔で受け売りの説明をしてしまいました。

道の駅 今治湯の浦温泉(愛媛県今治市)

ここで充電休憩。愛媛県内は道路が空いていて気持ちがいいですね。

売店にはゆるキャラグランプリ上位常連のこの子が。

道の駅 とよはま(香川県観音寺市)

瀬戸内沿いの街道を走って香川県に入り、ここで充電休憩。駐車場からは瀬戸内の風景が望めます。

敷地内にこんな施設(?)もありました。ご利益はどうなんでしょう。

海の対岸に見えるのは、おそらく尾道市か福山市ですね。あんなに近いんだ。

実際に走ってみると、四国というのは本当に平地が少ないことがわかります。平坦なのは海岸沿いのみで、あとはかなり険しい山地になっています。僕の車は山越えが苦手ですので、海岸沿いドライブに専念したいと思います。

道の駅 たからだの里さいた(香川県三豊市)

本日はここで車中泊です。山間部にある静かな道の駅。比較的新しい施設で、トイレも快適です。

道の駅の裏手には、静かな湖がありました。キャンプ椅子を持ち出し、バーボンを飲みながら少しまったりします。

敷地内に日帰り温泉施設「環の湯」があります。当然本日の入浴はここで。

泉質は少しぬめり感があり、体が良くあたたまります。午後10時まで営業とのことで、湯上り後に大広間で横になっていると、ついウトウト…。湯冷めする前に車に戻り、おやすみなさい。

岡崎製麺所(香川県三豊市) ※第5日目

うどん県香川に来たからには、讃岐うどんを食べずに帰れません。車中泊した道の駅から車で3分ほどの場所に、有名なこの製麺所があります。ただし、販売しているのはうどんの麵のみ。客はどんぶり・箸・出汁・お湯を持参しないと食べられません。僕はカップうどんのものを用意し、営業開始の午前7時に入店します。

お湯は車の電気ポットで沸かし、購入した麵をどんぶりに入れて粉末出汁をかけて、いただきます。具材も薬味もありませんが、うーん、素晴らしく旨い! 小麦の風味が鼻腔を刺激します。コシのあるうどんと固いうどんの違いが明確にわかったような気がします。これが本日の朝食、90円也。

山内うどん店(香川県まんのう町)

昼食も当然うどんです。ここも有名店ですが、山間部のかなりわかりにくい場所にあり、ナビがないとたどり着くのは難しいと思います。お客は地元の方と観光客が半々くらいでした。味のある店構えに、期待が膨らみます。

セルフサービスでうどんと具材を選びます。僕は「あつあつ(熱いうどんに熱いスープ)」の特大と、ゲソ天(上)と鶏天(下)をチョイス。スープはイリコかトビウオの濃厚な出汁、うどんは岡崎製麺所の麵をさらに太くコシを強くした感じです。 ゲソ天と鶏天は、スパイシーで厚めの衣がついていて、天ぷらというより唐揚げに近い感じです。特にゲソ天のボリュームが凄い。さすがに量が多すぎましたね。

僕が太くコシの強いうどんと格闘するように食べていると、地元の方々はどんどん食べ終えていきます。おそらく噛まずに飲み込んでいるのでしょう。こんなに太いうどんなのに、よく胃もたれしないよなあ。

讃岐富士(香川県丸亀市)

讃岐うどんを堪能し、香川県ともお別れです。車で走っていると、香川県の象徴ともいえるこの山が見えてきました。全面を覆う緑が美しいですね。

鳴門海峡大橋(徳島県鳴門市)

徳島県から淡路島を経由して兵庫県に抜けます。まずは大鳴門橋とも呼ばれるこの巨大なハープ橋を渡ります。

パーキングエリアからの風景。残念ながら有名な渦潮は観られませんでした。

兵庫県立淡路島公園・ニジゲンノモリ(兵庫県淡路市)

淡路島の北端にある公共の自然公園にやってきました。面積約140haというとんでもない広大さで、開園から40年たった現在も未だ整備中のようです。ごく最近、この中にニジゲンノモリというアニメパークがオープンしました。おそらく、ジャパニメーション目当てのインバウンド客を狙ったものでしょうが、駐車場はじめ各種表示案内が不十分で、結構迷いました。内部には、『NARUTO』『クレヨンしんちゃん』『火の鳥』などの作品をテーマにしたフィールドアスレチック系のアトラクションが点在しています。公園自体の入場は無料ですが、各アトラクションの料金設定は結構高めです。

ゴジラ迎撃作戦(ニジゲンノモリ内)

ほんの数日前にオープンしたアトラクションです。売りはなんと言っても、実物大シン・ゴジラ! 上半身部分だけですけどね。

間近で見ると迫力が凄い。映画の中で「嚙み合わせが悪そう」と評された歯並びもきちんと再現されています。

アトラクションの模様です。設定は、薬剤ミサイルで動きを封じられているゴジラの活動再開を阻止するため、迎撃作戦隊員がジップラインによりゴジラの口中から体内に侵入する、という無茶苦茶なものですが、参加している人たちを観察していると、ほぼ全員が最後に叫び声をあげています。かなりの迫力のようですね。

アトラクションのチケットセンター。なかなかいいネーミングだと思います。

ここはゴジラミュージアムとスーベニアショップ。映画でゴジラに対応していたのは巨災対(内閣官房直属の巨大不明生物特設災害対策本部)でしたが、ここでは NIGOD ( 国立ゴジラ淡路島研究センター )。ロゴを見るとNERF的な組織かな?

映画『シン・ゴジラ』

『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督が怪獣王をリビルドし、興行的にも作品的にも大成功を収めました。この映画を一言で表現するならば、ずばり「災害としてのゴジラ」だと僕は思います。初代ゴジラも、核兵器という「人間が御することのできない強大な火」のメタファーとして描かれていましたが、この映画では解釈を一歩進め、どう猛な巨大生物という「天災」と核汚染という「人災」を併せ持つ災厄、言うなれば東日本大震災の象徴としてゴジラを描いていると僕は感じました。人間はそのあらゆる叡智を結集しゴジラを「アンダーコントロール」しようとしますが、結局は活動を停止させるのが限界で、問題の根本的な解決は先送りせざるを得ないという、こちらも福島原発事故を想起させるラストシーンとなっています。

明石海峡大橋(兵庫県明石市)

この橋を渡って 淡路島から明石市へ入ります。それにしても、広島~兵庫間の通行料金は1万円を越えました。僕にとっては3,4日間も旅ができる金額です。次回の九州地方への旅では、有料道路の使用について十分な事前検討が必要ですね。

とはいえ、生まれて初めてみる瀬戸内海は、とても印象深いものでした。そういえば、中国・四国地方で出会った地元の人たちは、この海のように穏やかな方々ばかりだったなあ。

吉川温泉 よかたん(兵庫県三木市)

本日の入浴は、濃厚な炭酸泉で有名なここで。内湯は広く各種露天やサウナも備えており、700円の料金は泉質・設備を考えると割安だと思います。

道の駅 但馬のまほろば(兵庫県朝来市)

本日の車中泊場所です。トラックエリアと一般車エリアがきちんと分かれており、幹線道路沿いとは思えないくらい静かです。道路を挟んだ向かいにはコンビニもあります。コンビニで購入したビールを飲み干すと、FMをかけっぱなしにして爆睡。

道の駅 禅の里(福井県永平寺町) ※第6日目

早朝、まだ暗いうちに出発し、一気に福井県に入りました。初めての道を真っ暗な中走行するのは、怖いし景色も楽しめないので正直嫌いなのですが、今回は理由があります。途中に30分程度の充電&仮眠を数回とりながら、この道の駅にたどり着きました。ここのほど近くに、お目当ての施設があります。

福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)

世界三大恐竜博物館の1つと称されるここは、コロナ禍の影響で入場は完全予約制です。前日にネットで本日午後の予約がとれたので、午後一の入場に間に合いたかったのですよ。さあ、半日じっくり見学しようと思ったのですが、ウイルス対策のため見学時間は1時間半程度にしてくれとのこと。このご時世だからしょうがないよな…。

入場料は730円。公共の施設なので格安だと思います。1階のエントランスから長いエスカレーターで地下3階まで下り、1階まで徒歩で上りながら展示を見学するのが順路のようです。シンメトリーデザインの内部は、建築家の黒沢紀章氏の設計とのこと。展示内容はマニアックなものまで含めるとかなり多岐にわたり、情報量がものすごいので、ここでは「映える」ものを中心に紹介していきます。

いきなり出ました! メジャー中のメジャー、ティラノサウルスの可動型ロボットです。これは宝くじ協会から寄贈されたもので、予算の関係でしょうかお子様サイズで迫力は今一つ。まあ、Tレックスの可動型ロボットは成獣型をこれまでに何度も見ていますので、足を止めてみるまでのことはないかな。

トリケラトプスの頭骨。草食恐竜ですが、怒らせると怖そうですね。

こちらは成獣Tレックスの全体骨格。さっきのロボットよりも動き出しそうな迫力があります。

ブラキオサウルスの全体骨格。こいつが凄い。圧倒的な大きさです。

ご当地出身のフクイラプトル。イグアノドン系の草食恐竜です。

鎧竜アンキロサウルスの仲間。東宝怪獣映画ではアンギラスという名前で、ハリネズミのような外観をしていましたね。

海竜エラスモサウルスと亀の祖先アーケロン。のんびりしていて何か癒されます。

これは珍しい! ヴェロキラプトルの可動型ロボットです。間近で見ると意外に大きい。敵を威嚇するような動きもとてもリアルで、見ていて飽きません。

ここで紹介したのはごく一部です。レストランや各種ショップも中に入っているので、恐竜好きでなくても丸一日楽しめそうです。

館内エレベーターの内壁に、当館スタッフが貼ったと思われる表示。おしい! ここは「初号機」でしょ。

映画『ジュラシック・パーク』

館内見学の最中、僕の脳内ではジョン・ウイリアムス作曲のメインテーマが繰り返し再生されていました。我ながらベタです。マイケル・クライトン原作のこの映画は、スティーブン・スピルバーグの手によって現在までに全5作が製作されていますが、やはり最高傑作はスピルバーグ自身が監督したこの第1作でしょう。製作されたのは25年前ですので、今観るとCGの仕上がりに粗さが感じられますが、公開当時の衝撃は今でも鮮明に覚えています。前半、森の中からブラキオサウルスがのっそりと登場するシーンでは、観客全員が主人公のグラント博士と同じようなリアクションをとったことでしょう。あらゆるジャンルの名作を世に送り出しているスピルバーグ監督ですが、やはり真骨頂はこの映画や『激突!』『ジョーズ』のような「忍び寄る恐怖」を描いたパニック・ムービーだと僕は思います。

道の駅 小谷(長野県小谷村)

恐竜博物館に1時間ちょっとしか滞在しなかったので、その後一気に長野県まで来てしまいました。ここが本日の車中泊場所です。山間部の静かな道の駅ですが、観光客は結構多めでした。

中のショップでは、地元の精肉業者さんでしょうか、プロシュート(生ハム)の量り売りをしていました。地元産ワインや地酒も充実していて、地域商品のブランド化に力を入れているみたいですね。

日帰り温泉「深山の湯」が隣接しています。当然ここで入浴です。泉質は赤みがかった塩化物泉で温度は熱め。露天・サウナを備えて料金660円は良心的ですね。

白馬八方尾根スキー場(長野県白馬村) ※第7日目

さあ、あとは自宅まで。群馬県を目指して走っていると、右手に大規模スキー場の姿が。硬派なアルペンスキーヤーの聖地と言ってもいい、八方尾根スキー場です。唐松岳から裾野にかけて、文字通り八方を尾根に囲まれたこのスキー場は、様々なレイアウトの個性的なゲレンデの集合体です。特に、広大な一枚バーンの兎平ゲレンデや、斜度40度の黒菱ゲレンデは憧れです。僕は若いころ一回だけ訪れているのですが、急角度で登るゴンドラに驚いた記憶があります。また来たいけど何せ遠いからなあ。

道の駅 中条(長野県長野市) 

ここで充電休憩。農産物直売所が充実しています。

道の駅前の森の様子。白いもやは霧が下りてきているわけではなさそうです。前日までに降った雨の水分が地中に蓄えられていて、今日の地温の高さから水蒸気になって立ち上っているのだと思います。「森は自然のダム」という言葉を実感しました。

道の駅の駐車場で見かけ、オーナーさんの許可を得て撮影しました。永遠の名車ポルシェ930型911ターボ…!

道の駅 ヘルシーテラス佐久南(長野県佐久市)

この旅最後の車中泊場所です。中部横断自動車道佐久南IC前に位置しているにもかかわらず、大型車と普通車の駐車場が完全に別になっており、夜はとても静かです。高速道路に近いのですが、走行音も全く気になりません。明日は一気に自宅まで走るぞ。午後には到着できそうです。

☆11th TRIPのまとめ☆

①今回の車中泊した道の駅は、どこも非常に快適でした。この旅を始めた当初は、騒音やトイレの使い勝手の悪さなどに悩まされ、眠りの浅いことも多かったのですが、慣れてきたせいかどんな条件なら快適かの判断ができるようになったようです。とにかく「夜間の周りの交通量が少ないこと」「大型車と普通車の駐車場が分かれていること」「比較的新しい施設であること」の3つを基準に選定すると、ハズレは少ないと思います。

②今回は長丁場の旅だったので、車中泊だけでなく途中にホテル泊を入れました。前述の通り非常に満足度の高いホテルだったのですが、宿泊していてふと思いました。「ベッドのすぐ傍にきれいなトイレと水道があり、ドアを出てエレベーターに乗ればレストランと温泉がある、なんて贅沢なんだ!」どうやら車中泊やキャンプに僕の体と心が慣れてしまったようです。退職する前はそこそこ高級なホテルや旅館に宿泊しても、「ま、こんなもんでしょ」くらいにしか思わなかったのに…。精神の幸福度は、今の方が断然高いですよね。この旅を始めて本当に良かったと心から思います。

③今回の旅で中国・四国地方をおおむね制覇しました。残るは山口県と九州地方のみ。僕の「EVで行く!道の駅車中泊の旅」も、いよいよエンディングが見えてきました。次回、LAST TRIPは、うーん、スキーシーズンが終わった4月中旬かなあ。

10th TRIP 群馬~長野~愛知~三重~和歌山(11月上旬)

台風19号は、茨城県にある僕のサーフポイント付近にも甚大な被害をもたらしました。被災した方々には、心よりお見舞いを申し上げます。 このような状況の中で、僕のような他県の人間がのんきに波乗りに興じるなど不謹慎なことはとてもできませんので、今年の僕のサーフシーズンは終了とすることにしました

さて、車中泊の旅を再開します。中国地方への旅をするつもりでしたが、旅行期間が1週間しかとれないため、近畿地方で行っていない三重・和歌山両県を中心に巡ることにしました。地理的にも、寒さ対策は必要ないと思いますので…。では出発です。いやー久しぶりだなあ。

藤屋食堂(群馬県桐生市) ※第1日目 

桐生市に入ったところで昼食の時間です。スマホで検索すると、近くにソースカツ丼の有名店を発見。店構えに大将の気合が感じられますね。日曜日なのでかなり混雑していましたが、おひとり様なので5分程度で案内されました。店内には訪れた有名人の色紙がずらり。

看板メニューのソースカツ丼(880円)を注文。さすがは有名店だけあるカツの味です。肉は厚すぎず薄すぎずで、ご飯によくマッチしています。変わっているのは、ご飯にもかなりのソースがかかっていること。これはこれで美味しいのですが、僕は白いご飯のほうが好きかな。ご飯は50円で大盛にできますが、普通盛りでもかなりの量があります。ネギ・豆腐・わかめの何の変哲もないみそ汁が、実にしみじみと旨い。やはり基本のみそ汁が旨い定食屋さんは信頼できますね。

相間川温泉 せせらぎの湯(群馬県高崎市)

ここで本日の入浴。温泉博士手形で無料です。鉄分の多い茶褐色のお湯で、湯温も高め。運転で疲れた体をよくほぐしてくれます。今回の旅は、1日に300km程度を運転する予定ですので、1日1度は温泉に浸からないと体がもちませんよね。

道の駅 くらぶち小栗の里(群馬県高崎市)

今日中に長野県に入りたかったのですが、充電ポイントの関係でここが初日の車中泊場所になりました。実はここにも急速充電器があるのですが、故障中でこの先のルートにもポイントがないのです。仕方がないので、最寄りのポイントで満充電にし、翌日のコース変更を余儀なくされました。この道の駅自体は、新しくて綺麗でとても静か。広いウッドデッキは独り占め状態です。

特にトイレは素晴らしく清潔です。お客さんが少ないのかな…。

24時間開放の暖房付き無料休憩所です。もちろん誰もいません。このあたりの夜は寒いので本当にありがたい。僕はここでタブレットの映画を観ながらビーフジャーキーとバーボンで酒盛り。〆は大盛カップラーメンを完食。本当はいけないのかな…。くれぐれも汚さないように気を付けたので、勘弁してください。

北軽井沢経由の難所ドライブ ※第2日目

充電ポイントの関係で、北軽井沢経由のコースで長野県に向かいます。ここがかなりの難所で、降り始めた雨も雪に変わりそうな雰囲気。とにかく早く人里に出たくて、途中で写真を撮っている余裕もありませんでした。充電ポイントのコンビニに到着したときは、外気温0℃!

スピリアカレーハウス(長野県諏訪市)

諏訪湖のほとりまでやってきたところで、昼食の時間です。昨日から全く野菜をとっていなかったので、サラダバーのあるお店を検索すると、インドカレーバイキングのお店がヒットしました。僕はあのオレンジ色のドレッシングが大好き。迷わず入店します。

第一の皿。山盛りの野菜にドレッシングをかけ、マカロニサラダをトッピング。サイドにチャオミン(インド風焼きそば)とむね肉のタンドーリチキンとフライドポテト。野菜はもちろんこのチャオミンとタンドーリチキンが意外なほど美味しかった。作り置きだったので、熱々ならなおのことですね。カレーも食べていないのに、第一の皿をそのままおかわりしてしまいました。

第2の皿。お約束の巨大ナンに、キーマ(辛口)・茄子とチキン(中辛)・野菜(甘口)の3種のカレーをチョイス。カレーの味はごく普通で、辛さもちょっと物足りない。他にもいろいろな料理があったのですが、さすがにこれだけ食べれば満腹です。これでドリンク付き980円はお値打ちだと思います。

杖突峠 峠の茶屋 無料展望台(長野県岡谷市)

諏訪湖と諏訪盆地を一望できるここは、長野県屈指の夜景スポットとしても有名です。諏訪湖方面には雲がかかっていたのですが、それでもこの絶景! 夜景もさぞかし綺麗でしょうが、夜の峠道はちょっと怖いかな。

殿岡温泉 湯元 湯~眠(長野県飯田市)

強い寒気が上空に流れ込んでいるせいで、猛烈な雷雨に襲われました。運転にも危険な状況ですので、ここに避難&入浴休憩。温泉施設に宿泊棟が附帯した、健康ランド的な施設です。ちょうど月1回のサービスデーで、入浴料が400円でした。

さすがに浴槽の種類は豊富です。露天風呂も湯温は高めで、朝から冷えた体が復活していきます。ドライサウナもありますが、疲れを残さない程度に5分間を2セット。いやー生き返りました。雨が小降りになってから出発です。

道の駅 信州平谷(長野県平谷村)

今日の運転は疲れました。雨もまた降り始めましたので、ちょっと早いのですがここで車中泊です。街道沿いの道の駅ですが、駐車場が広くお客が少ないので、静かに眠れそうです。日帰り温泉も附帯していますが、さっき入ったからいいや。

無料休憩所には交通情報システムも完備しています。ここで京都に帰る年配のご夫婦から話しかけられたのですが、この雨で高速道路が一部通行止めになり、新ルートの検索に苦慮しているとのこと。「お気をつけて」と言うことしかできませんでした。

トヨタ博物館(愛知県豊田市) ※第3日目

早起きして愛知県に入りました。以前に愛知に来た時に入れなかったこの博物館に、開館時間の9:30に入館します。入館料は1000円です。

お目当ては、もちろん展示してある実に100台以上ものヒストリーカーです。どれもピカピカにレストアされています。車好きを自認する方なら、丸1日過ごしても飽きないでしょう。地元の複数の小学校が遠足で見学に来ていましたが、館内がとても広いので、全く気になりませんでした。

エントランスに入るとすぐ、トヨタ・センチュリーの新型車両がお出迎え。先日の天皇陛下即位パレードでは、これのオープンモデルが採用されましたね。

リアビューも迫力があります。ショーファードリブンですので、自分で運転して楽しい車ではないでしょうが、強烈な存在感を周りに与えますね。

1929年式デューセンバーグ・モデルJ。このデザインといい細部の造形といい、もはや走る美術工芸品です。こんな車を普段使いで乗り回す生活って、想像もできません。

コクピットもピカピカ。そういえば、サディスティック・ミカ・バンドの『タイムマシンにお願い』の歌詞にも登場しますね。まさに「夢見る」車です。

こんな感じで、興味を引いた車だけでもいちいち紹介していると、とんでもないデータ容量になりそうですので、ここからは僕の好きな映画作品とからめて紹介していきます。

1959年式キャディラック・エルドラド。『ピンク・キャディラック』と言えば、ナタリー・コールやブルース・スプリングスティーンの曲で有名ですね。アメリカが最も豊かだった時代を象徴しているかのようです。

無駄に長いリアと無駄にデカいテールフィン。これがいいんですよ。これぞアメ車!

ピンクのキャディといったら、この『トゥルー・ロマンス』。クェンティン・タランティーノのハードバイオレンスな脚本を、故トニー・スコット監督がスタイリッシュに映像化した作品です。エルビスと千葉真一に憧れる夢見がちなチンピラを、クリスチャン・スレーターが好演しています。ちょっと下品なアロハを着て、キャディを転がす姿がカッコいい!

1968年式トヨタ2000GT。いわずと知れた日本初の「スーパーカー」です。美しいモノコックボディは全て手作りだとか。現在では価格がつけられないくらいの希少車ですが、実は僕の近所の中古車屋さんのガレージの奥に、ひっそりと眠っているんですよ。走行できる状態ではないのですが、社長さんが趣味で手に入れ、レストアを待っているとのこと。

トヨタ2000GTといったら、日本を舞台にした『007は二度死ぬ』のボンドカー。オープンモデルを急造したのは、ボンド役のショーン・コネリーの座高が高すぎて運転席(助手席)に座れなかったためという、ウソのようなエピソードが残っています。

1969年式マツダ・コスモスポーツ。世界初のロータリーエンジン搭載車です。当時は夢のエンジンと言われたマツダのロータリーも、現在では生産休止の状態です。ただ、この車がFC・FDという日本のスポーツカー史に残る名車が生まれる素地となったのもまぎれもない事実です。今見ても未来的なデザインですので、発売当時はまるで宇宙船のようだったでしょうね。

コスモスポーツといったら、『帰ってきたウルトラマン』。警備隊MATの作戦車両として採用されていました。当時観ていた小学生の僕には、とても国産の市販車には思えませんでした。ちょっとキッチュなデカールも妙にマッチしていますね。

1972年式フィアット500。通称チンクエチェントです。『ルパン3世カリオストロの城』でのこれを使ったカーチェイスのシーンは、日本アニメ史に残る名場面ですね。

フィアット500といったら、『グラン・ブルー』。実在するフリーダイバーのジャック・マイヨールをモチーフにした、リュック・ベッソン監督の才気がほとばしるようなファンタジー映画です。ジャックのライバルで親友の、ジャン・レノ扮するイタリア人フリーダイバーのエンゾが、ボロッボロのチンクをまさに下駄代わりに乗り回す姿が印象的でした。

最後に紹介するのが、この1948年式タッカー・トーピード。正直、目にしたとき涙が出そうになりました。憧れ続けていたこの車に、まさか日本国内で対面できるとは! フロントにはヘッドライトが3つ。両側のライトはコーナリングランプの機能を備える予定だったとか。当時としては何から何まで画期的な車だったでしょうね。

サイドビューのデザインも斬新ですね。こんな先進的な車が、たった51台しか生産されなかったとは…。そんな歴史的背景も、僕を憧れさせた要因の1つです。

この車といったら、そのまま『タッカー』。製作ジョージ・ルーカス、監督フランシス・コッポラという黄金コンビの作品でありながら、内容が車オタクの社会派ドラマということで、興行的には大コケしました。僕が観た時も、映画館はガラガラでしたね。最近4Kレストア版のブルーレイがリリースされたので、改めて観なおしたのですが、やっぱり面白い!

第二次大戦後、画期的な車「トーピード」を開発し、アメリカのBIG3(フォード・GM・クライスラー)に戦いを挑んだガレージメーカーの社長プレストン・タッカー(ジェフ・ブリッジス)の半生を描いた作品です。結局はBIG3の圧力により部品供給や資金繰りが悪化し、タッカーは予約していた顧客から詐欺で告発されてしまいます。その裁判の冒頭陳述の際、タッカーは叫ぶように訴えます。「こんなことをしていたら、この国の自動車産業は衰退し、ついには敗戦国から車を買うようなことになってしまうぞ!」傍聴席からは失笑も漏れますが、それから30年もしないうちに、アメリカの自動車業界はドイツ車と日本車に席捲されることになるわけです。まあ、僕個人としては60~70年代のアメリカン・マッスルカーはどストライクの好みなんですけどね。トランプさん、「日本車ばかり売れてアメ車が売れないのは不公正だ!」ではなく、「なぜアメ車が売れないのか」について考えてみてくださいな。

いいたかの湯(三重県松阪市)

人生初の三重県に入りました。トヨタ博物館に長居をしたので、今日はここで入浴・車中泊で終了です。道の駅飯高駅にあるこの日帰り温泉は、温泉手形で無料です。

内湯・露天・サウナと施設が充実しているので、夕暮れを眺めながら時間をかけてゆっくりと温泉に浸かり、隣接するレストランでの夕食の後に車中泊という、我ながらナイスなプランを考えていたのですが…。

道の駅自体は静かで居心地が良さそうなのですが、トイレが21:00で閉鎖されてしまいます。24時間開放のトイレは個室が和式1つだけで、しかもあまり清潔とは言えません。迷ったのですが、車中泊場所を変えることにしました。

道の駅 奥伊勢おおだい(三重県大台町)

道の駅飯高駅から車で30分ほどのここを、新しい車中泊場所としました。幹線道路沿いですが、トラックの数は少なそうです。

イオン系スーパーのマックスバリュが隣接しているのがうれしい。何でも手に入ります。食料をここで買い込み、イートインで夕食です。ちょっとわびしいけど、その分安上がりになりました。

広い休憩スペースには、誰もいません。ちょっと寒いかな。

なんと女性専用のトイレ棟がありました。女性の車中泊者の方は、夜も安心ですね。

紀伊半島沿岸ドライブ(三重県~和歌山県) ※第4日目

朝日を横に見ながら、沿岸線ドライブで和歌山県に向かいます。紀伊半島の南端付近では遮るもののない水平線が広がり、写真ではわかりにくいのですが、水平線にアールがかかっています。北海道室蘭市の地球岬と並び、地球の丸さを実感できるパノラマですね。

「獅子岩」と名付けられた奇岩。秋田県の「ゴジラ岩」になんとなく似ていますね。

道の駅 紀宝町ウミガメ公園(三重県紀宝町)

和歌山県境付近にあるここで充電休憩。名前といい付帯施設といい、かなり個性的な道の駅です。

ここは絶滅危惧種のアカウミガメの産卵地で、これを町おこしに利用しているようです。生体展示館「ウミガメハウス」は入場無料です。

館内には結構な大きさのウミガメプールがあり、子ウミガメを中心に飼育がおこなわれています。人がプールに近づくと、エサをもらえるのかとわんさか集まってきます。とても可愛いのですが、これでは自然に帰すのはむずかしいだろうなあ。その他、この地域でとれる魚も水槽で飼育されていて、ちょっとした水族館のようです。

道の駅の売店をのぞくと、興味を引く食べ物が。小アジを丸ごと使ってご飯と一緒に乳酸発酵させた、いわゆる「馴れずし」です。僕は鮒ずしのような馴れずしはかなり苦手ですが、小アジは大好物。お昼時だし珍しいし520円という安価だし、ダメもとで購入して食べてみたのですが…。

…やっぱりダメでした。魚の生臭さをあえて強調するような製法は、好きな人にはたまらないのでしょうが、僕は受け入れることができませんでした。かなり大ぶりな寿司なので、4つまでは頑張って平らげたのですが、最後の一つはゴミ箱へ…。アジくんごめんなさい。食後にお茶で口をすすいでも、2~3時間はずっと口の中にアジがいる感覚でした。

道の駅 なち(和歌山県那智勝浦町)

和歌山県に入りました。ここで充電休憩。紅白の派手な色使いの外観は、熊野那智大社を模したものでしょうね。JRの駅や日帰り温泉施設も付帯しています。

内部には、那智大社とその周辺に関する資料館もあります。

世界遺産 熊野那智大社(和歌山県那智勝浦町)

いよいよこの旅のメインイベント、熊野那智大社への参拝です。駐車場からこの石階段を上ってアクセスするのですが、11月なのにすれ違う人のほとんどが半袖になっていて、このアクセス路のハードさを物語っています。僕は年齢の割に体力には自信があるのですが、それでも一気に上りきることはできませんでした。ただ、周りの森にはちょっと霊的な雰囲気が漂っているので、それを感じながらゆっくり上るのが正しいのだと思います。

石階段を3分の2ほど上ると、まず三重塔が姿を現します。後方に見える那智の滝との競演は、パンフレットなどでもおなじみの絶景ですね。

さらに階段を上ると、 那智山青岸渡寺に着きます。那智大社と違い、年月を感じさせる太い木の柱が印象的な寺院です。

那智山青岸渡寺を抜けると、同じ敷地内に那智大社拝殿があります。さすがは世界遺産、外国人観光客が多数参拝していますが、中国人観光客よりも欧米からの観光客が目立ちます。僕も二礼二拍手一礼でお参りをしました。

那智の滝(和歌山県那智勝浦町)

参拝を済ませて石階段を駐車場まで下り、さらに別の階段を下ると、熊野那智大社の御神体である那智の滝に着きます。高さが133m、滝壺の深さが10m。高さと水量が日本一の滝とされていて、茨城県の袋田の滝、栃木県の華厳の滝とともに、日本三大瀑布と言われています。さすがに迫力がありますが、袋田・華厳の両方の滝が割と近所にある僕としては、正直それほどの感動はありませんでした。

天然温泉 熊野の郷( 和歌山県那智勝浦町 )

階段の上り下りが続き、僕もさすがに汗をかきました。熊野那智大社駐車場から車で10分程度のここで入浴休憩です。大きな土産物店の2階が日帰り温泉施設になっています。温泉手形で入浴料500円が260円になりました。

内湯・露天風呂共にやや小さめですが、かなり新しい施設で汗を流すのにもってこいです。いやー今日は大満足の観光でした。あとは寝るだけかな。

道の駅 伊勢志摩(三重県志摩市)

三重県の伊勢志摩国立公園まで戻ってきました。紀伊半島沿岸部とはまた違った夕暮れのリアス式海岸の絶景が広がっています。この道の駅で車中泊。急速充電器が1台に普通充電器が2台あり、普通充電器は時間無制限使用が可能です。つまり、就寝前にコネクタをつなげば、起床時には満充電完了という便利さ。もちろん充電混雑時にこんなことはしませんが、空いているのでOKでしょ。

帰路(三重県~愛知県~長野県) ※第5日目

さて、これから2日間をかけて帰路に着きます。やはり1週間の旅行期間ではこの辺までが限界ですね。

清州城(愛知県清須市)

清須市に入り、最寄りの日産ディーラーで充電しようと細い道を走っていると、突然城郭が出現しました。織田信長の居城、清州城です。思わず路肩に車を止めました。

信長は、この城から桶狭間の戦いに出陣するなど、約10年間居城としました。現在のこれは再建された模擬天守で、天守閣には自由に上れるようです。平日とはいえ、観光客はまばら。結構穴場なのかもしれません。

中華料理 航天(愛知県清須市)

清州城をざっと見学し、近くの日産ディーラーで充電を済ませるとちょうどお昼時です。近くのレストランを検索すると、すぐそばにグルメサイトの評価4.4という高評価の中華料理店がヒットしました。すぐに入店すると、僕が座ってちょうど満席になりました。店内にはジャズが抑えた音量で流れ、インテリアは落ち着いたカフェのようです。

無難に日替わりの「回鍋肉定食(880円)」を注文しましたが、これがとんでもない代物でした(もちろんいい意味で)。おすすめの点心ですが、焼売は香菜(シャンツァイ=パクチー)をたっぷり餡に練りこんだもの、プリプリの海老、豚肉の3種。もちもちの蒸し餃子はたぶんフカヒレの餡(一口で食べてしまったので)で、どれも手間暇がかかっています。メインの回鍋肉は、まるで漢方薬のような様々な調味料やスパイスが使われているようで、既存のものとは全く別物です。八角やウイキョウの風味がしている気がしましたが、とにかく僕の舌ではレシピが想像つきません。メインが濃い味なので、スープはあえてごく薄味。デザートの杏仁豆腐は、ちゃんと杏の味がします。こんなレベルの高い本格中華が、街の中華屋さんで味わえるのは驚異です。オーナーシェフと奥様の2人で切り盛りしているようですが、自分たちの提供する料理に対する深い愛情さえ感じられました。

道の駅 おばあちゃん市・山岡(岐阜県恵那市)

岐阜県に入りました。この道の駅には急速充電器はないのですが、ロケーションの良さに思わず立ち寄りました。日本一の大きさという巨大木製水車が目印です。

この辺りは「ダム銀座」と呼ばれるほどダムが多く、その風景を楽しむために作られた道の駅のようです。駐車場からはダム湖と周りの紅葉がよく眺められますし、観光用のつり橋などもかかっています。

下條温泉郷 秋桜の湯(長野県下條村)

紅葉真っ盛りの細い山道ドライブは、楽しいのですが疲れもたまります。ここで入浴休憩。温泉手形で無料です。公共施設ですが、内部は新しく清潔感があります。

高台にあるため、露天風呂からの眺めは絶景です。露天はちょっと湯温が低めですね。ふもとの方には飯田市街が見えます。今日はあの辺で車中泊かな。

道の駅 南信州とよおかマルシェ(長野県豊丘村)

できたばかりの素晴らしくきれいな道の駅。ここでこの旅最後の車中泊です。施設の広さも駐車場の広さも、今まで訪れた道の駅では最大級です。こんなに充実した施設にもかかわらず、午後7時過ぎは閑散としていて、これは安眠できそうです。

もちろんトイレもすこぶる快適です。さあ、明日中には自宅に到着するぞ。それでは、おやすみなさい。

帰路(長野県~栃木県) ※第6日目

最終日は群馬県経由で帰路につきました。桐生市近辺からとんでもない山越えの道をカーナビに案内され、あやうく遭難しかけましたが、なんとか無事に自宅までたどり着けました。あと1か月程度でスキーシーズンが到来しますので、次の車中泊の旅は春先かな。

9th trip 宮城~岩手~青森~北海道~山形県(5月中旬)

令和スタートの10連休明け、いよいよ北海道への旅をスタートします。今までで最長の行程になるので、事前準備(実はこれも楽しいですよね)を万全にして、いざ出発!

〇道の駅 林林館(宮城県登米市) ※第1日目

スタートが正午ごろで、今回は先を急ぐ旅なので、1日目はいきなりここで車中泊となりました。名前の通り森の中の静かな道の駅です。他の車中泊車もほとんどいません。もちろん急速充電器つきです。

24時間開放の自動販売機コーナーがありました。明るい室内は安心できますね。

別棟のトイレは洗浄便座付きで清潔です。

〇浄土ヶ浜(岩手県宮古市) ※第2日目

最初の見学場所は、陸中海岸国立公園の中で最も有名な観光スポットです。東日本大震災後、関連施設は大幅にリニューアルされたようで、このビジターセンターも3階建ての立派な建物。3階部分からエントリーします。

1~2階部分は、三陸海岸の成り立ちや周りの自然について学べる展示館になっています。内部はどこもピカピカで、展示内容も豊富です。これが公共の施設ですからね、駐車場も入館料も無料です。

1階出口から15分ほどの遊歩道で浄土ヶ浜に向かいます。途中の桟橋から遊覧船が発着しています。海の透明度が素晴らしい。

浄土ヶ浜に到着です。眼前180度に絶景が広がります。

透明度の高い海と奇岩群の組み合わせが絶妙です。個人的には松島よりもおすすめですね。

〇国民宿舎えぼし荘(岩手県野田村)

昨日はお風呂に入れなかったので、昼食前にここで入浴休憩します。温泉博士手形で無料です。

太平洋を望む露天風呂が気持ちいい。30分ほどゆっくり浸かっていると、お腹が減ってきました。

ここのレストランで昼食にします。本日の日替わり定食500円を選択。

カンパチの刺身定食でした。ワンコインでちゃんとした刺身定食が頂けるなんて、さすがは海のそばの国民宿舎ですね。小鉢の切り干し大根もうまかった。

〇道の駅のだ (岩手県野田村)

国民宿舎の近くのここで充電休憩。平日も観光客で賑わっていました。

割と古いタイプの急速充電器ですが、充電時間が指定できました。

この道の駅、三陸鉄道の陸中野田駅が中に入っていました。ここに車を置いて三陸リアス線で観光するのもいいですね。僕は先を急ぐ身なので、今回は見送りました。

線路には、かわいらしいラッセル車が停車していました。

〇 小袖海女センター (岩手県久慈市)

NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』で有名になったここも、今では観光客もまばらなようです。それにしても、カラーギャング・ニートの窃盗団・ヤクザなどの反社会的キャラクターを描く宮藤官九郎という脚本家を朝ドラに抜擢したNHKに、当時はびっくりしましたが、結果的には大成功でしたね。

ドラマの撮影でも使われた、ウニの収穫地がすぐ横にありました。

海水の透明度がすごい。それにしても水温が低そう。海女の北限と言われるだけありますね。

〇『木更津キャッツアイ』(TBSドラマ)

現在放送中のNHK大河ドラマ『いだてん』は視聴率が低迷しているようですが、それでも宮藤官九郎が天才脚本家であるという事実は揺るぎないと僕は思っています。たくさんの映画・ドラマの素晴らしい脚本を手掛けている彼ですが、その一つがこのドラマ。2本の映画版も制作されています。彼の脚本の魅力は様々ありますが、僕は「二重構造の面白さ」だと思っています。黒澤明監督の『羅生門』や、クエンティン・タランティーノ監督の『パルプフィクション』のように、展開する物語の視点や時系列が入れ替わる構成で、本作も「表・裏」の二重構造になっており、相当な頭脳の持ち主でないと書き上げることができない内容だと思います。

僕の感心したシーンはドラマの終盤、不治の病を持つ主人公(岡田准一)がICUで多くの友人・知人に囲まれて息を引き取る場面です。普通なら涙・涙の場面ですが、ここを大爆笑ポイントにしてしまうところが、クドカンの凄さ。文章で説明しても面白さは伝わらないと思いますので、興味を惹かれた方は、是非一見を。

〇陸中海岸ドライブ(岩手県久慈市)

久慈市街地まで海岸沿いをドライブします。奇岩・絶景の連続で、頻繁に立ち止まり行程が進まなくなるくらいです。

「釣鐘岩」だったかな。快晴の空に映えますね。

〇道の駅くじ (岩手県久慈市)

ここで充電休憩。スーパーマーケットが併設されていて、観光客だけでなく地元の人たちもたくさん立ち寄っています。

スーパーのイートインで、焼きたての豆腐田楽(130円)を購入。木綿豆腐ににんにく味噌を塗り、炭火でじっくり焼き上げてあります。ご飯やビールに素晴らしく合いますが、ここでは我慢。

道の駅前に「歴通路広場」なる小路があり、昭和の香り漂うお店が並んでいますが、閑散としていてお店も開店休業状態。マーケティング間違えちゃったかな…。

〇道の駅はしかみ(青森県階上町)

本日の車中泊場所です。徒歩圏内にドラッグストアやコンビニがあり、急速充電器も備えています。大型車と普通車の駐車場が離れており、静かに眠れそう。では、おやすみなさい…。と思ったら、

かなり駐車場は空いていたのですが、午後8時ごろ、僕の車の真横にぴったりと軽バンが横付け。男女のカップルのようですが、話し声がかなりうるさい。車外に出た時ちらっと見ると、男性60代、女性30代のちょっと不思議な組み合わせ。防犯上の理由かな。何か気持ち悪かったので、こちらが車を移動しました。

〇陸奥湊駅前朝市(青森県八戸市) ※第3日目

午前6時前、朝市にやってまいりました。八戸市の朝市と言えば館鼻岸壁の巨大朝市が有名ですが、日曜日のみ。ここの朝市は毎日午前3時から開いている地元密着型です。駅前の細い道路沿いに、海産物系のお店が100件近く並び、活況を呈しています。

三陸産のホヤがありえない値段で並んでいました。

イカもこれで30円! 僕が買っても腐らせるだけだよなあ。

朝食はこの市場内の食堂で。ある意味カフェテリア方式ですね。

おかずはこの中から選びます。僕が選んだのは…。

マグロのカマ焼き。ご飯大盛と豆腐とめかぶのみそ汁を付けて850円。巨大なマグロのカマは、温めなおして提供されます。魚というよりスペアリブのよう。手で持ってかぶりつき、箸で骨の間の肉をほじくり出します。うまさに箸が止まりません。ネコもまたぐような状態にして完食。食器を戻すとき、食堂のおばちゃんに食べ方をほめられました。ネイティブな津軽弁だったのですが、たぶん「観光客でこれだけきれいに食べる人は初めてだよ」という意味だったと思います。

〇三沢航空科学館(青森県三沢市)

空自の三沢基地に隣接した巨大な博物館です。開館時間の9時ジャストに入館すると、お客は僕だけ。

様々な飛行機の展示のしかたは、埼玉県朝霞市の陸自の博物館に似ています。

ライト兄弟の複葉機も再現されていました。

旅客機のコクピットにも入れます。これとは別にシミュレーターも体験しました。

戦時中の戦闘機のV12エンジン。フェラーリやランボルギーニはこれをミッドシップに積んでいるんですね。車としてはオーバースペックだよなあ。

意外にすごかったのは、航空機(主に軍用機)のプラモデルがざっと一千機、時代別にずらりと展示されているところ。じっくり見入ってしまいました。

外の公園には軍用機の実機が展示されていました。これはF101スターファイター。当時としては画期的な高速戦闘機です。

F4ファントムのコクピット部分。デカールがかっこいい。

ブルーインパルス仕様の三菱F1。初の国産超音速ジェット戦闘機です。

こちらが現行の支援戦闘機F16ファイティングファルコン。国産版は三菱F2。見学中も頻繁に発着していました。

〇醤油家おお田(青森県青森市)

北海道に渡る前にここで昼食です。プレハブのような外観の店ですが、昼時はたくさんのお客さんが訪れていました。

とてもシンプルな醤油ラーメンです。青森県の味付けは濃くてしょっぱいイメージがありましたが、このスープはとってもやさしい味。細い縮れ麵によくマッチしていました。

〇青函フェリー あさかぜ21

愛車とともにこれに乗って北海道・函館港へ。この青函フェリーはもともとトラック専用だったのですが、数年前から一般の貨客も受け入れるようになったそうです。他のフェリー会社に比べて、料金は割安です。

船室は個室もありますが、4時間弱の航海ですので、2等の大部屋で十分。その他ロビー・カップラーメン自販機・電子レンジ・シャワールームを備えており、必要十分な設備と言えるでしょう。

〇道の駅なないろ・ななえ(北海道七飯町)

函館港着が18:20だったので、港から最も近いこの道の駅で車中泊です。1年前にオープンしたばかりの大規模な施設です。

特にトイレが素晴らしくきれい。来場客がかなり多いのに、この清潔感には感心しました。

道の駅の裏手には、整備された広い公園がありました。駐車場もかなり広いのですが、トラックを含めた車中泊車がかなり多いので、安眠のためにはポジション取りが肝要です。

〇道の駅YOU・遊・もり(北海道森町) ※第4日目

いよいよ北海道車中泊の旅、本格スタートです。スキーでは頻繁に訪れているのですが、自分の車での気ままな旅は初めてです。年甲斐もなくワクワクが止まりません。小雨模様で函館・大沼の観光は見合わせ、まずはここで充電休憩。この町の観光拠点のような施設です。

裏手の公園。かなり規模が大きく、様々なイベントに対応できそうな場所です。

5月中旬で桜が8分咲き。ソメイヨシノとは種類が違うようですが、さすが北海道。さて、これから積丹半島沿岸を一周するつもりだったのですが、スマホでそのコースの充電ポイントを検索すると、0件! この辺もさすが北海道。急遽コース変更を余儀なくされました。何か出だしからつまずいてるなあ。

〇ホテルグリーンパークいわない(北海道岩内町)

気分を変えてここで入浴休憩。北海道車中泊者必携の月刊「HO」のクーポンで無料です。

かなり塩分濃度の濃いお湯です。冬の時期は体が芯からあたたまりそう。

〇小樽運河(北海道小樽市) 

コース変更により、このベタな観光地にやってきました。予想通り、日本人よりも中国人観光客の方が多いくらいです。

倉庫を改装したレストラン。10年前にスキーのついでに寄ったときは、ここまで観光地化されていなかったのですが…。

大手免税ショップもこんな感じ。完全にインバウンドに寄せています。一時期の「爆買い」は沈静化しつつあるようですが、閉塞感が続く日本経済にとって、救世主的な存在ですからね。

さて、たくさんの中国人観光客の方に実際にお会いしていると、ファッションにある共通項があるような気がしてきました。あくまでも僕の主観なのですが、①男性はレイバン・ウェイファーラータイプのサングラスと、ダブルのライダースジャケットの着用率が非常に高い(僕も持ってますけどね…) ②女性はロングコートにロングスカートの着用率が非常に高い(日本人の女性はあまりしないコーディネートですよね) 皆さんアッパーミドル層で、本国ではトレンドを創る側なのでしょうから、「今、中国で何が流行しているか」は、こんなところからわかったりするかもしれませんね。

〇中国料理 輝楽飯店(北海道小樽市)

ここで昼食。幹線道路沿いのいわゆる「町の中華屋さん」です。「え、小樽でしょ、寿司じゃないの?」と思った方、その考えは改めた方がいいかもしれませんよ。今より観光地化されていなかった10年以上前に何度か訪れているだけなのですが、そのころから有名な寿司屋通りでの値段は青天井という感じでした。もちろん、最高級のネタも出してくれるでしょうけど、コストパフォーマンスは銀座の高級店と同じくらいじゃないかなあ。「ザギンでシースー」をお値打ちに感じるのなら別ですけど…。

ランチメニューの筆頭に載っていた「麻婆豆腐定食(700円)」を選択。山椒の実がいくつかそのまま入っていて、噛み潰すと痺れが来るのが楽しい。まっとうな中華定食です。ふかひれ風スープ・ザーサイ・杏仁豆腐も正しい味。ただ、麻婆豆腐の味が濃い(とても美味しいんですけどね)。ご飯一杯では食べきれず、お代わりをしてしまいました。うー、満腹。

〇ニッカウヰスキー余市工場(北海道余市町)

ウイスキー好きの僕にとって、本日のメインの見学場所です。北海道では、ビールはサッポロ、ウイスキーはニッカ。ここの創業者の竹鶴政孝は、NHK朝の連続テレビ小説『マッサン』でも知られる、「日本のウイスキーの父」です。

工場内の見学コースには、開業当時の石造りの倉庫群がそのまま残されており、内部を改装して展示館にしています。建物群を見回っているだけでも楽しめます。

巨大なスティルポット(蒸留窯)。現在は使われていないみたいです。

貯蔵蔵の樽からは、うっすらとモルトの香りが漂っています。

樽の内部のサンプル。年月を経るにつれ、無色透明のウイスキーに樽の色がついていきます。バーボン樽かシェリー樽かによって、香りも微妙に違ってきます。

見学の最後に無料試飲コーナーがあるのですが、その前に有料試飲ができるバーに立ち寄ります。オーダーしたのは「余市シングルカスク10年」1ショット1000円。他のシングルモルトが1ショット300~500円なのでだいぶ高価ですが、これを飲むためにここに来たようなものですので。通常シングルモルトウイスキーは、いくつかの樽でできた原酒をブレンドして味を調え、商品として出荷するのですが、これはシングルカスク、つまり出来が素晴らしかった1つの樽のみの原酒です。10年という熟成の歴史をピュアに味わえるというのは、なかなかできない経験です(ちなみに、バーボンの場合はシングルバレルと言います)。

まずは香りを確かめ、ショットグラスの半分ほどを口に含みます。アルコール度数57度という大変なハードリカーですが、とろりとしていて甘く、難なく喉を通っていきます。後味に太いボディと若干の塩気が感じられますが、ピートのスモーキーさはあまり感じられません。とにかく素晴らしく旨い! バーテンダーのお姉さんに伝えると、「ニッカのシングルモルトは、この味を目指してブレンドしています。以前はここの売店だけでボトルを販売していたのですが、現在はこのモルトの底が尽きかけてきているので、ここでの有料試飲だけになりました。近いうちに有料試飲もできなくなります。」とのこと。残念! 残り半分を大事に味わいました。

ここが無料試飲会場。「シングルモルト余市」「スーパーニッカ」「アップルワイン」の3種類のお酒がテイスティンググラスで提供されます。当然これも頂きますよ。

「シングルモルト余市」は、簡単に言うと「シングルカスク10年」の特徴を薄めた感じ。「スーパーニッカ」は、前の2種類を味わった後では味の平坦さが際立ってしまっています。「アップルワイン」は、シードルから炭酸を抜いて加糖した感じ(当たり前か)で、僕には甘すぎました。

〇道の駅スペースアップルよいち(北海道余市町)

これだけ昼間からお酒を飲んだら、当然運転は無理です。この道の駅は、ニッカウヰスキー余市工場から徒歩3分の場所にあり、見学前に駐車していましたので、ここで早々と車中泊です。メインの施設は「スペース童夢」という展示館ですが、あまり興味を引く内容ではなかったのでパス。

道の駅としての機能は、この小さな売店とトイレのみ。急速充電器もありませんが、その分ガラガラに空いているのでよく眠れそうです。夕食はカップラーメンで済ませ、タブレットに保存した映画を観ながら、おやすみなさい…。

〇さっぽろ朝市(北海道札幌市) ※第5日目

今日は早起きして札幌市内にやってきました。朝5時から開いているこの朝市は、観光客にも開放されている場外市場です。

外の通りにもそれ風のお店が連なっていますが、この辺は完全に観光客向けですね。

「札幌の台所」だけあります。写真ではサイズ感が伝わらないのが残念。大きい、それと安い!

旬ではないはずの毛ガニも、丸々と太っています。

〇札幌市街地

朝のラッシュ前で、札幌市街はガラガラです。市街の観光名所をさらっと巡っておきましょう。まずは札幌時計台。


赤煉瓦の北海道庁。もちろん正門は施錠されています。

すすきの交差点。ここは夜じゃないと雰囲気は出ませんね。以上です。それでは富良野を目指して出発!

〇天然温泉 岩見沢ゆらら(北海道岩見沢市)

途中のここで入浴休憩。幹線道路沿いの巨大な日帰り温泉施設です。「HO」のクーポンで入館料が半額になりました。

内湯・露天・サウナともに広々。露天とサウナには大きなテレビもついています。その他、レストルームやレストラン、あかすり・マッサージコーナーなども充実しており、1日ゆっくり過ごせそうな施設です。泉質は普通かな。

〇三段滝(北海道芦別町)

道路沿いで偶然見つけた絶景ポイント。水量が豊富な迫力のある滝です。

こんな絶景にもかかわらず、観光客は人っ子一人いません。平日とはいえ…。

〇らあめん 支那虎(北海道富良野市)

富良野市街に入りました。ここで昼食です。食べログ評価の高い、魚介系スープのラーメン屋さんです。駐車場のキャパは3台。1台分だけ空きがありました。

オーソドックスな醤油ラーメン(800円)を注文。価格設定は割と高めかな、と思ったのですが、食べてみたら納得でした。スープは煮干しメインのとろりとした濃厚な魚介系で、細くてコシのしっかりした縮れ麵によく合います。スープ・麵ともに、僕が今まで食べた魚介系ラーメンの中で一番かも。

と、ここでちょっとした違和感が。食べログのレビューでは、皆「あっさりすっきりした醤油味」というコメントだったよなあ。実食した僕の中では、あっさりすっきりという言葉はどうしてもこのラーメンには当てはまらない。ということは、地元の方々には超濃厚な味付けがデフォルトということになるのかな…。僕のこの予想は、今日の夕食で確信に変わることになります。

・・・これは支那虎のダンナ(Ⓒリングにかけろ!)

〇『北の国から』ロケ地跡(北海道富良野市麓郷)

富良野市郊外の麓郷地区にやってきました。広大な農地が広がる北海道の「へそ」と呼ばれるここは、倉本聰脚本の国民的ドラマ『北の国から』の舞台。このドラマについては、僕よりも皆さんの方がよくご存じだと思います。倉本聰の脚本は、『前略おふくろ様』もそうですが、心優しく誠実な登場人物が、それ故に悩み傷ついていく展開が多く、観ていて心が痛くなるので僕は正直あまり好きではないのです(もちろん、脚本家としての才能は間違いなく素晴らしいと思いますが)。

この地区には、ドラマで使われた家屋がいくつかの場所に点在しており、ファンの聖地巡礼コースとなっているようです。年月を経て味のある外観になっており、見ていて飽きません。

主人公の黒板五郎が仲間たちと廃材で造った「拾ってきた家」も数棟展示されています。

スキー場のゴンドラを流用しています。この手作り感がたまりませんね。

こちらは廃車になったバスをコアユニットにしています。ナイスアイデア!

別角度から。子供の頃の秘密基地づくりを思い出し、ワクワクしてきます。

〇アンパンマンショップ ふらの店(北海道富良野市麓郷)

麓郷にはこんなお店もあります。小さなお子様連れは必ず立ち寄るでしょうね。

お店の中はこんな感じ。目がチカチカするようなディスプレイです。

お隣の「ふらのジャム園」も、こんな名前でコラボしています。

〇富良野オルゴール堂(北海道富良野市麓郷)

こんな施設までこの麓郷地区にはあります。外観は廃校になった小学校のようですが、

内部はこんな感じ。小樽のオルゴール堂を小規模にしたような雰囲気ですね。

〇たびのやど ふらりん(北海道富良野市麓郷)

本日は車中泊ではなく、ここに宿泊します。ネットのトラベルサイトで評価4.5という驚異的な数字をたたき出しているペンションです。実は今朝予約を入れたのですが、当日にもかかわらずきちんと対応してくださいました。1泊2食付きでなんと5700円!

フロントでは、オーナーの奥様が対応してくださいました。元々はユースホステルだったとのこと。家族経営で業務簡略のために必要最小限の接客になるとのことですが、動線の隅々にまで宿泊客への気配りが感じられ、とても好感が持てました。チェックインの手続中、奥のレストランからカレーの香りが漂ってきていました。そういえば、富良野はカレーが有名だとどこかで読んだ気が。今夜の夕食が楽しみです。

フロント前のロビーもアットホームな感じ。外観・内装ともに決して新しくはないのですが、メンテナンスや清掃は行き届いています。

客室です。1人客にもかかわらず、クイーンサイズベッドのダブルルームをリザーブしてくださいました。ベッドのマットレスや枕にもかなりこだわりがある様子。久しぶりに熟睡できそうです。

部屋にはユニットバス&トイレがついていました。共同だと思っていたので、ちょっとうれしい。

部屋の前の廊下にはこんなレストスペースが。飲み物やお菓子類も自由にいただけます。本当に「かゆいところに手が届く」ようなホスピタリティですね。

お待ちかねの夕食です。平日にもかかわらず、たくさんの宿泊客で賑わっていました。バイキング形式なのですが、品数が本当に多く、しかも手づくり感満載です。どの料理も美味しいのですが、特に野菜とポテトが旨い! ここで野菜不足を補うべく、サラダバーを数往復しました。

サラダ以外に食べた料理をざっと箇条書きにすると、焼きナス・フライドポテト(シンプルだが素材が良く旨い)、鮭のちゃんちゃん焼き・鶏肉の韓国風炒め(ご飯がすすむ)、牛肉と鹿肉のシチュー(僕好みの肉の食感を残したやつ、ちょっと味が濃いけど美味)、ボイルドソーセージ(バイキングでよくある鶏肉主体のものではなく、ちゃんと旨い)などなど。これらがご飯とビールにとてもよく合います。(しかしよく食べてるね。自分でも呆れます。)

出ました! チェックインの時から気になっていたカレーです。よく煮込まれてブラックカレー状態になっていました。よし、今日の夕食はこれで締めよう。少なめのご飯にちょっと多めにルーをかけ、いただきます…。

〇☆△※◇…! こ、濃い! しょっぱいー! 正直とても食べられません。誇張ではなく、ソースかドレッシングをそのまま食べている感じ。ここで昼食の時の「富良野では超濃い味がデフォルト」という予想が確信に変わりました。残すのは絶対に嫌だったので、サラダバーの大量の千切りキャベツを混ぜ込み、なんとか完食しました。

しかし、(カレーはともかく)このメニュー内容でこの宿泊料金は、本当に奇跡的だと思います。ネットレビューの高評価も納得できます。逆に経営が心配になってしまうほどです。ごちそうさまでした。

〇原始の泉(北海道富良野市麓郷) ※第6日目

疲れがたまっていたのか、ベッドの寝心地が良かったのか、はたまた満腹からか、昨夜は午後10時にはテレビつけっぱなしで爆睡に入りました。今朝は午前5時前に目が覚めてしまったので、朝食前に付近を散策します。

ここは地元の人も良く利用するという、原生林の中の名水の湧水池です。午前6時前ですので周りには誰もいません。ここは熊の出没も確認されているということで、カーオーディオの音量を上げ、車のドアを開けっぱなしにして見学です。

この水はコーヒーを淹れるのに最適との評判です。手ですくって飲んでみると、冷たくそしてちょっと柔らかい(軟水)味わいです。ペットボトルに給水しておきました。

〇「ふらりん」の朝食

朝食もバイキング形式です。サラダバーの野菜はどれも地元産で新鮮です。

蕎麦もありました。作り置きなのですが、ちゃんと旨い。

シリアルとドリンク類。地元産の牛乳がとってもおいしかった。

僕のプレートはこんな感じ。目玉焼き・チーズポテト・サラダ・鯖の塩焼き・シシャモ・ソーセージ・みそ汁。どれも美味です。もちろんご飯・サラダはお代わりしましたし、他にお蕎麦などいろいろ頂きました。朝からまた満腹です。

本当に満足度の高い宿でした。規模が小さくても、従業員が少なくても、お金をあまりかけなくても、工夫次第でこれだけのおもてなしができるということを体験できたのは、この旅の大きな収穫でした。ネットレビューのほとんどは僕と同じような感想でしたが、中には「設備が古い」だの「サービスが十分でない」だの「客へのあいさつがない(!?)」といったネガティブなものも散見されました。そんな人たちは、ホスピタリティというものをどう理解しているのでしょう。ホテルのコンシェルジュサービスなどは、国内の短期滞在の場合はほとんど必要がないと僕は思っているのですが、中には「サービス料に含まれているから」という理由で必要もないのに無理難題を言ってくるお客もいるそうです。そろそろ日本も、過剰なサービスマニュアルを見直す時期なのではないでしょうか。

〇ジェットコースターの路(北海道上富良野町)

「ふらりん」をチェックアウトし、美瑛町に向かいます。その途中にあるこの北海道らしい道路は、道路自体が観光名所になっています。一直線でアップダウンがあり、まさにジェットコースター。ただ、僕の自宅から海へ向かう途中の茨城県内の旧道にも、もっとハードなところがあるのですが…。後日「SURFTRIP」のところに追記して紹介したいと思います。

〇道の駅びえい「丘のくら」(北海道美瑛町)

この先は充電ポイントが乏しくなるので、ここで充電休憩。大きな石蔵を改装した、比較的新しい道の駅です。

小さなログ小屋の中に充電器がありました。見慣れないので最初はわからなかった。

道の駅から見た、美瑛町中心部の街並みです。JRの駅を中心に、しっかりとした都市計画のもとに整備されていることがうかがえます。冬の気候が克服できるのであれば、とても住みやすい街だと思います。

〇道の駅びえい「白金ビルケ」(北海道美瑛町)

「丘のくら」から車で40分ほど、ここも「道の駅びえい」です。急速充電器はありませんが、できたばかりの施設でとてもきれい。建物のデザインもかなり攻めています。

敷地の中にアウトドアブランド「ノースフェイス」のショップが入っています。

併設されているハンバーガーショップのイートインスペースです。他にも研修室棟もあり、全施設は地下通路でつながっています。まるでシェルターのようなすごい構造でした。

〇青い池(北海道美瑛町)

「白金ビルケ」から2kmほど、そのまんまのネーミングの池があります。Apple社のパソコンの壁紙として採用されてから爆発的に知名度が上がったということで、観光地としては比較的新しい場所のようです。今後予想される観光客増加に対応するため、周りの駐車場等の整備が進められていました。池の色はその日の気候などにより変化するそうで、僕が訪れた時はコバルトブルーではなく乳白色がかった青色でした。こんな色の温泉、地元にもあったなあ。

〇十勝岳温泉 カミホロ荘(北海道上富良野町)

十勝岳連峰の中腹に立つ、この温泉旅館で入浴休憩です。「HO」のクーポンで入浴料無料です。震災の影響でしょうか、外観は工事中でした。

露天風呂にゆっくり浸かりました。原生林の向こうの富良野盆地までの景色が素晴らしい。5月中旬でもまだ雪がたっぷり残っていました。気温は相当高いのですが、降雪量が尋常でないことがうかがえます。

〇道の駅南ふらの(北海道南富良野町)

長かった北海道車中泊の旅も終盤に入りました。ここで充電休憩です。北海道では1つ1つの充電ポイントがとても貴重です。

現在午後2時。「ふらりん」の朝食をたらふく頂いたので、軽めの昼食にします。テイクアウト専門のお店を覗くと、ジビエ好きの僕にうってつけのメニューがありました。

見た目も麗しい「エゾシカ肉ソーセージのホットドッグ」。350円だったかな。1日5食限定メニューなのですが、まだありました(人気ないのかな…)。オーダーしてから5分以上でサーブされました。しっかり作っていることは見た目でもわかります。熱々をいただくと、皮はパリッ、中から肉汁があふれます。とても食べやすいのですが、食べ終わった後の鹿肉の風味はけっこう口の中に残ります。

実は僕、ホットドッグが大好物です。ハンバーガーショップは全国津々浦々どの町にもあるのですが、ホットドッグスタンドはドトール・コーヒーショップくらいなのが残念です。僕がホットドッグ好きになったのは、中学生の時に観たこの映画がきっかけです。

〇映画『ダーティーハリー』

俳優クリント・イーストウッドの代表作であるこの映画は、シリーズ化され全5作が製作されましたが、何といっても画期的・衝撃的だったのはこの第1作目でしょう。 西部劇の巨匠ドン・シーゲル監督が、「現代のウエスタン」を標榜し、サンフランシスコ市警のはみだし刑事ハリー・キャラハンの活躍をハードボイルドタッチで描いています。

実はこのハリー刑事も、ホットドッグが大好物。行きつけのホットドッグスタンドに立ち寄り、自分のいつものレシピでオーダーすると、店の向かいにある銀行の様子がおかしいことに気がつきます。ホットドックを運んできた店の主人に警察への応援要請を頼み、お待ちかねのドッグを頬張ろうと大口を開けた瞬間、銀行の非常ベルがけたたましく鳴り出します。「DAMM!」とつぶやいたハリーはドッグを大きく一口頬張り、咀嚼しながら速足で店の外へ出ていきます。もちろん、右手に胸のホルスターから抜いたS&W製44マグナムM29を持って…。

銀行から飛び出してくる強盗団を、ハリーは口をモグモグさせながら無慈悲に一人ずつ射殺していきます。強盗の一人が逃走用の車をスタートさせると、エンジンをぶち抜いて横転させます。『西部警察』や『あぶない刑事』のように、刑事が街中で銃をぶっ放すことなどあり得ない時代ですよ。この大立ち回りが終わり、ハリーの顔がアップになると、なんとまだ口をモグモグさせている…! 最高にクールなホットドッグの食べ方を教えてくれた映画でした。

〇星野リゾート・トマム(北海道占冠村) 

巨大な総合リゾート施設、トマムに立ち寄りました。何せ敷地が広大すぎて、各施設を結ぶ専用シャトルバスが運行されているほどです。スキー場のゴンドラ山頂駅付近にある「雲海テラス」が有名ですね。ランドマークとなっているタワー型のホテル・リゾートマンションが4棟。僕は「バブルの塔」と呼んでいます。

こちらが本館のエントランス前。僕はここがホテルオークラ系のアルファリゾートが経営母体のころ、スキーをしに1度だけ訪れているのですが、スキーブーム真っただ中の当時でもゲレンデはガラガラで(しかも滑りごたえがない)、こんな施設をこんな原生林の中に造って経営は大丈夫なのかと本気で心配したのを覚えています(大きなお世話ですが)。それでも超強気の設備投資が続けられ、全室スイートルームの「ガレリアタワー」や、造波装置付き屋内プール、ウエディング客誘致のための氷の教会などを林立させた結果、経営が破綻し星野リゾートに身売りすることとなってしまいました。実はこのトマムの破綻をある意味予見したような映画が作られているのです(映画の話が続き恐縮ですが)。

〇映画「鉄道員(ぽっぽや)」

先日急逝した降旗康男監督の代表作で、高倉健が北海道のローカル線「幌舞駅」の孤高の駅長を演じた名作です。この中で、駅長仲間の小林稔侍が「俺は定年後は、トマムに重役として迎え入れられることになってるんだべ。どうだい、俺と一緒に…」というようなことを話す場面があります。もし本当に、退職した田舎の「旧国鉄マン」を巨大リゾートの主幹スタッフとして天下りさせるようなことが行われていたとしたら、経営が破綻するのも当然のような気がします。

〇道の駅樹海ロード日高(北海道日高町)

北海道内で最後の車中泊場所です。急速充電器も備えています。小規模なショッピングモールのような構成で、理容室もあります。施設前の幹線道路は長距離トラックの通行が多いので、駐車場所を慎重に選びます。

うれしいのは、敷地内にセイコーマートがあること。午後11時までの営業です。この通称セイコマは、茨城県内にも数軒ありますが、基本的に北海道全域に展開しているご当地コンビニチェーンで、熱々の自家製軽食を提供する「ホットシェフ」や独自ルートの輸入ワインなど、個性豊かな商品展開で知られています。昨年の北海道地震の際、他のコンビニが軒並み休業する中、セイコマは災害マニュアルに基づき車のバッテリーから電源を確保するなどして95%が営業し、飲料水をはじめ「ホットシェフ」の自炊機能によって食品を提供するなど、緊急インフラの一翼を担ったそうです。地域住民のことを一番に考えた統合本部の姿勢と、それに賛同して活動したフランチャイズ・オーナーの皆様には、本当に敬意を表します。というわけで、僕の北海道でのコンビニ利用はほぼセイコマ一択となりました。

〇雲海(北海道日高町) ※第7日目

今日で北海道ともお別れです。早起きして苫小牧市を目指します。緩やかで信号のない下りの道を快調に走行していると、眼前に雲海が広がっていました。ここでこの風景ですからね、トマム山頂からはものすごい絶景が堪能できることでしょう。

こんな風景を横に見ながら走っていると、道路のわきの森の中から、立派なエゾシカのお母さんがひょっこり車の前に出てきました。すぐに引っ込んでしまったのでカメラに収めることはできなかったのですが、改めて「北海道を走っているんだなあ」と感じました。

〇道の駅むかわ四季の館(北海道むかわ町)

太平洋沿いのむかわ町に出ました。この大規模な道の駅で充電休憩。時刻は午前7時前ですが、併設の日帰り温泉施設「むかわ温泉」で朝風呂が開設されているとのこと。しかも「HO」のクーポンで無料です。これはラッキー!

お湯は塩分濃度の高いにごり湯です。他の車中泊らしいお客さんも数名いました。朝風呂終了時刻まであと1時間弱。体と頭を洗って露天風呂にゆっくり浸かり、リフレッシュしました。

この後、支笏湖から洞爺湖を目指すルートを予定し、実際に支笏湖周辺まで行ったのですが、予想以上に登り勾配がきつく次の充電ポイントを前に電欠が確実となり、来たルートを戻ることになってしまいました。最後に手痛いマネジメントミスです。くやしい!

〇網元感動市場 かに御殿(北海道白老町)

幹線道路沿いの、インパクトがありすぎるレストラン&物産店。熊と鮭のサイズ感は怪獣レベルです。思わず立ち寄ってしまいました。

お店の中では中国人観光客の団体さんが、ハイテンションで買い物をしていました。1m近くもある鮭トバが1000円。僕の感覚では相当安いのですが、地元の感覚ではどうなんだろう。どのみち買っても食べきれないけど…。

〇ラッキーピエロ 森町赤井川店(北海道函館市)

今日は大きなコース選定ミスのため、大した見どころもなく函館まで来てしまいました。海では「けあらし」が発生し、函館の夜景も見られそうにありません。夕食は函館B級グルメの筆頭、個性的なご当地バーガーで有名なここで頂きます。外観からかなりアバンギャルドです。

店内は昔のアメリカンダイナー風で、BGMはオールディーズ。オーダーカウンターには地元の人たちで行列ができており、人気のほどがうかがえます。メニューはハンバーガーが主体だと思っていたのですが、カレーライス・オムライス・焼きそば・かつ丼・ラーメン・餃子などカオス状態。ただ、自家製ということにかなりこだわっている様子です。

僕は無難に、バーガー・サイドメニュー・ドリンクの一番人気を組み合わせた「ダントツ人気ナンバーワンセット(680円)」をオーダー。有名なチャイニーズチキンバーガー・ラキポテ・自家製ウーロン茶のセットです。

チャイニーズチキンバーガーは甘辛い味付けの中華風チキン南蛮をバンズに挟んだものですが、オリジナルのマヨネーズソースとレタスによって、バンズに驚くほど合います。写真では伝わりづらいのですが、ボリュームも凄い。コスパは某有名ハンバーガーチェーンを凌駕しています。ラキポテはフライドポテトにミートソースとチーズをかけた、北海道らしい濃い味メニューですが、これはこれでありだと思います。自家製ウーロン茶は、たとえセットドリンクであっても出来合いのものは提供したくないという、店側のプライドが表れていますね。

〇青函フェリー函館ターミナル(北海道函館市)

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残念な最終日になってしまいましたが、ここからフェリーに乗って北海道を後にします。帰路も船は同じ「あさかぜ21」。4時間弱で青森港到着なので、深夜0時近くになりますね。仮眠をとっている間に着くでしょう。

〇道の駅なみおかアップルヒル(青森県青森市)

青森港から車で30分のここで、この旅最後の車中泊です。急速充電器もあります。トラックが少ない分、一般の車中泊車が多数。駐車場からトイレまでの動線は比較的明るく、安心感があります。さすがに疲れているので、途中のコンビニで買ったビールを飲み干し、おやすみなさい。

道の駅いかりがせき(青森県平川市) ※第8日目

さあ、今日中に自宅に帰るぞ。往路とはコースを変え、秋田県まわりで帰路に着きます。途中のここで充電休憩。この道の駅は、日帰り温泉施設を備えており、車中泊者に人気があるとのことです。

ただ、トイレは深夜利用専用のところがあり、他は営業時間外は施錠されてしまうみたい。あまりきれいではなかったかな。

〇ホットハウスカムロ(山形県金山町)

休憩は充電時のみという長距離ドライブが続き、さすがに身体が悲鳴を上げ始めました。森の中の瀟洒なホテル、シェーネスハイム金山にあるここで入浴休憩。温泉博士手形で無料ですが、料金は300円と手ごろです。実はここがいろいろな意味で凄かった…。

内湯とサウナみ。露天風呂はありませんが、開放的な大きな窓からは、手つかずの森が一望できます。浴場は木をふんだんに使った贅沢な造りです。サウナに数回入り、ボケた頭をすっきりさせます。

ホテルの外観。ヨーロッパのリゾートホテルを思わせるシックなデザインは、周りの自然に調和しています。温泉棟が別棟というのもポイントが高い。ホテルのパブリックスペースの雰囲気を壊さずに済みますね。

ロビーやレストランも、木のぬくもりを生かした落ち着いた雰囲気です。日帰り入浴(しかも無料)の僕に対しても、フロントスタッフの対応は完璧でした。

ホテルのすぐ裏手には、プライベートゲレンデ「グリーンバレー神室スキー場」があります。1リフト4コースしかなく、斜度も緩めですが、全コースナイター設備があります。ホテルの客室・レストラン・温泉から眺めるナイターゲレンデはさぞ美しいことでしょう。

おしゃれなレストランもその構造上から、スキーブーツのままウォークインが可能だと思われます。素晴らしい!

冬季はスキーやスノボだけでなく、クロスカントリースキーやネイチャーゲームのプログラムもあるとのこと。いやあ、驚きました。全くノーマークだったこの場所に、こんな大人のウインターリゾートがあるなんて。あとで調べてみると、このクオリティにしては料金もかなりリーズナブルです。幹線道路から結構奥まった立地も、非日常感がアガります。うーん、でも1人で泊まってもな…。嫁さんはもうスキーやめちゃったしな…。スキーかスノボをやる愛人でもできたら、ぜひ滞在してみたいホテルです(一応言っときますけど冗談ですからね)。

☆9th TRIPのまとめ☆

①北海道内の一般道路を走り回って気が付いたのは、舗装の補修による道路の「荒れ」です。住んでいる人口に比べて道路が極端に長いので仕方がないのですが、破損した箇所のみを補修するパッチワーク型のため、ピッチング・ローリング共に本州の道路よりも強い傾向があります。運転者は特に問題はないのですが、車酔いしやすい同乗者の方は注意する必要があると思います。

②僕の旅のコンセプトの1つは、「ローコスト」です。今回も、EV・車中泊・温泉無料クーポン・B級グルメなどにより、旅行費用は普通の旅行者の方が驚くくらい安上がりなものでした。「こんなケチケチした貧乏旅行の何が楽しいの?」と思われる方もいるかもしれませんが、結論から言うと僕は楽しくて楽しくて仕方がありません。今の日本では、対価さえ払えば、食べたいもの・見たいもの・やりたいことのほとんどを満たすことができます。「満足度はお金で買える」わけです。でも、それでは味気ない。ネット上にあふれる情報を全部は鵜呑みにせず、それでいて有用な情報のみを選別し、有効に活用することができれば、同じ満足度をコストを抑えたまま享受することもできるわけです。もちろん、その作業には知恵と時間と手間がかかりますが、僕にとってはそれ自体が「宝探し」のような面白さにあふれた行為なのです。

③これを書いている現在は5月下旬、ニュースでは北海道帯広地方での異常高温(39.5度!)が話題になっています。いよいよ夏、僕の活動フィールドも海に移行します(これもローコストの趣味ですね)。次回の車中泊の旅は秋口、中国地方を予定しています。

8th trip 埼玉~静岡~愛知~滋賀~福井~岐阜~長野県 (4月上旬)

お久しぶりです。まだまだ寒い日が続いていますが、道の駅車中泊の旅を再開いたします。今回はいよいよ西日本に足を踏み入れます。走行距離もかなり長くなりそうなので、はじめに長旅のお供の音楽について書かせていただきます。

50年近く、多岐なジャンルの洋楽を聴き散らかしてきた僕ですが、ここにきて洋楽を聴くきっかけとなったビートルズに、一周回って回帰しています。昔揃えたアナログ盤は所在不明なので、オリジナルアルバムCDを全盤大人買い! 友達には「なぜ今さら」と言われていますが、そのきっかけは2つあります。

映画『Eight Days A Week

『アポロ13』『バックドラフト』のロン・ハワード監督が2016年に編集した、ビートルズのライブツアーのドキュメンタリー。今や伝説となった50年前のライブ映像が、4Kリマスターで鮮やかに蘇りました。以前は状態が悪いため観る気も起きなかったライブ映像を改めて鑑賞してみると、4人のカッコよさ、キュートさ、音楽性の高さ、そして何よりライブバンドとしてのポテンシャルの高さを再認識しました。特に、オープニングの「シー・ラブズ・ユー」の少年のような4人の姿と、エンディングのアップル社屋上ゲリラライブの「ドント・レット・ミー・ダウン」の老成されたような4人の姿は好対照です。デビューから解散までわずか7年半、この間にあまりにも多くのものを生み出し続けた人間はここまで変容するのか、ということがとても興味深く感じられました。

漫画『僕はビートルズ』

『ジパング』で、海自の最新鋭イージス艦を太平洋戦争下のミッドウェイ沖にタイムスリップさせたかわぐちかいじが、今度はビートルズのコピーバンド4人をビートルズデビュー前年の東京にタイムスリップさせるという暴挙(?)に出たのがこの作品です。メンバーがたまたま酒場で、自分のオリジナルと称して「イエスタデイ」を歌ったところ、その楽曲の素晴らしさが波紋を広げ、彼らは「抱きしめたい/アンド・アイ・ラブ・ハー」でメジャーデビューしてしまいます。当然、国内外の音楽界で一大センセーションを巻き起こし、ブライアン・エプスタインがマネジメントを申し出てきたり、たまたま曲を聴いてしまったジョン・レノン本人が大ショックを受け(そりゃそうだよ)、デビュー前の本家ビートルズが解散の危機に陥ったりするなど、何でもありの展開に。しかし、かわぐちかいじの老練な画力と構成力で、全編ビートルズ愛とウンチクに満ちた読み応えのある作品に仕上がっています。物語の結末については賛否があると思いますが…。

というわけで、脳内でマージー・ビートを鳴り響かせながら、今回の旅をスタートします。

〇道の駅 思川 (栃木県小山市) ※第1日目

今回の旅最初の立ち寄り地。充電休憩です。平日ですが、駐車場は満車状態。

急速充電器は500円の課金が必要でした。栃木県の道の駅はこのパターンが多いようです。EVオーナーから敬遠されないといいけど…。

館内はかなり広く、品ぞろえも充実しています。

小ぎれいな併設レストラン。価格設定はかなり高めです。餃子定食(5個)が850円にはびっくり!

〇埼玉・山梨県境付近

今日は4月1日、新年度初日で新元号発表の日ですが、ここ県境は真冬の天気です。埼玉県ですよ。外気温0度、路面は着雪はないものの凍結寸前、細いノーマルタイヤの重量級ミニバンでの走行は自殺行為ですが、バッテリー残量の関係もあり強行しました。なんとか雁坂トンネルを抜けて山梨県にたどり着いたときは、緊張でのどがカラカラに乾いていました。

〇まほらの湯 ( 山梨県富士川町 )

以前にもお世話になったここで入浴休憩。寒いのに変な汗をかいたので、ここでさっぱりします。着いたのは午後6時過ぎ。温泉博士で無料です。

新年度初日というのに、たくさんのお客さんで賑わっていました。露天風呂にゆっくりと浸かり、サウナで数回汗を流すと、運転の疲れから睡魔が襲ってきました。夕食は適当に済ませて、今日は早めに就寝することにしました。

〇道の駅 富士川 (山梨県富士川町)

本日の車中泊場所です。着いた時には真っ暗。急速充電器で充電を回復させた後、就寝準備をします。外気温はなんと0度! そこで秘密兵器の出番です。

セラミックヒーターです。1200Wで稼働させると、5分程度で車内はポカポカ。火災の心配もほとんどなく、密室でも換気なしでの連続使用が可能です。急速充電器のある道の駅であれば、真冬の宿泊も大丈夫。一晩の使用電力は2~3セグ程度です。それでは、おやすみなさい。

〇桜並木 (静岡県) ※第2日目

静岡県に入ると、桜並木が目に付くようになりました。やはり温暖な気候なんですね。仕事をしているときは、年度初めの忙しさで桜を愛でる気持ちにもならなかったなあ。つい車を止めてしまいました。

〇 ラグーナテンボス(愛知県蒲郡市)

愛知県の海沿いに出ると、急に巨大なリゾートテーマパーク的エリアに入りました。どことなく舞浜や八景島のような雰囲気があります。大ショッピングモールと観覧車は夜景やイルミネーションが素晴らしそう。しかし、平日のせいか人影はまばらです。採算はとれてるのかな…。

その他、会員制の高級そうなヨットハーバーや…。

最近話題の『変なホテル』。さすがにロビーまで入って撮影する勇気はなかった…。

外観からは内容がよくわからないアトラクション施設。『クレヨンしんちゃん』関連か?

燃料電池車用の水素ステーションまである! 実物は初めて見ました。でも閉鎖中…。インフラとして普及するにはまだまだかかりそうですね。

〇三谷温泉ひがきホテル(愛知県蒲郡市)

ラグーナテンボスのほど近くにある、豪華で凝った造りの高級温泉ホテルで入浴休憩です。日帰り入浴1500円が、温泉博士で500円になりました。

日帰り入浴は露天風呂のみ。ちょっとしたプール並みの豪華な岩風呂で、太平洋の景観が素晴らしい。お湯については完全に循環ろ過のようです。ただ、平日とはいえお客は僕一人。チェックイン時間はもうすぐなのに、駐車場には僕の車だけ。これだけの大規模な施設を維持するランニングコストは相当なはずです。 ホテルとしての素養は十分なのに…。

ここの周りにもたくさんの大規模ホテルが林立していますが、心なしかどこも若干寂れた印象はぬぐえません。

さて、滋賀・福井県に向かうためには、岐阜県を経由していくことになります。ロングドライブになりますので、本日の車中泊場所は岐阜県内になりますね。どこか適当な道の駅をスマホで検索していると、位置的にも話題的にも「ここしかない!」という場所が見つかりました。

〇道の駅 平成(岐阜県関市)

昨日の4月1日、新元号の「令和」が発表されました。その翌日にここで車中泊できるのも巡りあわせでしょうね。

昨日まではおそらく相当な混雑ぶりだったのでしょうが、本日は閑散としています。大きな「ありがとう!平成時代」の看板の下には、

こじんまりとした「新元号 令和」の張り紙がありました。

実際に使用されている水車の横に急速充電器。これがあるとEVは安心して車中泊ができます。今夜も寒くなるようなので、セラミックヒーターを稼働させて、おやすみなさい。

〇彦根城(滋賀県彦根市) ※第3日目 

3日目、いよいよ滋賀県到達で西日本入りです。とりあえず琵琶湖を目指しますが、ここにきて今回は全く観光というものをしていないことに気づきました。よし、今日はベタな観光地をめぐるぞ、ということで琵琶湖のほとりのここをまず見学することにしました。

ゆるキャラ・ひこにゃんで有名な国宝・彦根城です。イメージよりも小さい印象でしたが、天守閣の美しさは、正しい日本の城という感じですね。

城壁の周りには、桜の木が効果的に配置されています。このところの冷え込みで開花まで至っていないのが残念。

なんと城壁内に県立高校があります。野球部の子たちがお城の周りをランニングしている姿には、ほっこりさせられました。また、地元ボランティアさんの日常的な清掃活動のおかげで、チリ一つ落ちていません。ただ、城壁内に「ひこにゃん音頭」がエンドレスリピートで流れているのはどうでしょうね…。

城門前の通りのお店たちは、コンセプトを統一してデザインされているようです。外国人観光客に喜ばれそうですね。

〇道の駅 越前(福井県越前町)

一気に福井県に入りました。ここで充電休憩です。ここの名物は名前の通り当然越前ガニ(松葉ガニ・ズワイガニ)です。しかし高いね…。

「越前ガニミュージアム」なるものまで併設されています。玄関では巨大なタカアシガニ、いや失礼、越前ガニがお出迎え。しかし入場料500円で入る人っているのかな…。

〇 越前・河野しおかぜライン (福井県敦賀市)

駿河湾を沿うように続く海岸道路。無料化されたそうですが、行きかう車はほとんどありません。海岸の景色を堪能しながらゆっくりドライブです。目に入るものは自然の絶景と時折現れる昔からの漁村のみ。近代的な風景は全くありません。ちょうどビートルズの1STアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』をかけていたのですが、そのモノラル音源のマージービートと風景がマッチし、大袈裟ですが涙が出るほどテンションが上がりました。

〇 東尋坊 (福井県三国町)

ベタ中のベタな観光地ですが、一度は来てみたかった場所です。実物ははっきり言って、大迫力です。意外に観光客が少なかったのも、逆に好感が持てました。 特に規制線などもないようですので、当然、崖の突端まで行こうとする人もちらほら。僕は行きませんでした。こう見えて高所恐怖症ですので…。

〇ふくい健康の森温泉(福井県福井市)

ここで本日の入浴。温泉博士で無料です。大きな運動公園の中にある公共の立派なスパハウスです。

露天風呂・内湯・サウナともに豪華な造り。これで正規料金500円ですからね。やはり原発補助金関係かな?

〇道の駅 一乗谷あさくら水の駅(福井県福井市)

本日の車中泊場所です。福井市内のはずれの農村地区にある静かな道の駅。快眠できそうです。

大きなバーベキューサイト。他にも多目的に利用できるみたいです。

立派な三連水車。さすがは「水の駅」と名乗っているだけあります。

道の駅前の水路を流れる水の量が半端じゃない。水の豊かな土地は何かほっとしますね。

本日の夕食は、途中のお店で買ったハタハタの焼き魚ときのこの炊き込みご飯。車内での食事はにおいがつきそうなのであまりしないのですが、これはあまりに美味しそうだったので迷わず購入。ハタハタの量がすごいのに、ご飯と合わせても500円ちょっと。さすが日本海沿岸ですね。ビールにベストマッチでした。

ビールを飲み干すと、急に疲れと睡魔が襲ってきました。おやすみなさい…。

〇九頭竜川沿いドライブ(福井県大野市周辺) ※第4日目

4日目となりましたが、疲れはまださほどでもないです。これから岐阜県経由で長野県を目指し、九頭竜川沿いをドライブします。他の渓谷との大きな違いは、その水量の多さと流れのゆっくりなところ。渓流とは細い急流というイメージですが、九頭竜川にはそれが当てはまりません。新鮮ですね。

・・・これは九頭龍閃 (Ⓒるろうに剣心)

道沿いにあった湧水地。川の水が豊富なのもうなずけますね。

〇道の駅 九頭竜(福井県大野市)

「恐竜街道」の看板が目立つここで充電休憩です。この道の駅の特徴は、

ローカル線の駅「九頭竜湖」が隣接しているところ。この地域の中心地といったところでしょうね。

飛騨高山に入ったところで、ランチタイムです。この辺りで食事となると、そばか飛騨牛の握りかなあ。しかし、季節外れの寒さのせいで体は冷え切っています。高山ラーメンでも、とスマホでお店を検索していると、良さげなお店がヒットしました。

〇食堂 国八(岐阜県高山市)

食堂というには料亭風の立派な店構えの「国八」さんです。午前11時半の段階で、広い店内は満席。でも待っているのは、僕の前に1組だけ。これは期待できそうです。高山ラーメンもメニューにありますが、満席のお客さんほぼ全員が注文しているこのメニューを選びました。

「焼き豆腐定食」(700円)と「ホルモン焼き」(450円)。どちらも鉄板の上でジュウジュウいっている状態で提供されます。厚さ約1cmの焼き豆腐は、豆腐ステーキと言った方がいいかな。柔らかすぎず固すぎず、ごま油の香ばしさが食欲をそそります。素晴らしいのはホルモン焼き。飛騨牛ホルモンの様々な部位の切れ端を集めて、甘辛いタレをからめて焼き上げてあります。悪い言い方をすれば廃物利用ですが、素材の良さに変わりはありません。何せたったの450円。これが白いご飯に素晴らしく合う! いやー、大当たりのお店でした。

〇野麦街道ドライブ(長野県松本市周辺)

岐阜県高山市から長野県松本市まで、日本の屋根を越える野麦街道ドライブです。

高原の絶景が続きますが、何せアップダウンが激しく、バッテリーの減りが半端ないです。カーナビで検索すると、充電ポイントも限られています。電費マネジメントに十分留意しないと、えらいことになりそうな予感が…。

数少ない充電ポイントの一つ、広大な市営駐車場にたどり着きましたが、オフシーズンで休業状態。充電器もクローズしていたら、電欠はまぬがれません。ドキドキしながら充電器の前まで行くと…。

よかった! 充電器の扉は締まっていましたが、カギはかかっておらず、機械も作動しました。これで松本市まで何とかたどり着けます。

〇松本城(長野県松本市)

個人的に、日本の城郭の中で最もスタイリッシュだと思っているのが、ここ国宝・松本城です。実物を見るのは初めて。遠くの山並みや周りの街並みにも溶け込んでいる感じで、しばらく見とれてしまいました。

別角度から。白漆喰と黒漆塗りのコントラストが本当に素晴らしい。写真では伝わり切れませんね。来てよかった。

お堀のすぐ前にある松本神社。一応お参りをしておきました。

お城から徒歩数分のところに、重要文化財の旧開智学校があります。明治9年に竣工した当時の小学校の校舎です。

日本で最も古い和洋折衷様式の建物だそうです。そういえば、長野は「教育県」と呼ばれていますよね。

〇美肌の湯 ロマネット(長野県岡谷市)

本日の入浴はここで。諏訪湖のほとりにある日帰り入浴施設です。温泉博士で入浴料が半額になりました。

今までにない洋風デザインのかなり大きな内湯。フィンランドサウナも広く、20人は入れそう。定期的にロウリュも行われるとのことです。

〇道の駅 ほっとぱ~く・浅科 (長野県佐久市)

この旅最後の車中泊場所です。佐久市内のはずれにあるこじんまりとした道の駅。トラックや車中泊車はとても少なく、穴場的な道の駅のようです。到着したのは午後9時過ぎ。就寝準備をしてベッドに横になって数分、何か車のすぐ前で赤い光が動いています。のぞいてみると、おっと、パトカーの赤色回転灯です。職質キター! 初めての経験なので、どんな受け答えをするかワクワクしながら待っていると、そのまま行ってしまいました…。このようにパトロールをしてくれているからこそ、我々は安心して車中泊の旅ができるわけですよね。感謝です。

〇帰路ドライブ(長野~群馬~栃木県) ※第5日目

5日目ともなると、さすがに旅の疲れがたまってきています。今日はこのまま観光をせずに自宅へゴールすることにしました。何度も走行しているコースなので、特に観るものもありませんしね。

〇道の駅みかも(栃木県栃木市)

栃木県に戻ってきました。栃木市唯一の道の駅のここで充電休憩です。平日ですが子供連れのお客さんでいっぱい。春休み期間中ですからね。

時間は限定されていますが、栃木県の道の駅では珍しく、課金なしで充電できます。施錠されているので、事務所での鍵の受け渡しがちょっと面倒です。さあ、自宅まであと1時間半、慎重なドライブを心掛けます。

☆8th tripのまとめ

①今回の旅で、愛知県内を初めて走行したのですが、三河ナンバー車のドライビングは噂通りでしたね。ある国道バイパスでのこと、2台の軽自動車が僕の前を結構なスピードで走っていたのですが、後ろの車が前の車に、軽くバトっている感じでビタ付け。「あおり運転か!」と一瞬思ったのですが、後ろの車のドライバーは上品な感じのおばさまだったので、そういうことではなさそう。他の車同士もそんな感じで、「愛知県内での車間距離は通常の二分の一」くらいに思った方がよさそうですね。その他、車線変更や合流もかなりアグレッシブですし、交差点では「黄色当然、赤勝負」的な…。おそらくドライバー個々の技術はかなり高いのでしょう。初めてハンドルを握ったときからこのような環境で揉まれていると、「運転における鋭い見切り」が培われていくのでしょうね。ちなみに、僕の車は愛知県内でビタ付けされたことは一度もありませんでした。走行している普通車のほとんどがトヨタ車なので、「他県ナンバーの日産車」はヘタクソだと思われていたのかも…。

②今回の旅も、勾配の激しいコースが多かったため、電費マネジメントに苦労しました。今まで電欠・レッカー移動に陥らなかったのは、単に運が良かっただけかもしれません。旅の疲れも、大部分が運転時のストレスによるものだったと思います。「だったらケチらずに、快適で効率の良い高速道路を使ったらいいのに…」と言われることもありますが、そうするつもりは更々ありません。高速道路を使っての移動は、ファン・トゥ・ドライブの対極に位置するものと僕は思っているからです(タイムトライアル志向の走り屋さんは別にして)。スタート地点、ゴール地点だけでなく、休息のための停車地点も決められていて、走行中は加速だけでなく減速までも制限される。車窓から見える景色は、その土地の大まかな風景と防音壁だけ。「ほんま何がおもろいねん!」と思わず関西弁で叫びたくなるほどです。きっと近い将来、高速道路を走行する車はAIによって完璧に管理されることになるでしょうね。「自由気ままに」が僕の旅の基本コンセプトですので、走りたいときに走り、停まりたいところで停まり、時には不便を楽しむくらいの気持ちで旅を続けていきたいと思います。

③次回は青森県・北海道! 時期はGW10連休後の5月中旬~6月上旬を予定しています。一週間から10日はかかるだろうなあ。

7th trip 福島~群馬~新潟~富山~石川~長野県 (11月上旬)

今回は、雪の便りがある前に古都金沢を目指す北陸ドライブの旅です。今までで最も長い走行距離になり、また、今までで最も多い道の駅経由の旅になりました。それでは、福島県からスタートです。

〇道の駅たじま(福島県南会津町) ※第1日目

最初に充電に立ち寄った道の駅。平日ですが紅葉時期のため観光客多め。

施設も充実していますが、目を引いたのは屋外テントに並べられた地元野菜。どれも大きくて安い!

〇道の駅きらら289(福島県南会津町)

30分ほど走ってまた充電。今回のルートは峠だらけで、EVには過酷なものになりそうなので、とにかく設備のある場所では充電を心掛けようと思います。前回の富士山周辺では肝を冷やしましたからね。

館内には温泉施設を備えています。休憩ついでにひとっ風呂もいいですね。

〇季の里湯ら里(福島県只見町)

ここで入浴休憩。公共の温泉宿泊施設です。ただ、設備は高級ホテル並み。

清潔感あふれる広々したパブリックスペース。ほのかに木の香りが漂っています。レストランも隣接しており、同様のインテリアデザインです。

施設の前には手入れの行き届いた広い芝生が。サッカーグラウンドやゲートボール場ではなく、ただの芝生です。贅沢ですね。何に使うんだろ…。

急速充電器がエントランス前にありました。入浴中に充電ができるのはありがたい! 他にもスキー客専用のエントランスやロッカールームまで備えており、スキー場に直結したプリンス系ホテルのようです。需要あるのかな…。

お風呂も内湯・露天・サウナを備えており、日帰り入浴は700円。この設備の充実度からはお値打ちだと思います。

〇田子倉ダム(福島県只見町)

只見町にある田子倉ダムです。今の時期の絶景を目当てに、たくさんの観光客が訪れていました。

ダム湖にはレストハウスから遊覧船まで発着しています。

標高が高く、紅葉真っ盛り。まさに絶景です。

〇道の駅いりひろせ(新潟県魚沼市)

新潟県に入りました。ここで充電休憩。山間のアットホームな道の駅です。地元密着型ですね。

スノーシェルター型の充電器です。さすがは豪雪地帯。

裏手には沼があります。夏場はキャンプやバーベキューなどにも良さそう。

山小屋風のレストラン。そばが推しメニューのようです。

〇道の駅うみてらす名立(新潟県上越市)

本日の車中泊場所です。大規模な観光基地型の道の駅です。まだ新しく、設備の充実度が素晴らしい。午後8時までやっている立ち寄り湯もあります。

海浜公園が併設されています。今日の日本海は穏やかです。

〇道の駅マリンドリーム能生(新潟県糸魚川市) ※第2日目

翌朝、30分程西に進むと、また大規模な新しい道の駅が。自治体の資金が潤沢なんですね。コンビニも併設されています。

観光魚市場並みの物産店アーケードが併設されています。この辺りはやはり松葉ガニ(ズワイガニ)が一推し。そういえば、カニ漁解禁は昨日だったようで…。

採れたての本ズワイガニがどのお店にも並んでいました。さすがにお高いので味見だけさせてもらうと、あ、甘い!今まで食べたことがないくらいの旨さです。これはご家族連れなどは買っちゃいますね。

道の駅内の24時間無料休憩所。レストランではありませんよ。厨房や薪ストーブまで備わっています。この辺りの道の駅には、このような無料休憩所が当たり前のように併設されています。トイレも個室が10以上、全てに温熱洗浄便座つきです。

それと、新潟・富山県内を走行していると、やたらと道路工事中・片側通行が多い。道の駅の豪華さもそうですが、公共事業に多額の資金が投入されていることがうかがえます。やはり「原子力ムラ」関連資金なのかな…。

道の駅のすぐ近くに、こんな絶景ポイントが。「弁天岩」というそうですが、雨模様のせいか観光客の姿はなし。

〇越中つるぎ温泉恋月(富山県上市町)

富山県に入りました。ここで入浴休憩。設備の行き届いた高級ホテルですが、温泉博士手形で無料です。

内湯・露天・サウナのどの設備も清潔感と高級感がありますが、それ以上に泉質が素晴らしい。ややぬめり感のあるお湯は、疲れた心と体を癒してくれます。サウナには入らず、露天風呂にゆっくりと浸かっていると、1時間以上も経過…。湯あたりする前に上がりました。

〇源 ますのすしミュージアム(富山県富山市)

温泉で疲れが取れると、お腹が減ってきました。僕はバッテラ(鯖の押寿司)と同率一位くらいにますのすしが大好き。本場のここのレストランで昼食にします。

駐車場に急速充電器が! 昼食中に充電ができます。ありがたやありがたや。

株式会社・源は、ますのすしの最大食品メーカーとして有名です。それにしても、入場無料のこんなミュージアムを造るなんて、もうかってるんですね…。立派なお神輿(?)です。

土産物屋も充実。平日でもたくさんの観光客です。見て回っていると空腹に耐えられなくなってきました。広大なレストランで昼食です。観光バスの大型ツアー御用達のレストランぽいので、あまり期待はしてなかったのですが…。

秋御膳(1000円)を注文。これがすごかった。飛騨牛の切り身をはじめスペックを説明できないくらい凝ったお料理が懐石風に並びます。作り置きなのですが、どれもきちんと仕事がしてあります。ますのすし3ピースとうどんまで食べるとお腹いっぱい。味付けも甘めで薄口の出汁が効いています。この辺も京都の文化圏なんですね。コスパ最高! (写真は色がとんでしまい残念。本当はもっと美味しそうなんですよ。)

〇金沢城公園(石川県金沢市)

やっと金沢市に到着しました。兼六園有料駐車場らに車を入れ、市内見学開始です。まずは金沢城へ。

リニューアル工事が終わったばかりなんでしょうね、外観はとても美しい。でも、長年のエイジングによる「時代の重み」や「本物感」みたいなものがあまり感じられなかったのは残念です。

〇兼六園(石川県金沢市)

日本三大庭園の1つだけあって、外国人観光客の数が尋常じゃない。江戸時代に造られた日本の風景のテーマパークといった趣です。冬に備えて「雪吊り」の施された木々は、イルミネーションでもつけると面白いかも。

秋ならではの光景です。紅葉が池の水に映えますね。

僕が一番気に入った場所がここ。木の生命力や神々しさが感じられました。

さあて、帰路につくとしましょう。それにしても遠くまで来たものです。高速道路は使うつもりがないので、家にたどり着くまでどのくらいかかるんだろう。

〇道の駅カモンパーク新湊(富山県射水市)

この道の駅にたどり着いた時、午後4時前だというのに大雨で外は真っ暗。疲れもかなり溜まっていたので、ここで車中泊することにしました。白エビのかき揚げ丼が有名とのことでしたが、レストランのメニューにはない! もう運転したくないので、備蓄のカップラーメンでいいや…。

ここにも24時間無料休憩所がありました。NHK地上波テレビが流れていたので、ニュースを見ようと思ったのですが、疲れててダメ。車のベッドでタブレットの映画を観ながらビールを飲んでいると、そのまま気を失うように眠りに落ちました。

〇天然温泉海王(富山県射水市) ※第3日目

早めに就寝したせいで、午前5時ごろに目が覚めました。外はまだ雨。スマホで周りの施設を検索していると、朝5時からやっている日帰り温泉がすぐ近くにあるじゃないですか。朝飯前にここで朝風呂です。

朝6時に入館。ガラガラかと思ったら、やたらと混んでいました。夜勤明けの皆さんかな、ご苦労様でした。オーナーは「源泉かけ流し」にこだわっているようで、泉質はなかなかのものです。露天風呂に浸かり、サウナに3回ほど入ると、眠気も吹っ飛びました。これで朝風呂料金500円はお値打ちだと思います。

朝食後、日本海沿岸をドライブします。昨夜の雨も上がり、絶好のドライブ日和になりました。

コバルトブルーの海の色。透明度も高く、ダイビングなどに適していると思います。サーフィンにはイマイチ。

〇道の駅あらい(新潟県妙高市)

充電のために立ち寄ったのですが、今までで最も規模の大きな道の駅で圧倒されました。上の建物が本体の道の駅ですが…。

回転寿司の店舗や、

ラーメンチェーンの店舗や、

牛丼チェーン、焼き肉レストラン、コンビニ、ビジネスホテルまで併設されています。まるで滞在型アミューズメントパークのよう。

海産物店にお惣菜が並んでいました。小腹が空いたので、ホタテのクリームコロッケ(300円)を購入。ちゃんとホタテが入っていました。揚げたてでなかったのが残念。

〇須坂市街(長野県須坂市)

ここ須坂市には、明治から昭和にかけて建てられた白壁の街並みがそのまま残っています。僕はこのような生活に根差した「本物感」に強く惹かれます。

豪商の蔵といった感じ。当然今も使われているようです。

住宅兼事務所といったところでしょうか。内部はさすがに見せてもらえないでしょうね。

こちらは住宅兼店舗。もちろん営業中です。

〇ホテルグリーンプラザ軽井沢(群馬県嬬恋村)

秋の日はつるべ落とし、午後5時前だというのにもう真っ暗です。峠道ドライブにも疲れたので、ここで入浴休憩。おっさんが1人で立ち寄るにはふさわしくない施設ですが、温泉博士手形で230円で入浴ができます。

平日ということもあり、大規模ホテルにしては浴場は閑散としていました。いつものように露天風呂にゆっくりと浸かり、サウナに入ると、温度が低い。髪と体を洗い、40分程度で出ました。

〇道の駅八ッ場ふるさと館(群馬県長野原町)

本日の宿泊場所です。民主党政権時代に工事中止が決定され、その後の政権交代により工事再開となった八ッ場ダムそばの道の駅です。ダムは2020年完成予定だそうで、現在も工事車両が多く通行していますが、この道の駅の駐車場は閑散として静かです。よく眠れそう。

翌朝起きると、周りには絶景が広がっていました。(着いたときは真っ暗なので気が付かなかった)

絶景を望みながら足湯にも入れます。さあ、朝食後、最終日のスタートです。

〇道の駅中山盆地(群馬県高山村) ※第4日目

出来たばかりのこの道の駅で充電休憩。どこかの国のオペラハウスのような凝った外観ですね。館内には日帰り温泉もあるそうです。

アスレチック施設やバーベキューサイトも併設されています。

〇吹割の滝(群馬県沼田市)

沼田市から日光市への峠道を走っていると、ほどなくこの観光名所にたどり着きます。「東洋のナイアガラ」と呼ばれるここは、紅葉シーズンが一番の人気ですが、平日の午前9時とあって観光客もまばら。

駐車場から10分程急坂を歩いて下ると、この絶景が広がります。

奇岩が連なる渓谷美も素晴らしい。真ん中下部の岩は、人が大泣きしているようにも見えますね。

〇道の駅尾瀬かたしな(群馬県片品村)

片品村役場に隣接するここで充電休憩。今回は本当に峠道ばかりの旅で、バッテリーの電気が面白いように減ります。日光市内は充電スポットがほとんどないことが分かっているので、ここでほぼ満充電にします。

きれいなレストランでは、地元の食材を使ったロハスなお料理が食べられます。

産直場。高原野菜がどれも大きくて安い。片手で持つのがやっとの高原大根(80円!)を購入しました。

「尾瀬の名水」の給水所もあります。注意書きには「飲用は自己責任で」。今は何かとうるさいですからね…。

さて、榛名山から日光市までの峠道を走り続けていると、なんとなく既視感が。なんでだろう…。そうだ、あのマンガの舞台だ!

〇弱虫ペダル(秋田書店刊)

僕の地元栃木県は、サイクルスポーツの盛んな県として有名で、『宇都宮ブリッツェン』『那須ブラーゼン』というプロチームが2つもあります。その『宇都宮ブリッツェン』のスポンサーの1つが、現在週刊少年チャンピオン連載中のこのマンガです。秋葉原まで片道40kmを週1で自転車で往復するアニオタ高校生の主人公・小野田坂道が、ひょんなことから自転車競技部に入部し、ロードレースを重ねることで自分の才能を開花させていく物語です。現在の連載は「インターハイ栃木県大会」の真っ最中で、そのコースが宇都宮~日光~榛名山という、まさに今僕が走っているコースです。このマンガは、テレビアニメ・劇場用アニメ・舞台ミュージカル・実写ドラマとメディアミックス的に人気が拡大しています。「いい年して少年マンガかよ」と思われるかもしれませんが、これがなかなか面白い、そして懐かしい。『スラムダンク』あたりからの「正しい少年チームスポーツマンガ」の要素が豊富に、そして緻密に盛り込まれています。また、たくさんの登場人物一人一人の魅力的なキャラクター設定により、読者の感情移入を容易にしています。特にライバル御堂筋翔の、コミック史に残るダークヒーローぶりは白眉です。

〇浅井精肉店(栃木県日光市)

中禅寺湖畔までたどり着きました。ENV200のバッテリー残量は約30%ですが、いろは坂下りの回生ブレーキで回復可能です。僕もお腹が減ってきたので、以前「行列2時間待ち」で断念したこのお店の前まで来ると、11時過ぎでなんと2人待ち。もちろん入店します。

評判の「ソースカツ丼」を注文。運ばれてきたのが大迫力のこれ! 巨大なソースがけヒレカツが5枚もご飯に乗っています。写真は食べづらいので小皿に2枚を移したものです。肉質・揚げ方ともに最高なのですが、何せ量がすさまじい。ゲップを我慢しながらなんとか完食、大満足です。小食の方は絶対に食べきれないのでご注意を。隣の中国人カップルは、女性が男性にヒレカツ3枚も食べてもらっていました。これで税込み900円は素晴らしい!

☆7th tripのまとめ

いやー金沢は遠かった。今回で東日本はほぼ制覇したことになるので、次は北海道or西日本か…。どちらにしても1~2週間がかりの旅になるでしょう。そうなると、今までのような「目的を決めない気ままなぶらり旅」というわけにもいかなくなりそうです。他の方の「日本一周車中泊の旅ブログ」の内容をチェックして、最低限の計画を立てようかなと考えています。

さて、暖冬傾向ですがもうすぐスキーシーズン到来となります。この旅も春まで休止期間に入ります。その間は、スキー場&地元温泉のレポートをお送りする予定です。こちらもぜひ見てやってください。

6th trip 山梨~静岡~神奈川~東京~埼玉県 (10月下旬)

道の駅車中泊の旅を再開します。今回は、僕が生まれてこの方行ったことのない富士山周辺を巡ります。もともと観光旅行には興味がありませんでしたし、何より栃木県からは車では遠いんですよ。時間に余裕ができた今が最後のチャンスかと。

〇道の駅めぬま(埼玉県熊谷市) ※第1日目

10月も終わりだというのに、さすがは熊谷市、暑い! お昼の外気温は25度の夏日です。車中は半そででちょうどいいくらい。まずここで充電休憩です。

変わったタイプの急速充電器です。充電時間はやや遅めでした。

裏手にはバラ園が併設されていて、バラの香りが周りにただよっていました。

地元野菜の直売コーナー。埼玉県北部は野菜が安いですね。

 

〇御代の湯 新木鉱泉旅館(埼玉県秩父市)

ここで入浴休憩。隠れ湯的な雰囲気の高級旅館です。日帰り入浴は温泉博士手形で無料です。

待合室も和のレトロモダンな雰囲気。全館に木の香りが漂い、ヒーリング効果満点です。お風呂はこじんまりしていますが、木をふんだんに使った豪華な造りです。ドライサウナは、2.3人入れば一杯。まあ、お客は僕一人でしたから、ゆっくりさせてもらいました。

 

山梨県まで、秩父の渓谷沿いをドライブします。標高が高いため、紅葉が今まさに見頃です。あまりに見事なので、先を急がず、以前にもお世話になった「道の駅大滝温泉」で車中泊です。ここは相変わらず静かですね。おやすみなさい。

 

〇秩父市~甲府市ドライブ ※第2日目

朝起きると、ありえないほどの寒さ! 外気温はなんと0度、ENV200のディスプレイに「路面凍結注意」のアラートが出ています。今年一番の冷え込みになるとニュースでやっていましたが、まさかここまでとは…。羽毛布団を積み込んでおいて本当に良かった。紅葉が見事なわけです。それにしても、昨日の熊谷市が25度ですよ。体が丈夫でよかった…。

道の駅花かげの郷まきおか(山梨県山梨市)

山梨県に入りました。ここで充電休憩と朝食。車内でお湯をわかし、コーヒーとカロリーメイトで済ませます。

いつものタイプの急速充電器。日産ディーラーのものと比べて時間がかかるのが最近気になり始めました。まあ、タダなので文句は言えませんね。

こんな明治っぽい資料館が併設されています。早朝のため閉館中。

道の駅裏手の階段を上ると、アスレチックのある公園がありました。そして、ここからの景色が…。

山の向こうに冠雪した霊峰富士が! やっぱり美しい山ですね。偶然見つけたので、感動もひとしおです。

〇まほらの湯(山梨県富士川町)

この立ち寄り湯で朝風呂です。開館前から地元のお年寄りが数名待っていました。ここも温泉博士の手形で無料です。

お風呂は清潔感一杯です。ドライサウナも広々。眠気覚ましに1時間ほど水風呂と交互に入りました。

〇川口湖畔(山梨県富士河口湖町)

川口湖畔のレストハウスから望む富士山です。雲がかかっていて残念。それにしても外国人観光客の多いこと。国籍も様々で、日本人観光客よりも多い印象でした。インバウンド景気は継続中ですね。

さて、静岡県でうまい魚でも、と思って車を走らせていたら、妙に疲れがたまっていることに気づきました。急激な気温変化のせいかな? 体を気遣ってゆっくりすることに決めました。

〇オアシス御殿場(静岡県御殿場市)

昭和の香りが漂う健康ランドです。温泉ではありませんが、入館すると午前2時までゆっくり過ごせます。たまにはこんな場所でおっさんらしくダラダラするのもいいですよね。入館料1500円が、温泉博士で500円になりました。

お風呂のバリエーションはさすがに豊富です。露天風呂はぬるめになってたかな。サウナに数回入り、そのあとレストランで生ビール! やっぱり最高ですね。

館内設備はかなり充実しています。コミックコーナーで、気になっていた漫画「ドリフターズ」を読んでいると、睡魔が襲ってきました。リラクゼーションルームでゆっくりと仮眠。目覚めた後は、リクライニングチェアに備え付けてあるテレビを見てダラダラ。再度お風呂に入ると、ちょうど午前0時。あーすっきりした。

〇道の駅ふじおやま(静岡県小山町)

本日の車中泊場所です。時刻は午前1時を回っています(これは翌朝の写真ですよ)。足柄山が近いので金太郎推しですね。この時間でも駐車場は大型トラックで満杯。しかし騒音はそれほど気になりません。なるべくトラックから離れた場所に駐車して就寝準備です。防寒対策を万全にすると、とても快適に眠れそうです。僕は暑さよりも寒さの方が相性がいいのかも。バーボンの小瓶を2.3口あおると、すぐにぐっすり。

 

〇赤富士(静岡県小川町) ※第3日目

6時半に起床。快適に眠れました。外気温は2度ですが、さわやかな朝です。車外に出てみると、正面に富士山、それも朝日を浴びて「赤富士」になっていました。コンデジの手持ち撮影ですが、その美しさは伝わるかと思います。

カップラーメンの朝食後、急速充電をしようと思ったのですが、昨年から有料になってました。カード認証で無料充電が当たり前になっていた僕は、「500円かあ、いいや、違う場所で充電しよう」。思えば、この判断が後に大ピンチを招くことになろうとは…。

〇山中湖畔(山梨県山中湖村)

山中湖経由で神奈川県に抜けるコースを走ります。標高がどんどん上がり、ENV200のバッテリーの電気がどんどん減っていきます。山中湖到達時点で、パッテリー残量が20km分、次の充電ポイントまで21km、しかも上り坂がまだまだ続く模様。強行すれば電欠&レッカー移動確実という状況になってしまいました。選択肢はただ1つ、下り坂を戻って充電を回生させ、適当な充電ポイントを探してリトライしかありません。車をUターンさせるために細い道に迷い込んだら、思わぬ絶景に出会いました。

雲一つかかっていない富士山に、低温のために発生した山中湖水のもやがかかり、幻想的な風景を演出しています。これもコンデジの手持ちなので伝わりづらいですが、息をのむ美しさです。しかも、この地は周りに商業施設のほとんどない穴場のようです。けがの功名! いや、吉兆かな?

〇道の駅富士吉田(山梨県富士吉田市)

ヒヤヒヤもので坂道を下り、この充電ポイントにたどり着きました。給電アラートが鳴り続けています。ほっとして充電器前に乗り付けると…、なんとカード認証ナシ500円、「充電される方は事務所にて鍵をお受け取りください」、事務所が開くまであと約2時間!

うーん参った、2時間待ちか…。すぐ充電なら千円でも払うぞ! などと勝手なことを思いながら充電器のコネクタを無意識に引っ張ると、スポッ、抜けた! 鍵のかけ忘れのようです。車の給電口に差し込むと、カチッ、はまった! 充電スタートボタンを押すと、ウィーン、充電開始! 「いいのかな…、いいよね!」霊峰富士の御加護により(?)無事に満充電となりました。

〇山梨~神奈川ドライブ

電欠危機には懲りたので、こまめに充電しながらの神奈川県までのリトライドライブです。と、予定ルートのR413が落石のために全面通行止めとのこと。迂回コースとして、かなりハードな山道を通ることになりました。

ま、そのおかげで丹沢山地の紅葉を堪能することができましたけどね。

〇相模湖公園(神奈川県相模原市)

やれやれ、相模湖までたどり着きました。有料駐車場まで備えるこの公園は、休日には観光客で賑わうそうですが、ここに来るまでの絶景と比べると、うーん…。標高のせいで紅葉も見ごろまであと一歩ですね。

〇道の駅八王子滝山(東京都八王子市)

東京都に入りました。ここ道の駅八王子滝山は、10年前に開業した東京都内で唯一の道の駅です。急速充電器はありませんが、話のタネにのぞいてみようと立ち寄ろうとしたのですが、なんと駐車場に入る車の順番待ちの行列ができていました。平日の昼ですよ。特別なイベントをやっている様子もありません。行列嫌いの僕ですが、興味をそそられました。5分程の待ち時間で駐車場へ。僕が車を降りて見ると、行列の長さが倍以上に伸びています。なんだかなぁ…。

中の施設といえば、デフォルトの産直場や、

レストラン・フードコート等、オーソドックスな道の駅でした。東京都民にはこういう施設がめずらしいのかなあ。

〇米軍横田基地周辺(東京都福生市)

八王子市からほど近く、オスプレイ配備などでマスコミを賑わせている横田基地があります。在日米軍基地としてはかなり大型なので、駐屯している兵隊さんも当然多く、独特の街並みを形成しています。埼玉県川越市に通じる「本物感」があります。

中華料理店もこんな感じ。香港ぽい雑多な雰囲気がいいですね。

ピザ屋さん。イタリア系アメリカ人のコワモテのおっちゃんがオーナーしてそう。(個人の見解です)

古着屋さん。多分日本人向けですね。給料の良い米兵さんたちは、古着なんて着ないよね。(個人の見解です)

ステーキ屋さん。ちょっと大味だけど、ボリュームありそう。(個人の見解です)

ベトナム料理のお店。昔の米軍ハウスを改造した感じ。店の前のトゥクトゥクは飾りでしょ。(個人の見解です)

雑貨屋さん。これも間違いなく日本人観光客向けだよね。(個人の見解です)

中古家具屋さん。ここはとてもおしゃれ。ただ、ちょっとぼったくられそうな気が…。(個人の見解です)

〇靴の修理屋さん? ポップな外観と裏腹に、店名が「フィクサーズ」って…。

民家の庭先に停めてあった、ピカピカのド派手トライク。これ、絶対普段は乗ってないよね。(個人の見解です)

30分ほど散歩しただけですが、街中では、軍服をきちんと着た軍人さんのカップルがコンビニで買い物をしていたり、軍人さんの奥様が子供と散歩していたりという風景が、当たり前のように見られました。下手なテーマパークよりよっぽど楽しかった。

 

〇中華そば 青葉 狭山店(埼玉県狭山市)

今回の旅では、ここという食べ物屋さんに出会えなかったのが心残りでした。入ったお店といえば、某しゃぶしゃぶ食べ放題チェーン店(野菜がうまい!)や某釜揚げうどんチェーン店(巨大かきあげがうまい!)などで、レポートを上げるまでもない(失礼)と考えました。最後に、「新横浜ラーメン博物館にでも…」と思ったのですが、その気力もなく帰途につくことになりました。しかし、埼玉県に入ってこのお店の看板が目に留まりました。

ラーメン博物館にも長期出店していた東京都中野区の老舗の名店、「中華そば 青葉」の支店です。駐車場には少しの空きがあります。いざ!

他のお客さんのほとんどはつけ麺を注文していたのですが、ここはオーソドックスな「中華そば」を。うーん、昔と変わらない豚骨と煮干しの濃厚なダブルスープとシコシコの縮れ麵。昔はかなり個性的な印象でしたが、他のとんがったお店たちに比べると、今はなんか落ち着きます。スープまで飲み干し、ごちそうさま。

 

☆6th tripのまとめ

まさに、「富士は日本一の山」でした。ちゃんと実物を多角的に見ておくべきですね。あと、「福生ストラット(by 大瀧詠一)」はかなり魅力的で、もう一度時間をかけて見て回りたい街になりました。

次回は古都金沢を目指す「北陸編」になる予定です。では!

 

 

 

  

 

 

 

 

 

番外編 : 茨城SURF TRIP

お久しぶりです。3か月ぶりにブログを再開します。この3か月間は道の駅車中泊巡りを休止していました。理由は今年の酷暑のため。暑さ対策がまだ不十分の僕の愛車では、真夏の車中泊は命にかかわります。というわけで、この3か月間は茨城県に通い、趣味のサーフィンを楽しんでいました。この番外編では、茨城県の海のそばのレポートをお送りします。

〇大貫海岸(茨城県大洗町)

自宅から車で2時間のここが、僕のホームグラウンドです。1年を通じてコンスタントに波があり、風の影響も受けにくいので、茨城県でも有数の人気サーフスポットです。ローカル(地元)の人たちは僕のようなよそ者にも優しく、今までトラブルは一切ありません(ローカル以外の人間にはとても排他的なポイントも中にはあるそうです)。波質は厚めですが、僕のようなロングボード乗りにはちょうどいいですね。

サーフィンをしないご家族連れの方も、車で20分圏内には ①那珂湊おさかな市場 ②アクアワールド大洗 ③大洗シーサイドステーション(旧リゾートアウトレット)などがあり、年齢を問わず楽しめると思います。

            ①那珂湊おさかな市場

            ②アクアワールド大洗

            ③大洗シーサイドステーション

ここで注意! 大貫海岸はリップカレント(離岸流)が強いため、通年遊泳禁止です。海水浴を楽しみたい方は、すぐ隣の大洗サンビーチでどうぞ。

さて、2、3時間も海に入って波と格闘していると、お腹の減り具合も半端ないです。僕の空腹を満足させるたのもしいレストラン3軒を紹介します。

〇味ごよみ宮田(茨城県大洗町) ※ちょっと高級

海から徒歩で行ける和食系創作料理のお店。テラス席もありますが、ビーチサンダルや短パンではちょっと恥ずかしい高級感のある店内で、大きな生簀で泳ぐ魚たちを見ながら食事が楽しめます。凝ったアラカルトメニューは若干お値段高め。平日のランチセット1.500円で十分満足できます。秋から春にかけてはあんこう鍋もおすすめですよ。

〇お食事処いきいき(茨城県大洗町) ※リーズナブル

大貫海岸から車で10分程度、涸沼という大きな湖のほとりにあるランチタイムのみ営業のお店。地元の人でいつも賑わっています。看板メニューは、

大迫力のハゼの天丼! 目の前の湖でとれたハゼが3匹、レンコン×2、ししとう×2、カボチャ、ピーマン、オクラ、サツマイモ、シイタケ、ニンジンなど、タネがこれでもか!とてんこ盛り。他ににゅう麺、グリーンサラダ、サツマイモのポテトサラダ、お新香までついて850円、ご飯大盛・食後のコーヒー無料です。衣が薄くてタレもあっさり系ですが、女性は食べきれませんね(多分)。この「ハゼ丼」が日替わり定食だった場合は、650円で食べられちゃいます。

〇すえひろ食堂(茨城県水戸市) ※コスパ最強!

水戸市街地にあるこじんまりした定食屋さん。ランチタイムはビジネスマンや大学生で行列ができています。理由はなんと、500円で全メニュー食べ放題の「ワンコインバイキング」!

料理の種類は、鶏のから揚げ、サバやホッケの塩焼き、卵焼き、焼きそば、スパゲティサラダ、グリーンサラダ、カボチャの煮物、ニンニクの味噌漬け、ゴーヤの漬物、お新香など家庭料理系。品数はホテルバイキングのようにはいきませんが、全部おかみさんの手作りでしみじみと旨い。ご飯とみそ汁がやたらと進みます。驚愕のコスパですが、なんとディナータイムも同料金で営業しているとのこと。

 

海から上がった後は、コインシャワーを浴びてウエットスーツを着替えるわけですが、どうせならその後ゆっくりと温泉にでもつかりたいところです。特に春・秋の水温の低いときは。大貫海岸の近くには「月刊温泉博士」の無料温泉手形によく載っている施設が2つほどあり、タイミングが合えば利用させてもらっています。

〇いこいの村涸沼(茨城県大洗町)

「お食事処いきいき」のすぐ近くにある公共の宿泊施設です。内湯のみですが、お風呂のロケーションが素晴らしい。

大きなガラス窓からは、涸沼が一望できます。パウダールームのアメニティも充実しています。

〇ゆっくら健康館(茨城県大洗町)

大洗町の健康福祉センター。「味ごよみ宮田」のすぐ近くです。

サウナ・内湯・露天風呂があります。大洗町民割引があるとのことで、いつも混雑しています。

 

はじめに、「真夏の車中泊は命にかかわる」と書きましたが、6月・10月は十分快適に過ごせます。ただ、大洗周辺には適当な車中泊場所がありません。トイレのある海岸沿いの駐車場ではなんとか可能ですが、安全面・施設面からあまりお勧めできません。僕がこの夏利用したのは、サーフポイントからはちょっと遠い、次の2つです。

〇道の駅かつら(茨城県城里町)

大貫海岸から車で30分、古いドライブインをリノベーションした道の駅です。EV用急速充電器はありませんが、ここは僕のお気に入りの場所です。なぜなら…

道の駅の裏手には、このような素晴らしいロケーションが広がっています。ここではバーベキューも可能。平日もたくさんのキャンパーで賑わっています。歩いてすぐの場所にはコンビニもあります。最近はソロキャンプの方も多くなりましたね。皆さんマナーが良く、夜はとても静かです。

「バーベキューがしたいけど、準備が面倒で…」という方には、道の駅で道具一式レンタル・食材一式購入可能です。バーベキューサイトまで使わせてもらえます。

〇道の駅たまつくり(茨城県行方市)

大貫海岸から車で40分(ちょっと遠いね…)。霞ケ浦に面した、急速充電器もある道の駅です。以前紹介しましたね。

10月10日17:00、道の駅のテラスから撮影した、霞ケ浦に沈む夕日です。ビールを飲みながら眺めました。最高!

 

そろそろ道の駅巡り車中泊の旅を本格再開します。方面は北陸か、はたまた信越か、どちらにせよ長期間になりそうです。ではまた!

 

 

 

5th trip 群馬~新潟~福島県 (6月下旬) 

唐突ですが、僕はスキーが大好きです。現在でも1シーズン10回程度は滑りに行きますが、20代の頃、特にSAJ1級を取得する頃は30回程度、本当に1年中スキーのことを考えていた時期がありました。期せずして今回の旅は、若いころ体力に任せて足繁く通っていた様々なスキー場周辺を初夏の時期に巡る旅になりました。また、日本のリゾート開発についてちょっと考えさせられる旅にもなりました。それでは、日光を経由して群馬県からスタートです。

 

〇中禅寺湖畔市営駐車場(栃木県日光市) ※第1日目 

前にも書きましたが、栃木県はEVの充電スポット整備が他県に比べて遅れている気がします。驚いたのは、日光市の世界遺産周辺には充電スポットがほとんどない! いろは坂をへとへとになって登ってきた愛車が空腹の悲鳴を上げていても、10km周辺に急速充電器はここだけ。しかも駐車料金を支払っての充電となります(310円ですけどね)。地元を代表する観光地がこの有様ではねえ…。EVオーナーの皆様、日光に観光に来る際には、充電計画と準備を入念にすることをお勧めします。

 

充電している間、駐車場前の中禅寺湖畔を散策してみます。晴天にもかかわらず、平日のせいもあり閑散としています。と、湖畔道路沿いに不似合いな行列を発見!

 

〇浅井精肉店(栃木県日光市)

お肉屋さん直営のとんかつのお店ですね。10数名の行列ができていました。これは美味しいに決まってます。ちょうどお腹も減っていたので、行列嫌いの僕も並んでみることにしました。あれれ、15分経過してもぜんぜん列が進まないぞ。スマホでお店の評判を検索すると、「6席のみの小さな店」「丁寧な仕事ぶりで注文を受けてから時間をかけて調理する」等。こりゃあ2時間程度の待ちもあり得るぞ。というわけで、残念だけど早々にあきらめました。世界中のどんな美味でも、2時間の行列と等価にはならないですよね(あくまでも個人の意見ですよ)。

 

〇遊神館(群馬県みなかみ町)

日光から群馬県に入り、丸沼高原・尾瀬岩鞍という歴史のあるスキー場を横に見ながら進みます。この時期に来ると、原生林の深さに感動しますね。運転につかれたので、ここでお風呂休憩。温泉博士手形で無料です。

露天風呂・ジャグジー・サウナを備えた日帰り温泉施設。泉質は普通かな。地元のおじいちゃんが2名ほど入っていただけでした。

 

〇道の駅みなかみ水紀行館(群馬県みなかみ町)

本日の宿泊場所です。幹線道路沿いですが、さほど交通量も多くなく静かそう。隣にはスーパーもあります。

河畔公園に隣接しており、地元の人たちがのんびり過ごしていました。バーベキューサイトも併設されており、ファミリー向けですね。サイトでスーパーのお惣菜を広げ、ビールを飲みながらぼんやりと過ごしていると、睡魔が襲ってきました。それでは、おやすみなさい。

 

〇三国峠越え~苗場(新潟県湯沢町) ※第2日目

さあ、新潟県へ向かって三国峠越えです。がんばれENV200!

上越の山脈群を縫ってのドライブは、迫力がありますね。眠気も吹っ飛びます。

水を満々と湛えたダム湖もあります。水の豊かな土地は、心も豊かな気持ちにさせてくれます。

自然豊かなワインディングロードに、突如として都会的な建物群が現れます。バブル時代のスキーブームの象徴、苗場プリンスホテル群です。周りにも豪華なリゾートホテル・マンション・レストランなどが集まり、ここ周辺だけが異様に垢抜けた雰囲気です。現在では真夏のフジロックフェスティバルのほうが知名度が高いかな。

もっと異様なのは、これだけの近代的な施設が集中しているにもかかわらず、人の気配がほとんどないことです。道路にはたくさんの信号機が作動しているのですが、行きかう車も人もいません。巨大なゴーストタウンに迷い込んだ気分です。

スキーブームのころは、冬の集客だけで利益が上がっていたのでしょうが、若者のレジャー離れが顕著な現在はそうもいかないでしょう。心なしか白亜の建物たちが若干薄汚れた感じに見えます。「リゾート」という概念が定着する以前に、巨大な資本を注入した結果がこのいびつな風景なのかもしれませんね。夏に訪れてそのことを実感しました。ゲレンデは滑りごたえがあって素晴らしいんですけどね…。

 

〇道の駅みつまた(新潟県湯沢町)

岩原・ガーラ湯沢・越後湯沢などの有名スキー場を通過し、国道17号線を北上していくと、バッテリー残量があやしくなってきました。ここで充電休憩を、と思ったのですが…。

充電器にはカード認証システムがなく現金のみ。しかも時間制限あり。うーん、使えないねえ。

 

〇神湯とふれあいの里(新潟県魚沼市)

ここで本日の入浴。温泉手形で無料です。山間にある新しくて豪華な宿泊施設です。オープン時刻ジャストで入館したため、お客は僕だけ。この施設がすごかった。

ロビーは明るすぎず、静かで余裕のあるレイアウト。小さくオルゴールのBGMが流れています。

内湯の広さと清潔感には感動すら覚えました。ドライサウナも備えています。

露天風呂。泉質は加水・加温・消毒の三拍子で大したことはないのですが、とにかく設備が素晴らしい。

パウダールームも清潔感いっぱいです。

なんと、照明を落とした「お昼寝ルーム」まで備えています。施設の充実度は、今まで僕が立ち寄ったすべてのホテル・旅館・入浴施設の中でトップです。これで入館料700円は安すぎですよ。

 

〇新潟駅バスセンタービル・万代そば(新潟県新潟市)

JR新潟駅に隣接したバスターミナルビルにやってきました。別にバス旅行に切り替えるわけではありません。今や全国区となったB級グルメ・「万代そばのカレーライス」を食べるためです。ある有名なお笑い芸人さんが、「ここのカレーを食うためだけに新潟まで行くこともあんねん」と言っていたとか。

なんと、立ち食い席のすぐ隣で路線バスが発着しています。ディーゼルエンジンの排気ガスのにおいが、ジャンクな雰囲気をさらにかきたてています。

食券で大盛カレーライス(550円)を注文。厨房カウンターで受け取ると、重っ! ご飯は1合以上ありそう。ルーの色は真っ黄色。学校給食のカレーをさらに黄色くした感じ。これは大甘カレーっぽいな、と思って食べたらとんでもない。相当スパイシーです。かなりの激辛好きな僕でも、頭頂部の汗腺がフルオープン。これはお子様には食べさせられないなあ。この辛さは、インドカレーのガラムマサラや韓国料理のレッドペッパーとは質が違うぞ。そう、赤くて小さい缶に入った昔ながらのカレー粉の辛さです。具は豚小間肉と玉ねぎ・ニンジンのみかな。豚肉以外はルーに溶け込んで原型をとどめていません。いやー旨い、そしてお腹いっぱい。

 

〇道の駅阿賀の里(新潟県阿賀町)

阿賀野川沿いに国道49号線を南下します。途中この道の駅で充電休憩。かなり大規模な施設です。

中庭には池が作られ、その横には水産物専門のお土産屋さん。品ぞろえはイマイチでした。

道の駅の裏手が遊覧船の発着場になっていました。景色が素晴らしい。観光客もちらほら。

フードコーナーもかなり充実していました。が、食指は動かない。施設は全体的に「ハード面は良いが、ソフト面はちょっと…」という感じです。

 

〇道の駅裏磐梯(福島県北塩原村)

 

本日の車中泊場所です。ここを選んだのは、今日の北陸・東北地方が異例の暑さになるとのことだから。それならなるべく標高の高い場所に避難しようというわけです。周りを原生林に囲まれ、コンビニなども皆無なので、途中のスーパーで夕食を買い込みました。

道の駅裏手からの景色。原生林の向こうにちらりと檜原湖が見えます。車中泊車は数台。下界よりも5~6度は涼しいです。

人がいないので、テラス席にお惣菜を広げてビールを飲みながら夕食です。午後7時近くなってもまだ明るい。車通りも少なく、音は鳥のさえずりのみ。ゆっくりと眠れそうです。

 

〇裏磐梯高原ホテル(福島県北塩原村) ※第3日目

磐梯高原は、福島県の中でもスキー場が集中しており、30年前のスキーブームのころにたくさんの大型リゾートホテルが建設されました。ここ裏磐梯高原ホテルは、そのスキーブーム以前に建設された、アッパーミドル層のための本格的リゾートホテルです。決して規模は大きくありませんが、建設当初そのままの瀟洒な外観には、伝統と格式が感じられます。敷地内には整備されたテニスコートが数面、中庭には元々ここにあった小さな湖、車で少し奥に入ると裏磐梯スキー場というホテルのプライベートゲレンデまで有しています。僕も若いころ背伸びをして宿泊しましたが、そのホスピタリティの良さに感動しました。特別な日に特別な人との宿泊にぜひおすすめします。

 

〇檜原湖(福島県北塩原村)

裏磐梯にある大きな湖です。冬はワカサギ釣り、夏はトラウトフィッシングで賑わいます。早朝だったため人影はほとんど無し。近くには五色沼という名勝があり、トレッキングの観光客が数名いらっしゃいました。

 

〇喜一(福島県喜多方市)

朝食にしましょう。ここ裏磐梯から喜多方市はすぐ近く。しかも喜多方市は「朝ラーメン」発祥の地です。というわけで、午前8時にこのお店へ。料亭のような高級感のある外観ですね。

オーソドックスな「熟成醤油ラーメン」を注文。外観も味も正しい喜多方ラーメンという感じです。コクのあるスープは今までの喜多方ラーメンの中で一番好きかな。とても美味しいんですが、残念ながら量が足りない! さすがに「おかわり」は気が引けるので、こりゃあお昼もラーメンかな。お店の大将やおかみさんの接客態度もとても好感が持てました。

実はね、最初はこことは違うお店で食べる予定だったんです。しかし、そのお店の外観を見た途端、食べる気が失せてしまいました。理由はオーナーのお店に対する愛情が感じられなかったから。豪華とか質素とかのレベルではありませんよ。具体的に書くとお店が特定されてしまいそうなのでやめますが、お店への愛情がないと料理にも愛情は注ぎませんよね。僕のこの判断はたぶん正しかったと思います。

 

〇蔵の湯(福島県喜多方市)

道の駅喜多の里内にある日帰り温泉施設で朝風呂です。温泉手形は使えないので入浴料は500円。外は大雨です。

内湯・露天風呂・ドライサウナを備えており、入浴料500円は割安だと思います。お湯はかなりぬるめ。

 

〇ラーメン英(福島県白河市)

白河市まで戻ってきました。この旅最後の食事は白河ラーメンの名店と言われるここで。朝ラーメンの量が少なかったので、お昼もラーメンです。

普通のラーメンを注文。平日のランチタイムサービスで半ライスとお新香がついています。スープは鶏ガラの醤油味、麵は平打ち縮れ麵とスタンダードでニュートラルな白河ラーメンです。白河ラーメンが初めての人は、ここで食べてみて自分の好みかどうか判断してみるのもよいと思います。

 

☆5th   TRIPのまとめ☆

本格的な夏がやってきますね。今後の車中泊の旅は暑さ対策がキモになりそうです。今回の旅でも、寝苦しさを感じることもありましたからね。そうなると、次の目的地は北海道かな。でも最近は北海道でも熱帯夜がたまにあるとのこと。それと北海道の旅だと少なくとも期間は1週間はみておかないと。車中泊だけで1週間は、果たして僕の体力は持つのだろうか。「自由な旅」がコンセプトですが、北海道チャレンジには綿密な計画が必要かもしれませんね。

 

 

 

 

 

4th trip 福島~山形~秋田~岩手~宮城県 (6月上旬) 

今回は東北5県を一気に制覇する強行軍の旅です。本当は秋田県でのある会議に出席するのが目的なんですけどね。スケジュールがタイトなので、見学よりもグルメ重視でいきたいと思います。では、お隣の福島県からスタート!

〇道の駅喜多の里(福島県喜多方市) ※第1日目

喜多方市の郊外にある立派な道の駅です。「蔵の街」をアピールするようなデザインの建物が並んでいます。

お祭りの山車が展示してありました。おみやげを買うならここ一軒でOK。実はトイレと充電のために寄っただけなのですが、「喜多方老麵会」のパンフレットを手にとったとたん、お腹の虫が鳴き始めました。まだ11時前だったのですが、行っちゃえ!

〇あべ食堂(福島県喜多方市)

喜多方市街地の細い路地にある、有名なラーメン屋さん。どうです、いかにも老舗という風情のある佇まいでしょう。朝7時半から営業していますが、休日はいつも長い行列ができるそうです。今日は平日なので、すぐに入れました。

オーソドックスな「中華そば」を注文。どんぶりが小さめで、「足りるかな?」と思ったのですが、意外にボリュームがありました。とてもシンプルですが、バランスのとれたラーメンです。動物系と魚介系の合わせスープかな? 縮れ麵がよくからみます。行列ができるのも納得の飽きの来ない味です。スープまで飲み干して、ごちそうさま。

さて、一気に山形県の中央部までドライブです。新緑から少し色の濃くなった山々が初夏を感じさせてくれる、絶景のドライブコースです。秋の紅葉時期にも絶対来よう。

日中ダム(多分…)のダム湖です。他にも思わず足を止めたくなるポイントがたくさんあったのですが、先を急ぎます。

〇鷹野湯温泉 パレス松風(山形県白鷹町)

ふるさと森林公園の高台にある公共の複合施設。運転で疲れた体を温泉でほぐしましょう。もちろん「温泉博士」の手形で無料ですが、正規料金でもたった300円! しかもそのお風呂は…。

ものすごく豪華! 清掃やメンテナンスが行き届いており、大きな展望窓からは、白鷹町が一望できます。このほかにも高温サウナまでついています。この設備で料金300円は奇跡的ですよ。

〇道の駅十文字(秋田県横手市)

ここを本日の車中泊場所にしました。理由はトイレがきれいだったのと、コンビニが併設されていたから。かなりの長距離を運転したので、疲れがたまっています。夕食をコンビニの食材で簡単に済ませ、早々に就寝準備をしたのですが…。幹線道路の近くで大型トラックが多く、騒音で眠れない。というわけで、静かなポイントを探して移動します。

〇道の駅さんない(秋田県横手市)

森の中の道の駅。急速充電器もあり、トイレも立派。ここならゆっくり眠れそうと思ったのですが、とんでもない! 深夜に雷鳴のような轟音が何度も…。轟音の正体は、すぐ前を通る道路の ①荒れた路面 ②スピードが乗る下り坂 ③大型トラック の3乗効果によるものでした。へとへとに疲れていたにもかかわらず、結局睡眠時間は3時間程度…。

〇味一番(秋田県横手市)  ※第2日目

うー、眠い。今日は午後イチで会議なのに大丈夫か? 昨日の夕食が簡素だったので眠くてもお腹は減っています。朝食にしましょう。ここは横手市、やっぱりこれですよね。

道の駅十文字の隣にある、横手やきそばのお店です。現在時刻は朝の6時半! 営業時間は午前6時からとなっていますが、店主のおやじさんは、「年中無休で朝の4時半から開けてるよ」とのこと。すごいバイタリティだ!

普通盛り(500円)を注文。お約束の目玉焼きが乗っています。福神漬けが付け合わせで、これらを混ぜ合わせて食べました。ウスターソースはなんとなく和テイストが感じられます。「朝からソース焼きそばってどうなの?」と思われるかもしれませんが、これがペロリと入ってしまいました。おいしかった。

〇かみおか温泉嶽の湯(秋田県大仙市)

会議のある大仙市に入りました。会議の前に体を清めましょう。温泉手形は使えず、料金は400円です。お湯は源泉かけ流しでにごり湯。いい泉質です。東北は安くて良い立ち寄り湯が多いですね。

〇秋田県畜産試験場(秋田県大仙市)

会議場です。ここで「全国ウサギネットワーク」の実務者会議が行われました。出席者は主催者の某国立大農学部准教授の先生、秋田県畜産試験場主任、本ネットワークの代表、僕と嫁さんのたった5人です。

嫁さんは副業で動物のブリーダーをしています。秋田県と本ネットワークが主催している「全国ジャンボウサギフェスティバル」で入賞したことをきっかけに、この組織に関わることになりました。ちなみにジャンボウサギとは食用ウサギのことです。

ここ大仙市は昔から食用ウサギの品種改良で有名でした。ジビエが注目されるようになった現在、またこの食文化を全国に普及させようというのが、このネットワークの目的です。僕も日本のジビエ文化に興味があったので、嫁さんと一緒にこのネットワークに関わらせてもらうことになったわけです。「何か雑用でも任せてもらえれば…」などと考えていたのですが、会議の流れから、来年からネットワークのホームページの管理・運営を任されることになりました。意外に重要な仕事のようで、やりがいがありそうです。

〇お食事処ひいらぎ(秋田県大仙市)

会議が終わって、夕食です。このネットワークのスーパーバイザーである地元農家の大物さんが、懇親会という形でセッティングしてくださいました。おかみさんが1人で切り盛りしている、趣のあるお店ですね。出てきた料理がすごかった…。

ゼンマイとシイタケの煮つけです。ゼンマイ太い! シイタケ厚い! 味わい深い! 絶品!

淡竹と身欠きにしんの煮物。淡竹はおかみさんが朝採ってきた地のもの。横の刺身がかすんでしまうほどの絶品!

熊鍋。スーパーバイザーさん提供の熊肉を、ダイコンやごぼうとじっくり煮込んだみそ仕立ての鍋です。熊肉は固いというより歯ごたえがある感じでとても食べやすいのですが、噛みしめて味わうと中から「獣の風味」が出てきます。

〇八乙女温泉さくら荘(秋田県大仙市)

本日の宿。嫁さんと一緒なので車中泊ではありません。大仙市の研修施設ですが、中はビジネスホテル並み。ただし、部屋はテレビや冷蔵庫、バス・トイレ無しの素泊まりが基本です。お風呂は併設されている温泉施設へ。ベッドに横になると、酔っ払っているのと寝不足のせいで爆睡。

〇沢内バーデン(岩手県西和賀町) ※第3日目

嫁さんは関係者への挨拶回りがあるので、今日から別行動です。岩手県を目指して出発!

岩手県の細長い錦秋湖にあるダムです。車でダム上まで行けました。

ここでお風呂休憩。志賀来温泉の沢内バーデンです。源泉が高温で量も豊富なため、スチームサウナにも源泉が贅沢に使われています。泉質もなかなかのもの。

道の駅錦秋湖(岩手県西和賀町)

充電不足気味だったので、ここで充電休憩です。地元のお客さんに「電気自動車が充電しているところを初めて見たよ」と声をかけられました。岩手県ではあまり普及していないのかな。冬が苦手な車だからなあ。さあ、次は宮城県までノンストップだ!

〇石ノ森章太郎ふるさと記念館(宮城県登米市)

ちょうどルートの途中にあったので立ち寄りました。入り口では『サイボーグ009』の島村ジョーがお出迎え。コスチュームが白なのは初期の作品ですね。

きれいな中庭にはいくつかの作品が印象的にディスプレイされています。ロビーには初代から歴代の仮面ライダーたち。

入場料700円。展示室は撮影禁止でした。内容は…うーん、石巻市の「石ノ森萬画館」の方がよかったかも。

〇道の駅上品の郷(宮城県石巻市)

本日の車中泊場所です。一昨日のような不眠にならないように、環境を吟味して決めました。石巻の魚が食べたかったんだけど、売店の品ぞろえはイマイチ。ビールと軽食を併設のコンビニで購入し、タブレットで映画を観ながら早々に就寝します。

〇松島湾(宮城県松島町) ※第4日目

4th tripの最終日です。せっかくですので、ベタな(失礼)松島の景色を見てから帰路につきたいと思います。東日本大震災でかなりの被害を受けたとのことですが、現在はどんな感じなんだろ。

絶景は健在ですが、周りの観光施設は未だ完全には復旧していませんでした。朝一でしたが、観光客の車と同じくらいの工事車両の台数です。この写真は「扇浜」という名前のほとんどプライベートビーチのような場所からの風景です。ここでコーヒーをドリップし、カロリーメイトと一緒に朝食です。浜辺周りには、観光客のものと思われるごみが点々と…。復旧途上のこの土地にごみを捨てていく神経に腹が立ちました。拾える範囲で片付けて、帰路につきます。

〇塩釜水産物仲卸市場(宮城県塩釜市)

ルートの途中なので立ち寄りました。一般客も歓迎とのことでしたが、朝の6時台だったため、僕のほかはプロの方々ばかり。若干居心地が悪い。写真では伝わりにくいですが、巨大アナゴとザブトンカレイが生きていました。

塩釜港と言えば、マグロの水揚げで有名です。朝一だったので、本当にそこかしこで大マグロの解体ショーが行われていました。中落ちが本当にうまそー。

〇飯坂温泉伊勢屋(福島県福島市)

福島県に戻ってきました。この旅最後の入浴。温泉街の奥まった場所にある高級旅館ですが、温泉手形で日帰り入浴無料です。

平日のせいか、なんと客は僕だけ! この広い内湯を独り占めです。源泉かけ流しのお湯はかなり熱めで、冬には疲れがよく取れそう。1時間以上内湯にいましたが、結局他のお客さんはゼロでした。

〇らーめん好房(福島県須賀川市)

最後のお昼は、おいしい白河ラーメンでも、と思っていたのですが、白河市までお腹がもちそうにありません。スマホで検索すると、よさげなこのお店がヒットしました。知らないと素通りしそうな店構えです。休日は長い行列に食べるのをあきらめる人も多いとのことですが、平日の今日は驚くほどすんなりと入店できました。

普通のラーメンの大盛を注文すると、同じ料金で麵1.5倍か2倍を選べるとのこと。食い意地で2倍をチョイス。どんぶりの大きさは普通ですが、箸を入れると麵がぎっしり。あーあ、またやっちゃったかな…。

スープは魚介系のかなり力強い味。大きなチャーシュー(煮豚)が2枚。麵は細麺のストレート。実はこの麵が素晴らしい。もちもちというよりもシコシコで、その弾力が絶妙です。「残すのもやむなし」と思っていたところが、難なく完食。煮卵のトッピングを入れても、これで大盛650円ですよ。安っ!

☆4th  tripのまとめ☆

「全国ウサギネットワーク」の方々との交流は、本当に実りの多いものでした。「退職後、何か建設的な活動ができないものか」と考えていたその答えが見つかった気がします。

この旅をもって、関東・東北地方のほとんどを制覇しました。今後はかなり遠めの、日数をかけた車中泊旅行になります。トラブル回避の方策を十分に立てて出かけたいと思います。

これから暑い時期に入ると、車中泊はかなり厳しいものになります。夏場は趣味のサーフィンに出かけることが多くなりそうなので、このトラベルダイアリーも小休止になりそう。